青春の怒りとカネ(とり・みきのトリイカ!)
承前)例えば、狂言の和泉元彌氏が以前、ダブルブッキングや遅刻で批判された事がある。これは彼の母親が、プロデューサーとしては有能だったが、マネージャーとしては上手く管理ができていなかった、とも言える。アイドルの問題行動も、プロデュースとマネジメントの視点で見れば、わりと整理できる。
2013-02-28 03:34:26承前)とり先生の場合も、出版社が本来はプロデュースの役割なのに、どこかでマネジメントの役割にも踏み込んできていて、漠然とそれが自然な姿と思い込んでいたのに、作品のドラマ化という事態に遭遇して、本来の職分(立場の違い)に改めて気づいた、という側面もあるのかもしれない。
2013-02-28 03:38:58承前)そこに気づいたとり先生の、プロデュースとマネジメントを自分の手に取り戻そうという意識の発露が、連載を畳んでその出版社から出て行く、という選択だったのは必然。自分の都合でプロデューサーとマネージャーを使い分け、そのダブスタに無自覚な人間は、真のプロフェッショナルとは言えない。
2013-02-28 03:43:51承前)ベテランの漫画家で、セルフ・プロデュースについて力説する方がけっこういるのは、実はそことも関連してくる。担当編集との濃厚な関係を結んでも、ある時期に彼らが宮仕えのサラリーマンであって、自分のマネージャーではない事に、ハタと気づくのだ。もっとも、そこに気づくには、時間が必要。
2013-02-28 03:48:01承前)作家と編集は、ある部分で同志であったり、悪くいえば共犯関係であったりもする。それがヒット作につながる側面はあるし、愛憎劇になる事もある。編集と結婚したり、あるいは編集が会社を辞めてマネジメントに専念するという事態が起きるのも、線引きが曖昧な業界ゆえでもある。
2013-02-28 03:52:45承前)自分が出版社や編集の問題点を指摘すると、割と批判を頂く。多分に、良好な関係を築いているつもりの作家や編集からすれば、自分達の関係性を否定されたように思うのか、出版社への媚や迎合なのかは、判断しかねるが。ただ、編集に過度の期待を持つと裏切られるか、編集を追い込む事になる。
2013-02-28 03:58:00承前)それこそ、辞表を出した西村氏のように。そこで作家の側が、ヨシおまえの食い扶持を俺が稼ぐからと言える関係でもない限り、フリーの編集になってバリバリ稼いで先生にも仕事回しますよと言える関係でもない限り、双方にとってベッタリな関係性は共倒れの危険性が生まれてくると、自分は思う。
2013-02-28 04:01:31承前)編集長という立場で、特定作品に過度に思い入れのある発言について先日、疑義をつぶやいたのも、プロデュースとマネジメントの部分での、違和感からだった。駆け出しの編集ならそういう勇み足もありだし、むしろ一度はマネージャーになってしまう失敗も、必要だとさえ思っている。
2013-02-28 04:05:55承前)だけど、その経験を肥やしに、やはり編集者の本分はプロデュースであって、マネジメントではないというのは、強調しておきたい。そしてこれは、作家の側にも言える。「編集はあなたのマネージャーではない」と。芸能事務所のプロデュースとマネジメントは、やはり作家がやるべき事なのだ。
2013-02-28 04:09:03承前)まずは、締め切りをちゃんと守ること。そこから始めないと、いくらヒット作を飛ばそうが、悪い意味の共犯関係は、どこかで破綻する。破綻せずに逃げ切る事例もあるが、たいがいは金婚式を迎えたあとで殺しあう夫婦になる危険性がある。編集も作家も、双方がプロフェッショナルになるべきなのだ。
2013-02-28 04:12:29「都立水商!」ドラマ化で、ぶっちゃけ俺は版権使用料なんて1円ももらってません。っていうか、最初はクレジットに名前すらなかったの(;_;)
2013-02-28 02:59:46当時の担当が抗議してなんとか「原案協力」って形でクレジットされた。「協力」だとお金が発生しないらしい。
2013-02-28 03:06:26確かに原作は小説ですし、過度の主張をするつもりもないんですが、その時のヒロインって俺の創ったのオリジナルキャラだったんですよ。明らかにマンガをベースに脚本作ってるのにそれはないんじゃないかと(;^_^A
2013-02-28 03:20:21@videobird とり・みき先生初めまして。漫画家のひうらともうします。今回のトリイカ!とても胸に染み渡りました。ただの怒りや不満とも違う自分の小さな作品を守るため必死だった複雑な気持ちを思い出してちょっと涙してしまいました。書いていただいてありがとうございます!
2013-02-28 03:35:20@marikosatoru あ、失礼しました。拙コラム読んでいただいてありがとうございます。話をするとけっこう多くのマンガ家さんが同じ経験をしていますよね……。悪者探しではない解決法があるとは思うのですが。
2013-02-28 03:58:24うわー RT @tochibori: なんにせよ当時僕はこれを描きまくりました“@videobird: ◎日経BOLとり・みきのトリイカ!更新しました→青春の怒りとカネ http://t.co/PiVFPO5p58” http://t.co/1R8H0FtazY
2013-02-28 04:04:33下のはるんカンやくりんの扉画に使っていたよくわからない筆跡のようなもの。くりんにはいい想い出もたくさんあります。少年チャンピオンコミックスのフォーマット(サルまんでパロられてたやつね)でなく扉全面を使ったイラストの表紙にしたのも『クルクルくりん』がたぶん最初でした。
2013-02-28 04:09:17わあ嬉しい。本当はデザイナーさんに頼みたかったのですがコミックス予算ではそんな金はないといわれ自分でやりました…RT @tagagen 装丁がいきなりおしゃれな感じになったので、良く覚えております ^^
2013-02-28 04:15:48@videobird え、ご自分で!それはビックリ。モノクロ線画イラストにビビッドなカラーのベタ使いが格好良くて、あれで購買意欲がぐんと上がりました ^^
2013-02-28 04:20:32なるほど…RT"@videobird: ◎日経BOLとり・みきのトリイカ!更新しました→青春の怒りとカネ http://t.co/PiVFPO5p5"
2013-02-28 04:24:25破片の質感の点線の描写もデビュー作からやっていたか……RT @tochibori: すでに予兆がありますねRT“@videobird: よくわからない筆跡のようなもの http://t.co/qg3x5a5nRc
2013-02-28 04:31:59@SANNDAIME29 編集がプロフェッショナルに徹するなら、そこの手柄は基本的に主張しちゃいかんのですけれどね。献辞の中で名前が出てきたら、そこを密かな矜恃とするぐらいが、ちょうどいいのかもしれません。
2013-02-28 04:35:05