azusaoriお遍路レポ

8/21~8/27にかけて四国八十八ヶ所の阿波二十三寺を巡ってきました。レポです。
1
うさおり @azusaori

外国人も沢山案内したぞ、とじいさんは言った。アルゼンチンから来た大学生。ニューヨーカー。スペイン人のカップル。一番困ったのはドイツ語しか話せんロマ人やった、と笑う。うん十年前、大学生の時にかじったドイツ語で何とか対応したそうだ。

2010-08-28 06:41:46
うさおり @azusaori

話していると、じいさんがものすごく教養のある人だとわかった。普段は何をしている人なんだろうかと少し気になったけど、向こうは私のことを何も訊ねなかったから、私も何もきかなかった。そうこうしているうちに11番についた。話しながら来るとあっという間だ。

2010-08-28 07:23:53
うさおり @azusaori

納経を終えて境内で休んでいると、じいさんが本堂のほうから手招きをした。天井を見てみろ、と言う。ちょっと失礼して覗かせてもらうと、天井いっぱいに大きな龍が描かれていた。ほとんどの遍路はこれを見逃すんや。21番太龍寺にも有名な龍の天井画があるから覚えとき、とじいさんは言った。

2010-08-28 07:24:27
うさおり @azusaori

12番の焼山寺への道は11番寺の境内裏にある。案内によると健脚で五時間、平均で六時間、弱足だと八時間かかるそうだ。次の日の山越えに備え、この日はここで引き返して早めに宿にはいることにした。

2010-08-28 16:50:01
うさおり @azusaori

他の三人は鴨の湯という有名な善根宿(地域の人が無償で提供してくれる宿)に泊まるつもりらしい。私は前日に鴨島駅前の民宿を予約していたので、彼らに別れを告げてじいさんに駅前まで送ってもらった。明日頑張りや、といってじいさんは去っていった。一期一会、か。

2010-08-28 16:50:22
うさおり @azusaori

その日、民宿の客は私一人のようだった。部屋についてすぐ、冷たい麦茶とゼリーを持ってきてくれた。心遣いが嬉しい。夕御飯は揚げ物と焼き魚。昨日の宿坊とは違って家庭的な味だ。ツイッターで生存報告をした後、明日に備えて早めに就寝した。

2010-09-02 15:17:23
うさおり @azusaori

6時半に朝食をお願いし、7時に出発した。出かける際に宿のご主人が「荷物になって悪いけど」と言いながら昼用のおにぎり2つと缶のお茶を持たせてくれた。直筆の手紙つきだ。あたたかい心に感謝しつつ、12番寺を目指して出発した。

2010-09-02 15:25:03
うさおり @azusaori

山登りの様子は(思い出したくないこともあるので)少し割愛。女性一人の場合は必ず他のグループの前後を歩いた方がいい、という前日のアドバイスの意味を身をもって痛感した。シーズンオフの場合は特に注意だ。

2010-09-02 15:25:18
うさおり @azusaori

9時半過ぎごろ、中間地点である柳水庵に到着した。ここで前日出会った人々と再会した。私より30分ほど先に出発していたようだ。空になったペットボトル(500ml×2)に湧き水を補給し粉末スポーツドリンクを入れる。この粉には随分助けられた。しばし休憩し次の一本杉庵に向けて歩き始めた。

2010-09-02 15:25:49
うさおり @azusaori

途中座れそうなところを見つける度に休みつつ、ひたすら山道を歩き続ける。獲物を見つけたアブがここぞとばかりに集ってきた。不殺生を誓った以上叩くわけにもいかないので、足を踏み外さないよう注意しながら追い払いつつ進んだ。12時前には一本杉庵に着いた。なかなか良いペースだ。

2010-09-03 00:35:27
うさおり @azusaori

朝頂いたおにぎりを半分食べて30分ほど休憩し、最後の難所に向けて出発した。ここからは一時間程度だと聞いていたので、遅くとも2時頃までには到着するだろう。と思っていた。しばらくして雨が降りだすまでは。

2010-09-03 00:35:46
うさおり @azusaori

一時頃から突然、ぽつぽつと雨が降り始めた。山間部を中心に雨、という朝の天気予報が脳裏に浮かんだ。空模様はまだ明るいが、嫌な雲が架かっている。本降りになる前に出来るだけ進んでおこうという思惑むなしく、間もなく雨足が強くなってきた。どしゃ降りだ。

2010-09-03 00:36:18
うさおり @azusaori

無理に進むのは危険だと判断し、近くの木陰でしばらく休むことにした。ふと辺りを見渡すと、ぽつぽつと人家や畑が見えた。どうやら山あいの集落らしい。これまで人気のない山道をひとり歩いてきたので、人の暮らしている気配に安堵した。

2010-09-03 00:46:45
うさおり @azusaori

畑のそばには猪の皮が吊るしてある。激しさを増す雷鳴の合間に、猟犬が吠えているのがかすかに聞こえた。しばらく休んでいたが、一向に雨足が収まる気配はない。それどころか酷くなるばかりだ。日がくれるまでには何としても宿にたどり着かなければならない。私は意を決して先に進むことにした。

2010-09-03 00:47:42