専門家の知識の伝授のあり方について

「専門家の知識の伝授のあり方について」議論されたことについて、skasugaさん自身の意見のまとめ
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KASUGA, Sho @skasuga

いくつかコメントをいただいていますが、全部にお答えするのは難しいので、昨日主張したことをまとめて連Tweetさせていただいて、一応この件はおしまいということにさせていただきたいと思います。ご了承ください。おつきあいいただいた方、ありがとうございました。

2013-03-11 10:38:43
KASUGA, Sho @skasuga

1)  知識の多寡が「市民として」政治的主張をすることの妨げになってはいけない(「専門家」として発言する際にはなってよい)。

2013-03-11 10:38:55
KASUGA, Sho @skasuga

2) なお、以下に言う「専門家」は今回の場合「住民たちが被災・汚染の事実に応じて残るのであれ移住するのであれライフ・プランを再設計するための」専門家であり、必然的に自然科学者だけでなく、法律や経済等の専門家も含まれるであろう。

2013-03-11 10:39:04
KASUGA, Sho @skasuga

3)  知識を増やすことが、その運動のエンパワーメントになることも、ならないこともある。A教授の知識もB教授の知識もある住民グループによって等価である、ということにはならない。

2013-03-11 10:39:12
KASUGA, Sho @skasuga

4)  また、当然ながら住民グループ内でも両教授の知識から得られる利益は異なるものになる。従って、住民グループがどのような専門家に支援を依頼するかは、グループ内外の両面に対して政治的な問題となる。

2013-03-11 10:39:20
KASUGA, Sho @skasuga

5)  (グループ内で議論がない、あるいは議論が集結して専門家Aが選択される、という状況があること自体は好ましいが、全てのケースにそれを期待してはならない)

2013-03-11 10:39:29
KASUGA, Sho @skasuga

6)  また、知識は「政治的・経済的要請とは独立に生産されている」というわけではなく、それら社会的要請を反映して偏在している(特に、モード2型科学でその側面は強くなる)。

2013-03-11 10:39:42
KASUGA, Sho @skasuga

※すいませんがモード2はググってください。

2013-03-11 10:39:55
KASUGA, Sho @skasuga

7)  従って、住民が自分たちが必要とする知識にアクセスする容易さ自体も、公平に配分されているわけではないことを認識する必要がある。

2013-03-11 10:40:05
KASUGA, Sho @skasuga

8)  このため、知識の伝授は「公平感の高い」と見なされる方法論によって、組織的に行われること「も」必要である。これは、本来行政が主催するのでよいが、信頼が得られないのであれば第三者機関でもよい。いずれにしても公的な予算措置が行われるべきである。

2013-03-11 10:40:24
KASUGA, Sho @skasuga

9)  方法論としては,例えばデンマークのコンセンサス会議のような先行事例が参考になるが、あくまで参加の意思を持つステークホルダーの間で「方法論への合意」が取り付けられることが重要である。

2013-03-11 10:40:34
KASUGA, Sho @skasuga

10)  逆に言えば、参加するステークホルダーのあいだで、方法論的合意が可能であれば、通常は議論の内容は一定の範囲内に収束する(参加者の誰もが議論に費やした時間をムダにはしたくないから)というのは経験則的には言える。

2013-03-11 10:40:45
KASUGA, Sho @skasuga

11)  諸外国の例を参考にすれば(1)専門家は社会に存在する意見の対立をなるべく広くカバーするように、主催者だけでなく参加するステークホルダー自身の意見を考慮しつつ、選定されるべきである。

2013-03-11 10:41:01
KASUGA, Sho @skasuga

12) (2)アジェンダは、専門家自身が設定するのではなく、ステークホルダーが質問を決められるようにするなどの工夫が望ましいだろう。

2013-03-11 10:41:06
KASUGA, Sho @skasuga

13)  さて、こういった議論の場が設定された場合にどのような議論が行われるか、予断は少ない方が好ましいが、ある程度の流れを想定することはでき、予想すれば何故「専門家の知識」ならなんでもいいということにならないかについても論じうる。

2013-03-11 10:41:18
KASUGA, Sho @skasuga

14)  住民の設定するアジェンダは a.自分たちには何が権利として認められるのか? b.その権利はどの程度の期間で、どの程度回復されるのか? c.このaやbが達成されない場合、その代替・保障としてなにが提示されるのか d. それらの「科学的妥当性」はどの程度か? 

2013-03-11 10:41:46
KASUGA, Sho @skasuga

15) …という形になると予想すれば、 a〜c が提示されない d というのは成立し得ない(また、dが上流を規定してしまうと住民が感じてしまっているのであれば、それは紛争解決という目標のためには危険である)。 【ここまで】

2013-03-11 10:42:53