「最良のすべ」を知るのは医師なのか? (髙嶌先生の連ツイ付)

それが「最良のすべ」であると判断することができるのは誰か。 そもそも「最良のすべ」とはなにか。 ※重要なのは後半部ですが、あえて前半部(一般人の感覚)も採録しました。
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TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

.@minadukiG さんのご指摘の通りです。医療の現場では、説明を受けた上での同意(インフォームドコンセント)を取り付ける義務が、最高裁まで広く認められています。

2013-03-11 11:42:14
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

.@minadukiG 例えば、患者がエホバの証人の場合、医療機関は、手術に際して輸血する可能性があることをあらかじめ説明する義務を負います。

2013-03-11 11:47:56
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

.@minadukiG ご存知と思いますが、エホバの証人は教義上、輸血をしてはならないとされています。

2013-03-11 12:23:15
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

.@minadukiG この事件では、手術が必要であることは医学的に明らかでしたが、患者は輸血をあくまで拒んでいたため、医師は、輸血する可能性を説明しないまま手術し、実際に輸血を行いました

2013-03-11 12:25:10
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

.@minadukiG そのため、手術後に患者から、自己決定権の侵害を理由とした慰謝料請求訴訟が提起され、最高裁はこれを認めました

2013-03-11 12:26:35
水無月 @minadukiG

@TAKASHIMA724 ご教示ありがとうございます。事件があったことは一応知っていたつもりですが、最後の結末は知りませんでした。自己決定権の方が患者の生命や医師の義務より優先されると最高裁が判断していたのですね。

2013-03-11 12:34:31
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

.@minadukiG この最高裁判決からわかるのは、判例上、緊急事態などの例外を除き、原則として説明した上での同意が必要であり、これを欠く医療行為は、医学的に適切であっても違法であるということです。

2013-03-11 12:41:43
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

.@minadukiG 本来、医療とは患者と医師の共同作業である、ということからすれば、このことはむしろ当然です。

2013-03-11 12:46:31
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

.@minadukiG 現在の医学部では、医事法の一部としてインフォームドコンセントの法理が原則であることを教えられるのですが、私の世代より上のお医者さん、とりわけ開業医の先生の中には、まだこの法理が充分に浸透していないのが現状です。

2013-03-11 12:49:57
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

@minadukiG すいません、仕事をしながらのツイートで、途切れ途切れになってしまいました。ご指摘の点は全くその通りです。

2013-03-11 12:51:32
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

.@minadukiG なお、自己決定権の強調に対して、医学界から、次のように反論されることがあります。「患者は素人なので、説明したって理解できない」との論拠です。

2013-03-11 13:20:58
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

.@minadukiG これは全く的外れな批判です。というのは、ここで説明が求められているのは、患者が当該医療行為を受けるかどうか決定するために必要な情報(おもに、その医療行為の危険性と、医療行為を受けなかった場合に予想される経過)だからです。

2013-03-11 13:24:42
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

.@minadukiG 疾病の医学的機序の説明が求められているわけではないのです。

2013-03-11 13:26:11
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

.@minadukiG このことは、同じく専門家である弁護士と依頼者との訴訟代理契約の場合を念頭におけば、よくわかります。

2013-03-11 13:27:45
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

.@minadukiG この場合、弁護士は、勝訴の見込みがどの程度あるのか、そして敗訴した場合にはどのような不利益があるのか、さらに和解する場合にはどのような利点があるのかなどの点を依頼者に説明しなければなりません。

2013-03-11 13:30:08
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

.@minadukiG この場合に、弁護士が、依頼者に知らせずに勝手に和解に応じたら、依頼者が怒っても当然でしょう。

2013-03-11 13:31:40
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

.@minadukiG 単なる財産的利益の場合ですらそうなのですから、身体、生命、健康という最も重要な法益が対象になる医療の場合に、患者の自己決定が保護されないはずはありません。

2013-03-11 13:34:08
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

.@minadukiG なお、付言しますと、説明を省略できるもう一つの例外として、患者が精神的に不安定であり、適切な説明を受容できる状態にないことが明白な場合があります。

2013-03-11 13:37:01
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

.@minadukiG しかしこの場合であっても、医師は、患者の家族や保護者に説明しなければならないとされています。

2013-03-11 13:38:00
水無月 @minadukiG

@TAKASHIMA724 とても勉強になります。お忙しい中、本当にありがとうございます(もしまだ続きがあるようでしたら、ご自由にお続けください。お待ちしておりますので)。まずは御礼まで。

2013-03-11 13:54:03
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

.@minadukiG いえいえ、連ツイ失礼しました。とりあえずここまでにします。

2013-03-11 14:03:37