一式陸攻≠ワンショットライター

陸攻思想と一式陸攻の名誉挽回のお話
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隼0511 @junya_0511

RT。そういえば今日は一式陸攻の初飛行の日ですね・・・。いろいろ言われる事の多い飛行機ですが、日本の重爆では最多となる2400機の生産数を誇り、太平洋戦争中の海軍基地航空隊の攻撃力の中核を担った傑作機というのはゆるぎない事実だと思います。 pic.twitter.com/yyMyf8aYwn

2018-10-23 20:16:00
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隼0511 @junya_0511

以前にも書いた話ですが、一式陸攻は本来、日中戦争序盤で九六陸攻が大損害を受けた戦訓を反映した「防弾防火の新陸攻」という方針で開発がスタートした機体。それが、当時の日本の技術力では対12.7mm防御は不可能という現実にぶつかり、防弾よりも速度と自衛火力を重視した機体へと変貌します。 pic.twitter.com/zbZZxZXO8w

2018-10-23 20:20:58
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隼0511 @junya_0511

一式陸攻の特徴でもある「葉巻型」の胴体はこの「速度と自衛火力の重視」から生まれたもの。尾部銃座に20mm機銃を装備するために胴体を太くする必要があり、太い胴体で抵抗を減らすために(後の雷電と同様の)紡錘形理論を採用した結果が葉巻型の胴体となります。 pic.twitter.com/0Nz8EueQsD

2018-10-23 20:25:06
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隼0511 @junya_0511

また、防御に関しても全くの無防御というワケではなく、一一型の生産開始当初から翼内タンクの前後方向及び側面には防弾ゴムが貼られています。タンクの上下方向は、タンク表面が主翼の上下面の外板を兼ねているために当初は防弾ゴムが貼られていないものの、後に下面にも防弾ゴムが追加されています。

2018-10-23 20:33:30
隼0511 @junya_0511

また、一一型の実用化後、続く二二型ではエンジンの換装や主翼の層流翼化に加えて、燃料タンク内側に実用化されたばかりのカネビヤンを使用した「袋入りゴム」を貼ることで完全防弾を予定しています。ところが、カネビヤンの生産が安定せず、結局一一型と同方式の防御に。 pic.twitter.com/CKmh5KOK7b

2018-10-23 20:39:20
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隼0511 @junya_0511

二二型に続く三四型ではインテグラルタンクを廃止し、タンク外側全周に防弾ゴムを貼って防御力を向上させたものの、一式陸攻に替わる基地航空隊用攻撃機として銀河の配備が進みつつあったことと、三四型生産予定だった水島工場(岡山)で紫電改を生産することが命じられたために少数生産に留まります。 pic.twitter.com/CEt7wckYW7

2018-10-23 20:46:52
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隼0511 @junya_0511

@421229 米軍の戦闘機搭乗員や対空砲の砲手からも「決して落としやすい機体ではなかった」という声がしばしば上がっていますね。特に、高高度性能と速度性能を活かしやすい水平爆撃任務では他国の機体に比べて消耗率が高いわけでもないので、「ライター」というほど脆弱ではないと思います。

2018-10-23 20:51:53
隼0511 @junya_0511

一式陸攻は決して防御力が充分な機体ではないですが、全くの無防御というワケではなく、また、常に防御力の向上は意図され続けているんですよね。また、飛行性能の重視もかなり効果を発揮しており、零戦と戦爆連合を組んで高高度爆撃を行った際には決して消耗率が高い機体ではないのです。 pic.twitter.com/EDT9Hj0CG9

2018-10-23 21:00:46
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隼0511 @junya_0511

なお、米P-39が太平洋戦域で不評な理由が「高高度(概ね8000m付近)を侵攻してくる零戦と一式陸攻による戦爆連合の迎撃が困難」というもの。ソ連では得意とする3000m付近での戦闘が主だったのに対して、太平洋では苦手な高高度戦を戦わなければならなかった、というのがP-39の評価が分かれる理由です。 pic.twitter.com/ByZRVrf8pO

2018-10-23 21:06:58
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隼0511 @junya_0511

@421229 米艦隊並みの護衛戦闘機と対空砲火を持つ艦隊に大型機による雷撃を仕掛けている事例自体が少ないですからね・・・。地中海や北海で、独伊空軍の重爆が輸送船団を狙った攻撃はやっていますが、米艦隊に比べると戦闘機も対空砲火も少ないですし。

2018-10-23 21:10:24
隼0511 @junya_0511

@Vn4C8O0ZZ1Cmsvp それが実は、42年中盤あたりからガダルカナルやニューギニア方面での対飛行場爆撃では日本海軍は8000mあたりの高度での進撃がメインになっているんです(^_^;)。このために零戦でも二一型よりも高高度性能の優れた三二型や二二型が好評になっていったりしています

2018-10-23 21:16:51
隼0511 @junya_0511

あと、陸攻が大型艦を撃沈したのがマレー沖のみであることから陸攻思想に問題があったとする意見もしばしば見かけますが、米空母部隊は艦上機の攻撃圏外から飛来してくる陸攻を脅威とみなしており、空母の数が揃い充分な艦隊防空体制が構築される43年後半まで日本側の大規模基地への攻撃に消極的です。

2018-10-23 21:22:17
隼0511 @junya_0511

なので、戦果は上がらなくとも「43年後半まで米空母部隊の活動に制約を与えている」という面では陸攻思想は成功しているんですよね。

2018-10-23 21:26:21
け64 @Farman12We18WdT

一式陸攻は運用の仕方に問題があって被害が出ているからなぁ 直掩機無しで対空砲火や戦闘機のところに突っ込ませたらそりゃ大損害受けるよ それはどの爆撃機も同じ、B-29だってそんなことしたらそうなる だから「ワンショットライター」はデマ フォス大尉曰く「一式陸攻は脆い機体ではなかった」 twitter.com/junya_0511/sta…

2018-10-23 21:34:19
隼0511 @junya_0511

@Vn4C8O0ZZ1Cmsvp もちろん零戦でも二一型だと8000mでは結構性能が低下します(最高速度が500km/hでるかどうかくらい)。それでも、この時点での大半の米軍機はさらに高高度性能が悪い上、対空砲の被弾率を下げるためにも8000m付近での進撃が有効とされたみたいですね。

2018-10-23 21:46:39
隼0511 @junya_0511

@FB96258156 実は出典がハッキリせず、戦争中とする説も戦後とする説もあるようです。ただ、戦争中とする説でも「護衛戦闘機無しで米艦隊に突撃せざるを得なかった、ニューギニア沖海戦の際の米パイロットの言葉」というものなので、一式陸攻の評価をこの戦いだけで決めるのも無理がありますよね。

2018-10-23 22:04:03
むら@黄昏戦史 @tasogareA5M

昔ガダルカナル戦の陸攻の消耗率書き出してたことがありますが、たしかに対地の爆撃任務ではあんまりやられてないんですよね。まぁ雷撃であっさり壊滅するんですけど…。 twitter.com/junya_0511/sta…

2018-10-23 23:06:49