【SecretGuardianMAHI】第2話第1節

Twitter小説【SecretGuardianMAHI】の第2話です。
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高橋ショウ @zrx78

【SecretGuardianMAHI】第2話第1節  「……さん……久保寺さん」

2013-02-09 21:18:27
高橋ショウ @zrx78

 男の声に呼びかけられ、麻衣はハッとなった。

2013-02-09 21:18:51
高橋ショウ @zrx78

 セーラー服姿の麻衣は、キョロキョロと周囲を見回す。彼女は執務室のような部屋にいた。 http://t.co/82XX7swz

2013-02-09 21:20:06
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高橋ショウ @zrx78

(あれ? なんで私、こんなところに?)

2013-02-09 21:20:26
高橋ショウ @zrx78

 麻衣は首を傾げる。ここに来た記憶が無かった。それどころか、どうしてこのような場所に来たのかも分からない。

2013-02-09 21:21:08
高橋ショウ @zrx78

「久保寺麻衣さん、どうかしましたか?」

2013-02-09 21:21:33
高橋ショウ @zrx78

 また呼びかけられる。麻衣を呼びかけたのは、執務机についている黒いスーツを着た男だ。室内だというのにハードブラックのサングラスを掛けているので顔がよく見えないが、それでも年齢は40を少し過ぎたぐらいだろうと麻衣は思った。

2013-02-09 21:22:03
高橋ショウ @zrx78

 父親が生きていれば、同じぐらいの年齢のはずだ。

2013-02-09 21:22:32
高橋ショウ @zrx78

 椅子に座っていても、背が高いと分かる。おそらく立ち上がれば180センチはあることだろう。そして体格が良い。何かスポーツをやっていた、あるいはまだやっている……麻衣はそう思った。

2013-02-09 21:23:17
高橋ショウ @zrx78

「どこか具合でも?」

2013-02-09 21:23:43
高橋ショウ @zrx78

 そう聞かれ、麻衣は慌てて「あ、いいえ」と首を左右に振る。男は「そうですか」と返すと、机の上の何かを手に取った。紙……履歴書だ。

2013-02-09 21:24:12
高橋ショウ @zrx78

「それじゃあ、座って」

2013-02-09 21:24:43
高橋ショウ @zrx78

 と男は執務机の前にあるパイプ椅子を手で示す。麻衣は様々な疑問……ここがどこなのか、何でここにいるのか、何をしに来たのかを胸に抱きながらパイプ椅子に座った。

2013-02-09 21:25:16
高橋ショウ @zrx78

「久保寺麻衣さん、17歳で高校2年生……アルバイトは初めてかな?」

2013-02-09 21:25:40
高橋ショウ @zrx78

 男の言葉で麻衣は、

2013-02-09 21:26:01
高橋ショウ @zrx78

(そっか……アルバイトの面接に来たんだっけ)

2013-02-09 21:26:28
高橋ショウ @zrx78

 そう思った。だがすぐに、

2013-02-09 21:26:52
高橋ショウ @zrx78

 また新しい疑問を抱いた。1年生の時はアルバイトをやっていた。ゲーム好きなので、ゲームを買うための金を得るためだ。しかし2年生に進級すると同時に、陸上部のレギュラーになったのでアルバイトはやめた。

2013-02-09 21:27:54
高橋ショウ @zrx78

 ゲームを買う資金が得られなくなると嘆いた麻衣だが、同時にレギュラーになれた嬉しさもあった。中学校の時から陸上をやっているが、中学時代は補欠で終わってしまった。

2013-02-09 21:28:08
高橋ショウ @zrx78

 だからレギュラーが決まった時、アルバイトよりも陸上部を優先した。ゲームも好きだが、走るのはもっと好きであった。

2013-02-09 21:28:40
高橋ショウ @zrx78

(なんかヘンだなあ……?)

2013-02-09 21:29:09
高橋ショウ @zrx78

 今は部活優先で、アルバイトをする気は無い。それなのに、アルバイトの面接に来ている自分におかしさを麻衣は感じた。そして、いつ履歴書など書いたのかも記憶には無かった。それ以前に、履歴書を買った記憶も無いが……。

2013-02-09 21:29:34
高橋ショウ @zrx78

「いえ、去年までアルバイトはしていました。ファストフード店で、です」

2013-02-09 21:29:56