ついのべ大賞応募候補作品

一部、他の人のお題に宛てたついのべやアイコンついのべも混ざってアカウントがはいっているついのべもあります。誤字脱字は愛嬌。
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“さ(*´く`)ら”たん @sacra_d15

#twnovel 彼女は小さい。年上なのに小さい。小さいくせに姉御肌で上から目線。ついていく俺。いつもの関係。喧嘩の時は、ね、俺が大抵キレる。「別れよ」て言う。そしたら彼女、小さいのに膝抱えてもっと小さくなって涙声で「やだ…」て言うの。俺もうダメ。ぎゅってしちゃう。いつもの関係。

2011-06-10 00:27:30
“さ(*´く`)ら”たん @sacra_d15

#twnovel 「つ、月が綺麗ですね」僕がどもりながら言うと、君は雲天の夜空を見上げた。続く沈黙。耐えかねて、僕は誤魔化すための言葉を考えていた。すると君は「あぁ、本当ね。星も素敵」君の視線の先には、水溜りに映った街灯。その光に照らされ輝く雨粒だった。君は笑顔で僕を見つめた。

2011-07-28 04:32:29
“さ(*´く`)ら”たん @sacra_d15

#twnovel 「誰のことを考えているのよ」肩に乗るハイヒールが食い込む。僕に自由は必要ない。心をも女王様にハイヒールで踏まれている。女王様の嫉妬と軽蔑に満ちた冷たい眼差しで見つめられるのも、奴隷の喜びの一つか。僕は誓って、あなた以外の足は舐めないのに。@jasminesh28

2011-08-01 03:40:50
“さ(*´く`)ら”たん @sacra_d15

#twnovel 夏は嫌い。暑くて暑くて君とくっつけないから嫌い。でも、暑い暑いと言いながらくっつき合うのは好き。笑いながらぎゅーってして汗をかいて、一緒にシャワー浴びるのは好き。二人で寝れなくて、夜中の散歩に出るのは好き。あ、意外と夏、好きなのかも。君がいるなら。

2011-08-09 06:18:30
“さ(*´く`)ら”たん @sacra_d15

#twnovel 君を見た気がした。その後ろ姿は、身長も髪型も服装だって違うのに、まるで君がそこにいるようで。もう何年も君と寄り添って生きてきたのに、こんなにも体が強張る。その肩に手をかけると、少女は振り向いて柔らかな笑顔で僕を包み込んだ。「帰ろうか」小さな手を強く握り締めた。

2011-08-19 04:31:25
“さ(*´く`)ら”たん @sacra_d15

#twnovel 初めて会った時から君の瞳が苦手だった。いつまでも見つめて離さないから、自分の心に穴が開いていくのが感じ取れた。私のその穴に君は無理やり入り込んで、中からじわじわ私を蝕んでいく。身体が君に反応して、視界に君がちらついて、脳が君に感染する。あぁ、死ぬほど切ない。

2011-09-08 23:06:22
“さ(*´く`)ら”たん @sacra_d15

#twnovel 君の傍に行く。くっついてみる。君の匂いを感じる。心が落ち着く。君がお料理する。あたしはテレビを眺める。ふと思い出す。君が隣に居ない。台所に横顔。立ち上がって君を後ろから抱きしめる。ちょっとどいてね。君が火を消す。抱き合う。背中に感じる君の力。もっと、もっと。

2011-09-11 21:44:11
“さ(*´く`)ら”たん @sacra_d15

#twnovel 寒い寒いと言いながら一本の缶コーヒーで二人温まった。友達を巻き込んで大喧嘩をした。遅刻した彼を一時間待った。ずっと欲しかったブレスレットを贈ってくれた。彼の手が大好きでずっと離したくなかった。切なげな彼の瞳から目を逸らせなかった。終わった思い出は駅に置いてきた。

2011-09-26 02:32:26
“さ(*´く`)ら”たん @sacra_d15

#twnovel 風呂上がりに鏡を見ると、泣き腫らした目が私を見ていた。不細工な顔。首元と胸に赤い傷跡。ねぇ、それ、どうしたの?誰につけてもらったの?自分の首を触る。ねぇ、それ、私にもある?彼の残してくれたもの、ここにある?二つのキスマークを指でなぞりながら、私は鏡にキスをした。

2011-10-05 00:26:48
“さ(*´く`)ら”たん @sacra_d15

#twnovel 「サンタさん、ケーキ一つください」聞き覚えのある声に振り向けば、彼がニヤニヤしてそこに立っていた。来ないでって言ったのに。「帰るまで食べるの、待っててね」照れ隠しにそっけなくケーキを売りつけてやった。「その衣装、あとで脱がせて君ごと食べてあげる」意地悪な言葉。

2011-12-24 18:13:30
“さ(*´く`)ら”たん @sacra_d15

#twnovel 僕がおっぱいを好きな理由?そこには宇宙があるなんていっても君は納得しないだろう?そうだなぁ。例えば君のおっぱいをもんだり、舐めるとさ、君は鳴くだろう?涙目でもっとって訴えるだろ?そんな君をもっとみたいからかな。おっぱいが好きというか、君が好き、の延長なんだ。

2012-01-18 03:01:10
“さ(*´く`)ら”たん @sacra_d15

#twnovel 笑う私。照れるあなた。自分でとる、とぶっきらぼうに言い放ち髪に手をやると、桜の花びらははらりとあなたの髪から静かに落ちた。後姿。揺れる花びら。その瞬間を切り取ったこの写真。どうやって捨てればいいか、まだわからないのです。 #twnvday

