アヤネが「脳に直接」話を聞いている間、チナミが拷問魔法少女のことをセリカに説明した。その名前通り、悪人を拷問するんだよ。場合によっては殺すけど、出来る限り長く苦しめるのが理想。それを邪魔するのが、処刑獣を使う精霊術師たち。妖精テロリスト。 #dda第四話 22
2013-03-02 23:40:45アヤネは「尋問」を終えたようだ。セリカのほうに向き直って言う。「この男はあなたのおばあちゃんのひき逃げ事件を捜査していた警察官ね。必要な情報はもう全部取り出した」 #dda第四話 23
2013-03-02 23:41:20「このまま殺してもいいんだけど、上からの命令で仕方なく……って感じだったみたいだし。記憶を消してから回復魔法で元に戻してあげようかな」 #dda第四話 24
2013-03-02 23:41:46「問題は、真犯人よ。警察庁のお偉いさんのバカ息子。どうする?」「どうする、って……」「ここまで事情を説明したのは、あなたにも拷問魔法少女になる資格があるからだよ」「……え?」 #dda第四話 25
2013-03-02 23:42:27ババアを轢いて車がへこんでしまった。宮藤吉武はずいぶん落ち込んだ。クソみたいなババアのくせに高い車に傷をつけるなんて……。しかも親父にもずいぶん迷惑がられたし。年寄りは邪魔なので、殺したらむしろ得点が欲しいくらいだ、と宮藤は思う。 #dda第四話 27
2013-03-02 23:43:26事件はもみ消してもらったが、悪い遊びはさすがに控えている。モデルやサークルの女子を呼んで大麻パーティで盛り上がるはずだったのに。何か面白いことはないか? 自宅でじっとしているのは性に合わない。 #dda第四話 28
2013-03-02 23:44:01いつの間にか、音もなく、窓が開いていた。そこから侵入してきた三人の少女。そのうちの二人は、露出度の高いフリフリ系の衣装でふざけているとしか思えない。黒髪ピンク色のほうがリボルバー拳銃の引き金を絞る。「拘束弾丸!」 #dda第四話 30
2013-03-02 23:45:03宮藤は、弾丸が変形した強化プラスティックの輪っかによって手足を拘束された。猿ぐつわのせいで、もう助けを呼ぶこともできない。 #dda第四話 31
2013-03-02 23:45:02例の妖精……アサエモンが言う。「さあ、これがセリカのファンシー武装対応アイテムだモン!」そして手渡したのは、アニメのブルーレイディスクだった。あまりにも魔法少女らしくない変身アイテムに、セリカはたじろぐ。 #dda第四話 32
2013-03-02 23:46:11「…………」アヤネとチナミが、セリカに無言のプレッシャーをかけた。仕方なくセリカは「ふぁ、ファンシー武装対応(アームド・レスポンス)!」と、アサエモンからもらったまじかるブルーレイディスクを高く掲げる。光りに包まれるセリカ。 #dda第四話 33
2013-03-02 23:46:41変身後のセリカは、露出度の高いゴスロリチックな衣装。ブルーレイやDVDがたくさん詰まったアニメ絵の紙袋をさげている。「拷問魔法少女スクールエスケイパーせりか……です! 引っ込み思案がこじれた暴力!」 #dda第四話 34
2013-03-02 23:47:04不思議なもので、変身するとアイテムをどう使えばいいかがわかる。アイデアが内側からわいてくるのだ。セリカは紙袋からまじかるブルーレイディスクを取り出し、それを右手の指でチャクラム(古代インドの武器)のように回して、投げる。 #dda第四話 35
2013-03-02 23:47:34まじかるブルーレイディスクは通常のディスクよりもはるかに硬いうえに、丸ノコの刃のように高速回転している。セリカの攻撃が、宮藤の右耳を切り落とす。彼は情けない悲鳴をあげる。 #dda第四話 36
2013-03-02 23:48:06するとチナミが「ディスクって……魔法少女っていうより『ヘルレイザー』の悪役みたいな武器だな……」と余計なことを言った。 #dda第四話 37
2013-03-02 23:48:35「おばあちゃんを殺したあなたを……私は絶対にゆるさない……」今日はなぜか処刑獣も現れなかった。初めての血の海に怯えながら、それでもセリカは拷問をやり遂げた。アヤネとアサエモンの見る目はたしかだ。「できない子」は最初から選ばない。 #dda第四話 38
2013-03-02 23:49:10