【引退勧告】重水素実験:核融合研の計画に小柴さん「反対」の手紙【権威の濫用】

◇多治見市長に手紙
　手紙には「現在使われている核分裂の発電施設から発生する中性子の１０倍も高いエネルギーの中性子が出ることを防ぐ方法が全くない」などと記され、小柴さんは毎日新聞の取材に「現状での実験は時期尚早」と話した。
　実験は、重水素を使って１億２０００万度の超高温のガス（プラズマ）を作ることが目標。太陽で起きている核融合反応を、炉の中で実現する核融合発電に向けた基礎研究として行う。土岐、多治見、瑞浪の地元３市は今年度中に実験開始に同意する方向だが、反対住民は約２万人の署名を古川市長に提出する準備を進めている。
　手紙について古川市長は「ご意見として、うけたまわりました」とコメントした。【小林哲夫】

※.参考１

　大型ヘリカル装置での重水素実験で発生する中性子の量は原子力発電所の１億分の１です。
　小柴氏の誤解或いはデマゴギーです。

重水素実験（将来計画）の意義と目的（核融合科学研究所）
http://safety-info.nifs.ac.jp/safe/safe_03.html

※.参考2

討論…ＩＴＥＲを誘致すべきか（2001年2月19日(月)　東奥日報）
＜反対＞小柴昌俊・東大名誉教授
＜賛成＞石野　栞・東海大教授
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2001/nto20010219.html

　本まとめの大型ヘリカル装置もこの記事のiterも核融合炉の実現に向けた工学実験を行う装置です。
　小柴氏は理学研究者でありそもそも畑違いである上に論述からは工学研究を下に見るポジショントークが見て取れます。そしてその工学研究軽視の姿勢はこの記事の同年末に重大なインシデントを引き起こします。

※.参考3

スーパーカミオカンデ　～事故からの再生～
（2002年2月7日　高エネルギー加速器研究機構　News@KEK）
http://legacy.kek.jp/newskek/2002/janfeb/k2k.html

　2001年11月12日、スーパーカミオカンデで光電管が大量に内破する事故が発生しました。
　光電管の１つが内破し、それによって生じた衝撃波が周囲の光電管を内破させ更にそれら光電管が発生させた衝撃波がと、連鎖的に光電管を破壊したものです。
　これには光電管が内破した際に隣へ衝撃波が伝わらない様に仕切りをすると言う対策が取られましたが、この様な現象は設計段階或いは建造中に予測が可能だった筈で、実際に事故が起きるまで対策が取られなかったのは当時実験を指導していた小柴氏の工学軽視の姿勢に由来するものに他なりません。

※.参考4

核融合科学研究所がD-D実験を行うまでの経緯
　核融合科学研究所は誘致された岐阜に設置するためにプラズマの基礎研究しか行なっていなかった名古屋大学プラズマ研究所を改組し、ヘリオトロンの発明や同実験装置を用いた実験等多大な功績をあげていた京都大学ヘリオトロン研究センターと更にD-T反応の理論面で功績をあげていた広島大学核融合理論研究センターを両大学から剥ぎ取る形で作られました。
　本来は京都に作られる筈だった大型ヘリカル装置を岐阜県土岐市に設置し更に京都に在ったヘリオトロン実験装置を奪って設置しました。広島大学で研究されていたD-T反応の実験は住民の反対によって禁止されました。
　そしてそのD-T実験を禁止する公害調停から10年以上経つ今現在も地元住民他の反対でD-D実験が行えずにいます。

以下関連ツイートのまとめ

核融合実験と熱核兵器は全く異なるものです。

核融合科学研究所のためにインフラ整備がされたため周辺に研究所に寄生する形で宅地が造成されました。

核融合が簡単に暴走するなら誰も苦労はしません。エネルギーを取り出せるような核融合が簡単に起きないので各国とも研究を続けているのです。