- Dr_crowfake
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この人は頭がオカシイ、でも悪い人じゃない、そしておそらく、オカシイのはこの人の頭だけじゃなくて世界なんだって、世界がオカシイのを真正面から受け止めたらこういう云い方しかできないんだって、あたしは思えた。だから、この人に身をあずけることに躊躇はなかった。
2013-03-04 18:26:13「ぼくが考えたメタフィクション異能」若干百合が入っているが本質的にはキチガイの歪んだ世界観がぶつかるリアリティウォーズである。
2013-03-04 18:33:48「複数のリアリティがせめぎあう場所では脆弱な存在たる個人のリアリティなんて塵芥でしかない、強固な妄想と強固な現実にすり潰されるしかない。だからあたしは「現実」の形を、その巨大な慣性力を用いて、あんたの「自分だけの現実」を叩き潰す。それができる権能をあたしは持ってる」
2013-03-04 18:36:58「せせこましいリアリティに固執するなど旧態依然、頑迷固陋の極み。お前は我が誇大妄想の前にひれ伏せ!」「世界相手にも、同じ事が云える?」「世界には本来意味も価値もない、それを与えているのは人間だ!」「だけど、文脈はあるんだよ。死んだ神の創りだした、ね。それには誰も逆らえない」
2013-03-04 18:39:16「死者の文脈など知るか! 俺は我が道を行く! 我が妄想を現実と為す! フゥーハハハ!」「ふーん。でも、あんたもまた「文脈」の上に立ってるんだけど。死んだ神と無数の死者が織りなす「文脈」は、あんたひとりが覆せるほど簡単じゃないわよ?」
2013-03-04 18:40:54ラスボスとの戦いは「因果を操れる程度の能力」を持つ少女と「因果を覆す程度の能力がある」男の厨二病大戦を「事件に巻き込まれる程度の能力」を持つ少女が将来する形で発生。圧倒的な分の悪さにも引かない少女の姿に、はたしてヒロインは何を思うのか。
2013-03-04 18:43:36「ねえ! どうしてそこまであたしを助けてくれたの!」「それが世界の「文脈」だから……」「そんな! 文脈だから助けなきゃいけなかったって、そんなのひどいよ!」「でもね……キミのこと、結構好きだったんだよ?」「!」「そう思ってるのも、死んだ神様が決めた「文脈」のせいかもしれないけど」
2013-03-04 19:21:36「あたしたちは「文脈」で出会って、それで好きあって、それで別れ別れになるの? そんなのひどすぎるよ!」「うん……でもね。そういうものなんだよ。テキストがそうしてるから、あたしたちはそれに逆らえない。キミがそんなになったのだって、死んだ神様の末期の悪意。だから」
2013-03-04 19:23:35「このお話はいつか終わる。神様はもう死んでるんだから、これから先の話なんて書けない。だから、あなたもわたしも、文脈から自由になれる」「そんなの……いやだよ……別れ別れになるのなんていやだよ!」「ごめん……そこまでは「文脈」できまってるんだ。だけど、キミにはその後がある」
2013-03-04 19:25:05「だから。自由になって。「文脈」なんてわけのわからないものに振り回されないで。ここから先は、あなたがあなたのために紡ぐ、あなたの人生の物語、あなたのための物語なんだから」「……ッ!」
2013-03-04 19:26:16あたしは事切れた彼女の身体を抱いて泣いた。だけど彼女の分まで生きなければいけないと思った。文脈を超えて、未知の世界に踏み出していくこと、それを彼女が一番望んでいたから……(鬱エンド
2013-03-04 19:29:10