- seibutsugakutan
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この間リクエストしてもらった発酵について、お話していくね。いつもよりたくさん話すから、うるさいなあって思ったらミュートしてもらえると助かるかな。
2013-03-16 19:54:15発酵の定義は「微生物が有機物を分解してエネルギーを得るとき、特定の物質が生成されること」だね。もっと細かく言うと、嫌気条件下、酸素が少ない状態で行われるものだけをそう呼ぶんだ。具体的には…そうだなあ、アルコール発酵や乳酸発酵が有名かな?
2013-03-16 19:54:22アルコール発酵は、グルコース(ブドウ糖)1分子からエチルアルコール2分子が作られる反応だよ。酵母を酸素がない状態に置くとアルコールを生成するんだ。酸素が十分ある状態では、エチルアルコールではなく二酸化炭素を作るんだよ。
2013-03-16 19:56:27パンを作るとき、イーストを入れるでしょ?あの中には酵母か、酵母から取り出した酵素が入ってるんだ。材料を混ぜてからしばらく温かい所に置いておくと、イーストが生地の中のグルコースを分解してエタノールと二酸化炭素を作る。それがあちこちで起こるから、生地がスポンジみたいに膨らむんだよ。
2013-03-16 20:01:02アルコール発酵はグルコース1分子からエチルアルコールと二酸化炭素を2分子ずつ作るんだね。一方、酸素を使ってエネルギーを作る好気呼吸は、グルコース1分子から二酸化炭素6分子を生成する反応なんだ。
2013-03-16 20:05:55あ…さっき好気呼吸はグルコースから二酸化炭素を作る反応だって言ったけど、そのときには水(H2O)も6分子作られるね。ごめんね、忘れてた……
2013-03-16 20:10:26ここでちょっと化学のお勉強だよ。グルコースの化学式はC6H12O6、炭素(C)6個、水素(H)12個、酸素(O)6個がくっついて出来てるってことだね。同じように、エチルアルコールの化学式はCH3COOH(C2H4O2)、二酸化炭素の化学式はCO2だよ。
2013-03-16 20:08:02さっき、エチルアルコールの化学式をCH3COOHだって言ったよね。ごめんなさい、それは酢酸の化学式でした……。正しい式はC2H5OHです。
2013-03-16 20:26:55二酸化炭素(CO2)6分子と水(H2O)6分子に含まれる元素の数を合わせると、Cが6、Hが12、そしてOが18になる。そしてグルコースの化学式は、C6H12O6。Oが12個、酸素(O2)6分子ぶんだけ足りないよね。好気呼吸では、足りない酸素を呼吸で補ってるんだ。
2013-03-16 20:17:29じゃあ今度は、エチルアルコール(C2H6O2)2分子と二酸化炭素(CO2)2分子を足してみて。今度はCが6、Hが12、Oが6で、グルコースが持っている元素の数と同じになったでしょ? 酸素がない状態でもこの反応なら最後まで行うことができるってことだね。
2013-03-16 20:25:26グルコースは二酸化炭素と水にまで分解する方がたくさんのエネルギーを得られるんだけど、そのためには酸素が必要になるんだ。十分な酸素がないときや酸素を上手に使えないときでもエネルギーを作る方法が嫌気呼吸なんだね。
2013-03-16 20:31:46乳酸発酵はグルコース1分子から乳酸2分子を作る反応だよ。乳酸発酵を行う微生物を、文字通り乳酸菌と呼ぶんだ。 これは発酵じゃないけど、無酸素運動をすると乳酸が溜まるのは、筋肉の中で同じ反応が起こってるからだね。
2013-03-16 20:36:21