ゾンビサバイバル!《ふたりあそび番外編》 『獣の交合』

*腐注意* http://togetter.com/li/422817 のついのべ別枠まとめ
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長月笹良 @sasa_sep

@Yukilinus とにかくお前の好きなようにしろ、俺は全部賛成するから。肩を引き寄せると、嫌がらずに胸に収まる。…君といたい。おう。君の負担になりたくない。うん。もう少し、ここにいさせてくれ。ああ、心配させてごめんな。金色の髪を撫でると、両腕でしがみついてきた。…ありがとう。

2012-12-25 23:11:15
長月笹良 @sasa_sep

@Yukilinus 目尻に残った滴を舌先で舐め取る。そういや、この前アンナに怒られたよ。アンナが? どうして。俺が勝手に泣いてたからじゃね。見上げてくる額に唇を落とす。お前にこうしてもらえばよかった。…そうだな、君は一人で抱え込みすぎだ。首に回された腕が解け、掌で頬を挟まれた。

2012-12-25 23:11:53
長月笹良 @sasa_sep

@Yukilinus こんなに冷たくして、馬鹿だな。じゃあお前があっためてくれればいい。包まっていたカーテンを床に広げ、ベニーの体を組み敷く。…病み上がりじゃないのか。うん、最近いいみたい。無理するな。またまた、寂しかっただろ? …知らない。焚き火の光を映した深緑の瞳が揺らめく。

2012-12-25 23:13:34
長月笹良 @sasa_sep

@Yukilinus そこは寂しかったでいいんだよ。素直じゃない恋人の鼻を摘まんでやる。やめろと払われるが、ジッパーを下げて首筋の肌を吸うと震えるようなため息が洩れた。病院ではベニーが自分から服を脱いだ。なかなかいい眺めだったが、やっぱり自分の手で溶かしていく楽しみには敵わない。

2012-12-25 23:14:38
長月笹良 @sasa_sep

@Yukilinus 性急に服を脱がせ、首輪だけを身につけた獣の全身にキスを降らせる。鼻にかかったため息も兆した体も待ち侘びたと訴えるのに、指を忍び込ませたそこは初めてのように侵入を拒もうとする。でも久しぶりなのはこっちも同じだ。逸る気持ちのまま宥めすかして、全てを繋げてしまう。

2012-12-25 23:50:45
長月笹良 @sasa_sep

@Yukilinus きつく食い絞められて奥歯を噛む。歓迎されてるとは言い難い。それでもゆるやかに腰を使うとベニーは懸命に呼吸を合わせようとする。中が徐々に熟れて和らぐのがわかるが、快楽に飲まれかけた瞳に時折理性が宿る。つらいか? 動くのをやめて訊ねる。…背中が、床に擦れて痛い。

2012-12-25 23:51:30
長月笹良 @sasa_sep

@Yukilinus それだけ? 他はいいのかと言外に問うと顔を背ける。しかし綺麗な背中に傷でもついたら大事だ。わかった、ちょっとこっち来て。どうやってと戸惑うベニーの腰の下に腕を差し入れた。何を、照之…! 抗議を無視して繋がったまま胡座の上に乗せた。声にならない悲鳴を堪能する。

2012-12-25 23:52:15
長月笹良 @sasa_sep

@Yukilinus …本当に、君は。息も絶え絶えに睨み付けられて興奮する。衝撃でいきかけたらしい、小刻みに痙攣する肢体。このまま強引に突き崩してしまうか焦らして長く味わうか、どっちも魅力的で困るから相手に委ねることにする。なあ、動いてみて。…え? お前の気持ちいいとこ、教えて。

2012-12-25 23:53:32
長月笹良 @sasa_sep

@Yukilinus …できない。熱っぽく蕩けた瞳で、ベニーは一人ぼっちで迷子になったみたいに途方に暮れている。簡単だよ、好きなようにすればいい、ほら。腕の中の体を軽く揺さぶると、今にも泣き出しそうに喘いだ。背中に爪を立てられ、肩に額を預けられる。胸にぶつかったタグが音をたてた。

2012-12-25 23:54:47
長月笹良 @sasa_sep

@Yukilinus この世界で添い遂げなかった代わりに、永遠を選んだ二人。そうでなければ君はここにいないとベニーは言うかもしれない。でも、俺は好きな相手と抱き合えもしない永遠なんかいらない。悶える体を尚も引き寄せ、堪え性のなさを見せつけてやる。いいだろう、こいつは可愛いだろう。

2012-12-25 23:55:51
長月笹良 @sasa_sep

@Yukilinus 促すように、唆すように揺らしてやるとベニーは徐々に綻ぶ。時折下から突き上げると嬌声をあげ、背中が弓なりに反った。自らぎこちなく腰を蠢かしだしたので、背後の床に片肘をついて上体を支える。白い肌が、赤い焚き火に煽られて綺麗だ。…すげえ、俺がお前にされてるみたい。

