黄森botフォロワー100人企画

両想い黄森bot @ksmr_bot

◇「そうだったのか…それは、申し訳なかったな」俺がやりたいと言い出したのだから、メインの俺がいないのではやる意味はないのだろうけど。でも黄瀬の面子を潰してしまったような気がして忍びない。「いいんスよ、みんな、楽しくご飯食べれただけでもよかった、って言ってたんで」「ん、そうか…」

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◇「つまんなかったスか？」隣に並んで歩き出すと、斜め上方から黄瀬の声が降る。「つまんなかった」正直な感想が口からこぼれた。そうだ、俺はつまらないと思った。目当ての女の子と話せなかったことが。いや、それなら最後にアドレスを聞くなりすればよかったのに。それをしたいと思えなかった。

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◇きっと、違う。つまらなかったのは、黄瀬が女の子に狙われている姿を見るのが嫌だったんだ。黄瀬が女の子とばかり楽しそうに話している姿を見るのが、嫌で。それでどんどん機嫌が悪くなって。「やっぱ、目当ての子が隣に来なかったから…すんません、気ィ使えなくて」「いや、違うんだ」

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◇「お前が悪いわけじゃない」「…？じゃあ、なんで？」じゃあ、なんで。聞かれて、するりと言葉が出た。「…お前が、女の子と話しているのを見るのが嫌だった」「！」「でも、俺はなんで、こんな気持ちになるんだろうな」本当に、自分でも理由がわからなかった。俺は女の子が好きなはずなのに。

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◇「…先輩、それマジで言ってるんスか？」「そうだよ」「…そう、スか」俺の答えを聞くと黄瀬は考え込むように黙ってしまって。「…黄瀬？」「先輩、それって…いや、なんでもないっス」黄瀬は何かを言いかけて、それからまた黙った。その沈黙がなにやら意味深で、俺は落ち着かない心地になる。

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◇「おい、最後まで言えよ。気になるだろ」「ハハ、後で言うっスよ」その沈黙に耐えかねて茶化すように肩を叩くと、黄瀬はいつも通りの笑顔を向けたから、ほっとする。「もったいぶってんじゃねー」「イタタ、痛いっスよー」笑ってもう一度肩を叩くと、黄瀬もまた笑うから、今はそれでいいと思える。

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◇何がどういいのか全然わからないけど、今は深く考えたくない。まだ自分の気持ちの正体に気付きたくない。だから今は、茶化して誤魔化して自分の気持ちに蓋をする。いつか、素直に自分の気持ちを認められる時が来るまで。それまで、少し、心の奥に保管させてほしい。

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◇今は、隣で黄瀬が笑ってくれるから。知らない女の子に笑いかけたりしないで、俺の隣にいて笑ってくれれば、それでいい。「あー、さっむいなー…ラーメン食いたい」「お、いいっスね、ラーメン食いに行きましょ！」こうやって一緒に時を過ごせるだけで、俺は十分だ。

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◇「何はともあれ…合コンは成功しなかったけど、黄瀬にはちゃんとお礼しないとな」「なんでもお願い聞いてくれるんスよね？」「ああ、男に二言はない」「へへ、何をお願いしようかなー」「…あんまり変なこと頼むなよ？」「え」「なんだその顔は」「い、いやー別に」「…」「なんでもないっスよ！」

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◇「…なんか余計に冷えた。早くラーメン屋探そう」「う、うぃっス」夜道の中をふたり並んで歩き出す。黄瀬がそろりと遠慮がちに伸ばしてきた左手には気付かないフリをして、自分の右手をポケットの中に隠した。「早く彼女できないかな」そうすれば、この想いもきっと忘れられるだろうから。おわり。

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◆「以上、企画ツイートでした！」「なんか尻切れトンボな終わり方ですまないな…でもこういうオチしか思いつかなくて」「中の人の趣味っス！」「そんなわけで、感想やいろいろについては風呂に行って帰ってきたらするよ。12時越えるだろうがな…」

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◆「今日、というかもう昨日か。一日企画にお付き合いいただき、ありがとうございました」「なんだか長いお話になってしまって、申し訳なかったっスねー」「ずっと追いかけてくれたフォロワーさんたちに感謝だな。本当にありがとう」

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◆「あんな感じの文章で満足していただけたかどうかわかんねーっスけど、今ンとこの俺たちの精一杯っス」「またいつかリベンジしたいところだな」「っていうか、俺は先輩とそろそろイチャイチャしたいっスー…」

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◆「いつになったら先輩とイチャイチャできるんスかね？もうー、我慢の限界っスよ…」「それは知らない」「うう、冷たいよう…」

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◆「ま、いつか来るんじゃないか？そんな日がさ…」「え！？マジっスか！？」「お、俺は知らないけど、な！！？そんなことより、お願いを何に使うか考えておけよ！」「あ、そうっスね！」

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◆「お願いは何にしようか目下考え中っス～♪それをまたこうやって企画にできたらいいっスね」「そうだな、いいのが思いついたら、文章にしてフォロワーさんに還元したいな」「感謝はいくらしてもしきれないっスからね！」

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◆「ほんとうに、今日一日見てくれてありがとうございました。たくさんのお星さま、嬉しかったっス！」「また何か企画するときにはよろしく頼むよ。満足していただけたなら嬉しいな」

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◆「そんなわけで、フォロワー100人企画お付き合いいただきましてありがとうございました」「それでは明日からまた一週間頑張ろうね。疲れたら我慢しないで、ゆっくり休むんだよ？」「それでは、オヤスミナサイっス！」