ストライクウィッチーズ関連、九七式艦上攻撃/偵察脚について【SW設定妄想垂れ流し-042】

友人の二次創作小説に登場の「長島九七式艦上攻撃/偵察脚」について、プチ開発史的な部分を交えての妄想ネタです。
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そもそも、これらの機種はネウロイ制圧下、瘴気うずまく領域に攻撃手段を確保するためのものですが、スツーカの例を見るまでも無くその実効性には早期に疑問符が打たれます。
ネウロイが再生する事実は、コアをピンポイントに狙う事のない面制圧攻撃の効果を限定的なものとしてしまったからです。
しかし、地形効果や複合的な攻撃手段として一定の価値を認められ、更には後述する航法や索敵と言う任務がこれらのストライカーユニットを一定数維持する事に意味を与えたのです。・・・としておきましょう。

M-鈴木 甲28 @kapitan_black

97式艦上攻撃/偵察脚はWNW2直前に扶桑にて制式化された機械化箒の一種であり、設計思想を大幅に改め高性能=大航続距離大積載量に対応し、且つ高速化=を狙っていた。軍の要求仕様に対しN社とM社が名乗りを上げ、戦闘脚以外では珍しい熾烈な開発競争が繰り広げられる事になる #ス魔考

2013-03-07 07:02:53
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

両社共近年の技術躍進を背景に全金属低翼単葉を選択した一方で、N社が引き込み式着陸脚翼端折り畳みを採用したのに対し、M社は固定脚を採用するなど細かい技術面での取捨選択で差が生じていた。が、新進性ではN社が有利とだれもが考えていた #ス魔考

2013-03-07 07:10:05
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

試作が進む中、M社は急に審査対象機の変更を申し出たのだ。通常であれば到底受け入れられないであろうこの申請はしかし認められ、果たして、登場した航空脚は外観を一新していた。驚くべき事にそれは背嚢式魔道エンジンを用いていなかったのだった。 #ス魔考

2013-03-07 07:16:52
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

無論この新機軸について欧州で扶武他多国共同開発が進みつつある事は掴んでいたものの、よりこの情報に近いM社は97式の開発競争に投入して来たのだった。荒削りながら宮藤理論式航空脚構造は効率的であり、2分割され重量上/容積上の制約を減らしたばかりか伝導損失も減らした結果… #ス魔考

2013-03-07 07:34:51
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

M社の飛行脚の性能は最大速度、上昇力、飛行特性の全てでN社のそれを優越した。公称出力以上に伝導配管を廃し、魔道エンジンと呪符/環と直結し、背嚢式故の空気抵抗も解決した効果は大きかったのだ。通常ならばこの段階で競争試作には決着が着くものであるが、ここでN社が反発する。 #ス魔考

2013-03-07 17:08:16
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

大陸で蠢動するネウロイに対応すべく戦闘脚の性能向上を国体一丸となって推進するべき段階にある中、この技術を適用するのは必然であり、弊社の攻撃脚にもそれを取り入れるべきではないか? #ス魔考

2013-03-07 17:14:51
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

この意見は一定の説得力を有しており、何より大規模生産設備の都合上、自社設計製品を委託しなければ軍の要求に応えきれないと言うM社の立場は「円滑且つ速やか」な技術移植を実現した。では、制式採用としてはどちらの攻撃脚が選ばれたのか? #ス魔考

2013-03-07 17:22:10
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

軍は航続距離と高速性能、航法支援機構に優れた攻撃脚の早急かつ少しでも多数の納入を求めた。その結果極めて異例ではあるが、これら全てが制式採用される事になる。N社の初期型(背嚢式魔道エンジン)は97式一号、M社は97式二号と呼称され、N社の宮藤理論適用型は三号とされた。 #ス魔考

2013-03-07 17:26:50
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

最終的に97式攻撃脚の主力は三号となり、M社の二号は三号登場に伴い生産を打ち切られている。なお、これら攻撃脚は進出距離の長さと運用目的(偵察任務が必然と見做された)から何らかの航法誘導装置が必須と見做されており、使い魔の「帰巣本能」を利用する術式を用いる場合もあったが #ス魔考

2013-03-07 17:40:03
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

機械式で信頼性の高いジャイロコンパスは個体差に影響を受けない為に登場と共に早期に広範に採用された。そうした航法支援機構や長距離通信機などの装備類はかさばり、重量も嵩んだ為に戦闘脚への搭載は見送られがちであり、その意味でも97式の様な存在は部隊運用上重要だったと言える。 #ス魔考

2013-03-07 17:46:49
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

そして、97式三号艦上攻撃/偵察脚にはその後、意外な任務が待ち受けていた。本来大型の爆弾を懸架し得る出力/揚力余力を与えられた魔力配分と機体剛性、何より比較的余裕のある制御系(風防状ユニット)と、其処に設けられた「本来背嚢式魔導エンジンからの接続口」だった構造は #ス魔考

2013-03-07 20:04:40
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

機械式魔導針増強機構が開発され、背嚢式に魔女に装備された際、伝導配管を逆に使用する事で魔導エンジンからの魔力供給をダイレクトに受け、魔女の後頭部側から頭部側面を経て魔導針を展開するに最適な機材配置を可能とした機体として着目される事になる。 #ス魔考

2013-03-07 20:08:01
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

初期の機械式魔導針は、こうした構造(背嚢式)であるが故に索敵範囲が限定され、固有魔法に基づくそれに比べると制限の多いものだったが、あると無いとでは部隊運用に大きな差が生じる為に、以降の開発と洗練が大いに進む事になる。 #ス魔考

2013-03-07 20:10:08
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

この事が教訓となり、完全に脚部に補助システム全てが収納可能になるまで、扶桑の攻撃/偵察脚は機体上部の風防ユニットに接続口が残される事になる。 #ス魔考

2013-03-07 20:11:35