2012-12-25 23:57:03
長月笹良 @sasa_sep

@Yukilinus 恍惚とした瞳が俺を捉える。…照之、気持ちいいのか。自分が興奮させた俺に貫かれているのに、なんとも的外れだ。だって、いつも、僕ばっかり。舌足らずな切れ切れの声の間にも淫靡な律動は止まない。一息に全てを拐われそうで息を詰めると、ベニーは身を伏せて胸を重ねてきた。

2012-12-25 23:59:04
長月笹良 @sasa_sep

@Yukilinus 下肢で交わりながら舌を絡め合う。呼吸がままならず喉で呻くと、そこばかり執拗に舐められた。唇を離すと溶けきった深緑の瞳が間近で、否応なしに引き込まれる。…もっと、君の声が聞きたい。ああ、獣が本性を顕した。俺を丸ごと喰っちまうつもりか。狩られる予感に声を洩らす。

2012-12-26 00:00:49
長月笹良 @sasa_sep

@Yukilinus ベニーは俺の喉に肩に胸に掌を這わせ、キスを降らせる。声が、一度出ると止まらなくなる。最初こそ恐る恐るだった腰の動きは次第に滑らかになり、今やしなやかな獣そのものだ。密着した腹につかえて、快楽を訴えているものを触ってやろうと手を伸ばすと、指を握られて阻まれた。

2012-12-26 00:02:25
長月笹良 @sasa_sep

@Yukilinus 駄目、一緒に、切迫した声に誘われる。自然ともう片方の手も繋ぎ、指を絡ませる。ねだったのに、それはベニーを先に襲った。断末魔の悲鳴をあげ、ゆっくり、押し出されるように吐き出していく。極まる内部にたまらず解き放つと、打たれたように跳ねた。いいよ、全部くれてやる。

2012-12-26 00:04:43
長月笹良 @sasa_sep

@Yukilinus …照之。崩れ落ちてくる体を受け止める。焚き火の火が弱まったので、床に蟠っていたカーテンでベニーの体ごと包まった。エロかったな。全力疾走した後みたいな呼吸をしながら、汗ばんだ額につけた唇で囁く。…幻滅したか。俺は褒めたのに、ベニーは余韻の残る瞳を揺らめかせた。

2012-12-26 00:05:47
長月笹良 @sasa_sep

@Yukilinus よかったつってんの、次からしてもらおうかな。…こんなの、何回もしてたら、壊れる。みるみる硬さを取り戻す鋭利な瞳。いつもなら再び溶かしてやるところだが、ベニーは本当に一息で俺を飲んでしまった。急速な眠気に抗いキスを繰り返す。床が固いな、と最後にちらりと思った。

2012-12-26 00:10:02
長月笹良 @sasa_sep

@Yukilinus 目を開けると窓の外は明るく、ベニーは俺の上で眠っていた。立ち去り難いから、いつも先に起きていた。この間の病院で初めて一人で残されて、想像以上に寂しくて驚いた。お前は冷たい奴だなと理不尽に詰りたくなる。きっと俺も同じ風に思われてた、それは自惚れじゃないだろう。

2012-12-26 00:10:31
長月笹良 @sasa_sep

@Yukilinus 長い睫毛に縁取られた瞳が現れるのを、何かの奇跡のように眺める。…おはよ。言ってから照れ臭くなった。ベニーは不審げに目を眇めて俺を認め、ふわりと微笑んだ。…そうか、こうしてれば君はいなくならないんだな。胸に頬を寄せてくる。ちょっとやめて、マジで手放せなくなる。

2012-12-26 00:12:23
長月笹良 @sasa_sep

@Yukilinus もう行かなきゃ。俺が懇願するとベニーは少し考える。…もし、ここから出られたら。うん? 脱出できたら、君が飽きるまで傍にいる。寝起きのせいか妙に素直だ。言ったな、後で寝ぼけてたとか聞かねえからな。僕は君のものだって、君が言ったんじゃないか。憎まれ口に安心する。

2012-12-26 00:14:23
長月笹良 @sasa_sep

@Yukilinus 背を向け合って服を着る。まだ少し湿っぽいが、この際贅沢は言うまい。…照之、呼ばれて振り返ると、既に厄介な服を身に着けたベニーがジッパーを上げずに佇んでいた。俺の顔色を窺い、躊躇いがちに襟の中に手を入れる。何をしようとしているのかわかったが咎める気は起きない。

2012-12-26 00:15:26
長月笹良 @sasa_sep

@Yukilinus タグが引き出されたのを見て頭を下げると、そこに鎖を掛けられた。君を守ってくれると思う。顔を上げると胸元でちり、と鳴る。爺さん達、預かってくれてありがとうな。指先で触れてみると、金属なのに温もりを感じる。それはとてつもなく重い、手に負えないものだと思っていた。

2012-12-26 00:16:10
長月笹良 @sasa_sep

@Yukilinus だが、俺にはもっと重くて大事なものがある。俺だけの可愛い獣と、ベニーを愛している俺自身。俺は永遠を拒んだから、今を生き抜くしかない。お返しにジッパーを顎の下まで引き上げてやり、白い肌を隠した。ドアを開けると雨上がりの青空、俺たちはそれぞれ右と左へ駆け出した。

2012-12-26 00:16:37