シャムロックの軍用機講座#6 「紫電改」
- Yukarin_7TP
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以前に紫電の話はした。今回話す紫電改は、その改良型…というより、完成型と言っていい。日本海軍が実戦投入した戦闘機の中では最強の性能を誇る。
2013-02-24 22:02:58@Marcus_AC6 でも、私には新鮮です! 日本の軍用機と言えば、ゼロ戦や歴史の本で読んだ桜花しか知らなかったので……
2013-02-24 22:05:53水上戦闘機「強風」から発展した紫電は、試作段階から中翼機というそれまでの日本戦闘機にはない構造だったことから脚が異常に長く、故障が多発していた。この問題はメーカーの川西飛行機でも認識されていて、紫電の改良案が早い段階で提案されている。これが紫電改だ。
2013-02-24 22:09:06紫電から紫電改の改良に当たって、まずは主翼を胴体中央から下にずらして低翼機とした。これで脚が短くなり、故障は激減した。
2013-02-24 22:12:09さらに紫電改は、紫電が主翼と主翼下に搭載していた20ミリ機銃を主翼に統一した。これは主翼下に搭載したままだと空気抵抗が悪くなるからだろうね。
2013-02-24 22:13:40自動空戦フラップとは、例えば飛行機というのは旋回すると速度が落ちる。速度が落ちれば翼が生み出す機体を浮かせる力、揚力が無くなって落ちてしまう。そこでフラップという翼にある部分が動き、速度が落ちても揚力が消えないようにする。
2013-02-24 22:18:26自動空戦フラップとは、このフラップの動きを文字通り自動化したものだ。これならパイロットはいちいち速度に合わせて旋回中にフラップを操作せずとも良い。強風、紫電では信頼性が低かったが、紫電改ではようやく実用の域に達したんだ。
2013-02-24 22:20:05この他にも防弾や自動消火器の追加、生産性に配慮した作りやすい機体など改良が施され、紫電改は1944年12月27日に初飛行した。日本本土はすでに各地が空襲に晒され、一刻も早く高性能戦闘機の配備が望まれていた時期だ。
2013-02-24 22:24:21実戦配備となった紫電改だが、本機を運用したのは日本海軍の第343航空隊のみだ。他に横須賀航空隊にも少数が配備されたようだけど、集中運用が出来たのはこの343航空隊だけだ。だから343航空隊の戦績は、すなわち紫電改の戦績と言っていい。
2013-02-24 22:26:34343航空隊は後に航空自衛隊の幕僚長にもなる源田実大佐指揮の下、各地で生き残っていたベテランパイロットを集めて編成。これに新鋭機の紫電改を組み合わせて、強力な部隊となることで制空権の奪還を図った。
2013-02-24 22:31:12343航空隊に配備された紫電改は、ベテランパイロットたちに操られて目覚ましい活躍をした。特に初陣で、損害16機に対し撃墜52機という大戦果を記録している…日本側記録では。
2013-02-24 22:34:46実際に米軍の損害はというと、損失は15機。だからかろうじて痛み分けと呼べる程度だった。この戦いだけではなく、実際に米軍の損害記録を当たれば343航空隊の方が損害は大きい、というのは多々ある。
2013-02-24 22:36:46ただし、だからといって紫電改が米軍にとって脅威とならなかったのかは別だ。確かに343航空隊の方が損害は大きい。だが紫電改が実戦投入された1945年は、その年の8月には戦争が日本の敗北で終わる年だ。
2013-02-24 22:39:05