広島教採塾さん「教えることを恐れるな。：　ポワロよりコロンボに！（名探偵コナンより古畑任三郎に！）」のツイート。

レトリカ教採学院（教採塾）河野正夫 @kyousaijuku

本日、2話目のお話のスタートです（微笑）！！

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お話しのタイトルは、「教えることを恐れるな。：　ポワロよりコロンボに！（名探偵コナンより古畑任三郎に！）」です。

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先週末の尾道校と広島校の模擬授業演習＆講義で話し忘れた（微笑）内容です。ですので、我が受講生たちよりも先に愛読者の皆さんにお話しすることになります（微笑）。話し忘れたせいでこのような形になったのですが、普段の講座での私の語り口を知る一環（笑）としてお読みくださいね。

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初心者が行う模擬授業を見ていると気が付くことがあります。それは「教えることを恐れている」ということです。初心者は何でもかんでも質問形式にして生徒に聞いてしまいがちです。しかも、いきなり、「なぜ？」、「どうして？」と無茶な聞き方をします。これでは、児童生徒は困惑するだけです。

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確かに、授業の主役は子どもです。教師がべらべらと喋り続けるだけではダメです。子どもに考えさせなければなりません。学習指導要領に言うところの「思考力、判断力、表現力」を養う必要もあります。でも、授業をコントロールし、子どもを目標まで誘うのは教師です。教師は主体的に教えるのです。

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子どもを主人公にするということに杓子定規に取りつかれているために、初心者は教師として教えることを恐れるのです。そして、子どもを無意味な（無体な）質問攻めにします。それが子ども主体の授業だと錯覚しているからです。

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例をあげて話してみましょう。日本史の授業をするとします。関ヶ原の合戦です。前時までに豊臣政権について学んでいるとします。

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初心者は無茶ぶり満載の質問で始めます。「前の時間は豊臣秀吉がやったＸやＹと言ったことを学んだね。さあ、今日は何を学ぶと思いますか？」　おいおい、それまで質問するのかよ！！　今日は何を学ぶか、なんて子どもたちに聞く意味あるの？？？

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「じゃあ、何人かに聞いてみるよ。」（子どもを何人かあてる）　　なんだそりゃ！！　今日、何を勉強するかを当てるゲームなの？？？そんなゲームに意味があるの？　とりあえず聞いて答えさせようという浅はかな思いに惑わされているのです。

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しょうがないから、優しい子どもが教師を救うために（笑）、教科書をちらっとみて関ヶ原と答える。もうほとんど教師への同情から出た子どもの行為。関ヶ原という答えが出ると初心者はそれを褒めちぎる。「そう関ヶ原の合戦。凄いね。良く分かったね！」　褒められた子どもは、苦笑している（笑）。

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そして、初心者教師は続ける。「関ヶ原の戦い。これは天下分け目の合戦とも言われ散るねえ。さあ、関ヶ原の合戦はなぜ起こったのでしょうか？答えられる人はいますか？」　こらっ！！　そんなこと答えられるわけないだろうが！！　子どもどころか、このツイ―トの読者だって無理だろう！！

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まだまだ初心者教師は続ける。「なぜかは分からないかな？じゃあそれは後でまた聞くとして、じゃあ、関ヶ原の合戦ではどちらが勝ったのかな？難しい質問だけど分かるかな？」　あのね、難しくないですから。みんな知っていますから。こんな質問など、もうほとんど儀式みたいなもの。

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もちろん、子どもの習熟度が低くて、本当に関ヶ原の戦いがどんな戦いか全く知らないような場合には、もっと基礎からしっかりと話を積み上げていかなければならないことになります。いずれにしても、無茶で無体な質問では、良い授業は成立しません。

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初心者教師を見分けるいくつかの方法があります。１．授業をほとんど一問一答の形で進める（質問は大体、無意味か無茶なもの）　２．すぐに「なぜ」、「どうして」を乱発する。確かに、「なぜ」、「どうして」は大切だが、これを乱発して聞くことが子どもに考えさせることだと勘違いしている。

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３．（これが最も深刻）子どもが知っている、あるいは、単元のタイトルくらいに大きく教科書に書いていることを、さもミステリーのように「さあ、何だと思う？」と質問する。例えば、「昭和20年8月6日、アメリカは日本にどんな爆弾を落としたのでしょうか？」とりあえずこんなことまで聞いてしまう

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実はこの初心者教師の下手さには、二つの原因があります。一つは今述べた、質問することが子どもを考えさせることだと誤解しているということです。二つ目はなかなか気付かないのですが、子どもが探求すべきミステリーの捉え方を誤っているということです。

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子どもが疑問を見つけ、それに興味を持ち、自分で考え、答えを出そうとする、そして、答えを導き、学び合い、分かる喜びを感じる。これを目指すのが授業ですよね。ならば、子どもに提示する疑問、すなわち、ミステリーをどう捉えるかが極めて重要になってきます。

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とりあえず質問をしたい初心者教師は、ミステリーでもないことを質問にしてしまうのです。もちろん、確認程度なら質問はOKです。しかし、授業の狙いに関わる発問は、教科書に大きな字でタイトルとして書いてあるようなことを聞いても子どもは1秒で答えを見つけます。それでは発問になりません。

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子どもが興味を持ち、疑問を解決したくなるようなミステリーを提示するにはどのようにすればよいのか、そこが教師の腕の見せ所です。

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さて、いわゆる古典的な推理小説にはいくつか種類がありますが、その中でも最も有名な2種類とは、本格派ミステリーと倒叙物ミステリーです。本格派ミステリーとは別名、Who's done it.と呼ばれる通り、「真犯人は誰だ」が中心のストーリーのものです。

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一方、倒叙物ミステリーとは、読者の眼の前で犯人が物語の最初の場面で犯罪を犯し、探偵（刑事）がその犯人のアリバイを崩し、落していくというストーリーです。

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アメリカ生活が長い私には、テレビ番組で言えば、本格派ミステリーの代表が名探偵ポワロ、倒叙物ミステリーの代表が刑事コロンボなのですが、日本のテレビ番組で言えば、本格派が名探偵コナン、倒叙物が古畑任三郎ということになるでしょう。

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いずれも、前者が真犯人が誰かを付きとめることに焦点を置いたストーリーであり、後者が既に視聴者にはよく分かっている犯人を刑事がどのように追い詰め落していくかに焦点を置いたストーリーです。

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ところで、なぜ、本格物が名探偵コナンというアニメで、倒叙物が古畑任三郎という実写なのか分かりますか？　答えは俳優・女優のギャラというコストの問題があるからです。本格物だと真犯人候補が少なくとも5，6人くらいは必要です。同じくらい疑わしい容疑者が5，6人いなければいけませんよね。

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もし、真犯人役が大物俳優（女優）なら、他の容疑者も同じくらいの大物俳優でなければ、視聴者はすぐに大物俳優が犯人だと分かってしまいます。ですから、本格物の場合は、名探偵、そして、真犯人を含む容疑者役数名と、相当な数の有名俳優（女優）をそろえなければなりません。ギャラが高くなります。