twitter版鋼鉄の旋律第一話【Fallen Angel】

引っ込み思案だけど多感な主人公の少女、白鳥優子がひょんな事から悪魔と人間の戦争に巻き込まれていく……。 みたらいが趣味でpixivに書いてるていちのうラノベ【鋼鉄の旋律】( http://www.pixiv.net/series.php?id=127380 )のtwitter放送版。
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檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「大丈夫かッ……怪我はないかい?」(21)

2013-02-24 20:12:24
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

私はその時、緋色の長い髪、黒のシャツとデニムという割とカジュアルめな服装を身に纏い、少し大きめの、火の粉を吹き上げるカタナを片手に構えた、私より少し年上っぽい背の高い男の人が後ろから現れたのを見た。(22)

2013-02-24 20:13:59
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「……」私は痛みに耐えるのに必死で、どんな言葉も思い浮かばなかった。この状態のどこをどう見たら大丈夫に見えるのだろう?(23)

2013-02-24 20:15:42
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「……大丈夫か否か聞いといて悪いけど、キミの治療は後だ。とりあえず」 彼はそう言い、少年を睨みつけた。 「この悪魔め!無関係な一般人相手に不意打ちを掛けたんだろう!?許せん!!!」(24)

2013-02-24 20:17:03
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

彼の言葉をものともせず、悪魔の少年は言い返す。 「ハ?……まあいい、2~3年程前に作戦方針が変わっただけだ。この世界を支配するのには我々悪魔だけで充分。だから愚かな人間を奴隷として使役する計画も破棄し、我々だけで支配する事としたまでよ」(25)

2013-02-24 20:18:42
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「なるほど。だが何故その子一人をわざわざ、悪魔軍の副大魔王のお前が殺そうとしたんだ?不自然だ。何を隠している?」 「それをお前がここで知る必要は無い。何故なら……」 デーモン、と言われた男の子はマントを捨て、身軽な姿になった。(26)

2013-02-24 20:21:42
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「貴様はここで死ぬのだからな!!!」(27)

2013-02-24 20:22:07
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

そう言い終わる前にデーモンは掌を開いて上下に合わせた。すると、その構えた両手から真っ黒なレーザーのようなものが飛び出した。それは男の人めがけて一直線に飛んでくる。だけど、それを男の人は刀の一振りで消し去ってしまった。(28)

2013-02-24 20:23:04
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

そして、男の人は私が瞬きをした一瞬でデーモンの目の前まで詰め寄って、炎を纏わせた刀の切れない方で思いっきり腹部を叩いて、そのままの勢いで吹き飛ばした。(29)

2013-02-24 20:23:44
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「ぐっ……かはっ……」 デーモンは口から血を吐いた。そして顔を上げた時には、既に男の人はデーモンの顔に刀を向けていた。(30)

2013-02-24 20:24:34
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「き、貴様は一体……!?」「言っておくが」 男の人が話し始める。 「俺は3年ほど前、貴様ら悪魔どもが日本に構えた拠点の尽くを叩き潰した『聖歌隊』のナンバー2だ。その気になれば、地球の重力の違いで弱った貴様程度、今ここで……(31)

2013-02-24 20:26:31
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

私の朦朧とした意識は、そこで途切れてしまった。(32)

2013-02-24 20:26:59
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

目が覚めると、空は完全に日が落ちて青黒くなり、すっかり夜になっていた。そして、仰向けになっている私の頭は……そうやらさっきの男の人の膝の上にあるようだった。(34)

2013-02-24 20:28:44
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「あ、あの」 私は男の人にお礼を言おうと思って膝枕から起き上がった。すると逆に男の人は急にため息をついてその場に座り込んでしまった。 「いやぁー、危ないところだった」(35)

2013-02-24 20:30:22
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「さっきあいつに言ってた話、聖歌隊に所属してるっていう話なんだけどね、俺実は3年前にその聖歌隊から逃げ出してずっと逃亡生活してたから、もうすっかり腕がなまっちゃってたんだよね」「は、はぁ……?」 男の人の髪の色は、いつのまにか普通の、明るめの茶色になっていた。(36)

2013-02-24 20:31:43
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「いや、あの、要するにさ、嘘を信じたあいつが勝手に怖がって帰っていってくれたっていうか何ていうか……うん。だからそれは気にしないで!ああ、あと今日、今あった事は必ず忘れるように。でないとまたキミが悪魔に狙われることになるから」(37)

2013-02-24 20:35:12
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

一体全体全く意味の分かっていない私にこの人は説明してくれているっぽかったが、私としてはまずこの状態になるまでのいきさつも一体全体全く意味が分からなかったので、この人の言っている事は結局一体全体何を言っているのか分からなかった。説明してくれたのは嬉しいけど。(38)

2013-02-24 20:37:31
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

……と、突然その人は立ち上がってそのまますたすたと歩いて行ってしまった……が、折角こんな運命的な出会いをしたイケメンを逃し……いやいや、折角助けてもらったのに、このままお礼の一つも言えないのはまずい。(39)

2013-02-24 20:39:20
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「あ、あのっ……いえ、でもありがとうございました」 私は何とか追いついて、そんな意味不明な言葉を言うのが精一杯だった。今までこんな事無かったから。 「お、おう……分かったよ。いいえ、どういたしまして」彼はそう言って、私に笑いかけてくれた。(40)

2013-02-24 20:41:03
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

その笑顔に私はすっかり舞い上がって、 「あの、ところで、あなたの名前はなんていうんですか?」 なんていう質問までしてしまった。 「俺?……坂本。サカモトだよ」(41)

2013-02-24 20:41:55
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

彼がそう言った直後だった。 「やはりあの坂本さんだったのね。まさかホントにめがね屋さんの店員やってたなんて、ビックリだわ」 私達の会話に、突然女の人が割って入ってきた。(42)

2013-02-24 20:44:31
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「ちょっと待て君は、一体……?」坂本さんは少し怯えた顔をして、女の人……私と大して歳は変わらない位の、茶髪できつめの目つきをした女の方を見た。(43)

2013-02-24 20:45:36
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「そんなことは後で説明するわ。それよりも」 女の子は私に目を合わせた。そして、 「あなたには悪いけど、もうあなたは元通りの日常を過ごす事は出来無いわ。これからあたし達と一緒に、悪魔軍と戦ってもらわなくちゃいけない」(44)

2013-02-24 20:45:58
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

私にそう言った。そしてその言葉に対する返事を私が考える前に、 「ええ、言わなくてもその顔で分かるわ。さっきから全然さっぱりわからないんでしょ?まあ、詳しい説明をこれからちゃんとするから、安心して。じゃあ、まずは……」 そうして私が何故悪魔に襲われたのか、彼女は語り始めた。(45)

2013-02-24 20:46:26