2012-04-15 00:01:09
“さ(*´く`)ら”たん @sacra_d15

#twnovel 自分の心にしがみつくのはやめた。変わることへの恐怖を受け入れることにした。弱さを味方につけることにした。自分の足で立つことにした。寄りかかる人はもういない。荷物は私が持つのだ。泣くのもやめた。勿体無いと感じた。私の涙はそんなに安くない。空は青い。まだ頑張れる。

2012-04-21 02:47:29
“さ(*´く`)ら”たん @sacra_d15

#twnovel 空から恋石が落ちてきた。なんの変哲もない形だが、「恋」と下手くそな字が書かれていた。しばし立ち止まり無言で考える。上を見上げると赤い顔してそっぽを向く幼馴染。自分が投げた恋石が好きな人に拾われると恋が実るおまじない。これ、拾っていいのかしら。#twnvday

2012-05-14 23:50:16
“さ(*´く`)ら”たん @sacra_d15

#twnovel 君が歩き出すのを待っている。振り向かなくていい。今までごめん。君は幸せになるんだ。僕は知ってる。君が選んだその人となら。泣かなくていい。どうせなら前を向きながら、その人の胸の中で涙を拭え。決して見えないように。そこからはその人だけを見つめて。僕は君を見守るから。

2012-05-23 23:10:20
“さ(*´く`)ら”たん @sacra_d15

#twnovel 彼が私の腕枕で眠る時、胸を彼の顔に押し付けて抱きしめる。髪を撫で、頬をさすり、額にキスをする。睫毛を弄って眉を顰める姿をみると自然と笑みが零れてしまう。一度顔を背けられ、今度は彼の右腕が私の肩を包むのだ。胸に耳をあて、彼の鼓動に自分を重ね、幸せを噛みしめる朝。

2012-05-27 14:49:59
“さ(*´く`)ら”たん @sacra_d15

#twnovel 一人目。嫌われるためにされた行動、忘れないわ。二人目。あの言葉、遠回しなヤキモチだって、知らなかったでしょう?三人目、あなたとの電話は好きじゃなかった。四人目、最高に幸せで地獄のような毎日。五人目、胸が張り裂けるほどに声をあげた。六人目、触れるのさえ、恐い。

2012-06-14 00:47:26
“さ(*´く`)ら”たん @sacra_d15

#twnovel 嵐の轟音に任せて咽び泣こう。どうせ誰にも聞こえやしない。雨風が窓を叩く激しさが増していくように、自分の嗚咽が大きくなるのを感じる。でも、聞こえない。耳に届くのはただ外の泣き声だけ。君がいなくなった夜。君は無事に帰れただろうか。それだけが気がかりなのに、届かない。

2012-06-20 01:38:01
“さ(*´く`)ら”たん @sacra_d15

笑えたのは0.3秒。涙がその努力を堰き止めてしまった。上げたはずの口角は下がり、私は目の前の大好きだった人を抱きしめた。止め処なく溢れては涙がその人の肩を濡らすから体を離しても、その人は強引に私を抱きしめた。泣きながらするキスは、息ができなくて、死にそうだった。 #twnovel

2012-07-25 02:33:08
“さ(*´く`)ら”たん @sacra_d15

三点リーダーに思惑を感じるのは小学生の国語の授業のときからの癖だった。そんな教育を受けてきた日本人はやはり須らく三点リーダーに意味を込める。「君が好きだよ…」その三点リーダーは、言いにくさの表れ?嘘の証?尋ねれば呆れられるので、私はいつも「…うん」と返す。 #twnovel

2012-09-03 00:33:07
“さ(*´く`)ら”たん @sacra_d15

#twnovel 目が覚めると彼がいなかった。隣の部屋の電気がついていたので、寝ぼけ眼でふらふらと襖を開けると、出勤前の彼はコーヒーを飲みながらニュースを眺めていた。「早いね」と私に気づいた彼は笑う。彼に抱きつきながら膝枕、撫でてもらう掌の感触。至福の二度寝。起こされる出勤時間。

2012-09-04 22:27:42
“さ(*´く`)ら”たん @sacra_d15

#twnovel 素敵な靴を履いていたと思う。そんな印象だけが残って、でもどんな物だったのかは思い出せないでいる。彼女はいつもその靴を装い、軽やかに歩いていた。何時の間にかいなくなった彼女は、きっとあの靴に踊らされてここから消えてしまったのだろう。ステップを踏むみたいな足取りで。

2012-09-10 22:24:16
“さ(*´く`)ら”たん @sacra_d15

#twnovel どんな日だっていいと思った。燦燦と照りつける太陽だって、無情に降りつける大雨だって、心身共に冷やす雪の日だって、右手のぬくもりがあればよかった。放したくはなかった。掌が触れていたその場所はやがて空を掴み、絡めていた指は爪痕を残す。そんな手で、涙は拭えない。

2012-09-22 02:04:31
“さ(*´く`)ら”たん @sacra_d15

#twnovel この人です。この人なんです。私の手を離さないでいてくれたのは、わがままに付き合ってくれたのは、言葉を汲んでくれたのは、温もりを教えてくれたのは、この人なんです。どんなに力を込めても、強く抱きしめても、数億の気持ちと言葉を秘めた涙を流しても、伝わらないのでしょうか

2013-01-28 15:46:33
“さ(*´く`)ら”たん @sacra_d15

#twnovel 甘えるな、馬鹿。へこたれるな、阿呆。自分の背中を蹴飛ばして何度勇気を出したのだろう。困ったような笑顔に何度傷ついたのだろう。涙を拭ったティッシュはいくつになっただろう。表情や言葉一つに一喜一憂した日々はいつのことだったろう。隣にいるやつを、無性に殴りたくなった。

2013-02-04 02:55:20