山下裕二 「円山応挙 講座 第三回」のまとめツイート

山田純嗣( @JunjiYamada )による山下裕二「円山応挙 講座 第三回」のまとめツイートなど
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中日文化センター
講座ジャンル 教養ほか
講座名 真の実力者!円山応挙
曜日・時間 第3土曜日 昼 1:30~3:00
会場 栄中日文化センター  (名古屋市中区栄4-1-1 中日ビル4階)
講師 明治学院大学教授 山下裕二

講座内容 円山応挙(1733~95)は江戸時代を代表する画家で、写実の達人と言われてきました。しかし、その実情は単なる「写生画の大家」ではなく、近代日本画につながる革新性と、江戸時代絵画としての伝統性の両面を併せもつ真の実力者なのです。18世紀後半の京都という場で応挙が達成した“新しさ”の意味と、それが生み出された過程を探ります。1月から始まる3ヵ月講座です。

受講料 3ヵ月分 8,820円
備考 筆記用具
講座番号 1-12-851-0

http://www.chunichi-culture.com/

愛知県美術館
http://www-art.aac.pref.aichi.jp/ 

円山応挙展
http://event.chunichi.co.jp/okyo/ 

Junji Yamada @JunjiYamada

今日の山下先生の講座のまとめをしたいけど、作品の題名などが曖昧なので、展覧会図録を確認しつつ明日の晩にでも。。。

2013-03-16 23:24:37
Junji Yamada @JunjiYamada

昨日の山下裕二先生の中日文化センターの応挙講座第3回目、テーマは日本美術史の中の応挙ということでしたが、基本的には応挙展に出品中の作品の解説を中心に、東北のプライスコレクション展の話、府中のかわいい江戸絵画の話、若冲の動植綵絵の話も加えてといった感じでした。

2013-03-17 23:45:49
Junji Yamada @JunjiYamada

長くなってしまいTLを荒らしそうですが、昨日の講座のまとめを連ツイさせてください。しかし、今回の講座、実はあまりしっかりメモをとっておらず、お話の中から印象に残ったことを断片的にといった感じで。。。

2013-03-17 23:47:11
Junji Yamada @JunjiYamada

まず、県美の展示の話から。今回の応挙展に出品されている圓光寺蔵《雨竹風竹図屏風》が展示されたことは大変貴重で、今後ほかで出ることはまず無いだろうとの事。小学館の日本美術全集にも載せたかったが、掲載許可が下りなかったとのこと。あと、大乗寺の再現展示の照明の話など(改善の予定)。

2013-03-17 23:48:02
Junji Yamada @JunjiYamada

そして仙台の「若冲が来てくれました」展の話へ。若冲《鳥獣花木図屏風》の周囲の柄が京都の祇園祭の山鉾の懸装に使われているペルシャ絨毯の図柄に同様のものがあると。江戸時代の外国からの情報の窓口は非常に限られていた。しかし、限られていたからこそ、このように強い影響を与えていたと。

2013-03-17 23:48:55
Junji Yamada @JunjiYamada

プライスコレクションの「若冲が来てくれました」展 は、一般・大学生が800円、高校生以下無料とのこと。これは、プライスさんの多くの子どもたちに見てほしいという思いから。この額ではとても利益は出ない。前回の話の中でもありましたが、作品の保険料はプライスさんの持ち出しだそうです。

2013-03-17 23:49:35
Junji Yamada @JunjiYamada

「若冲が来てくれました」、さらに子どもにも親しみやすいようにと、キャプションも工夫されている。例えば若冲《虎図》は「あしをなめるトラ」、《紫陽花双鶏図》は「アジサイの花と二羽のニワトリ」というように書かれている。展覧会HP→ http://t.co/duuBQzl80u

2013-03-17 23:50:22
Junji Yamada @JunjiYamada

話は府中市美術館の「かわいい江戸絵画」の話へ。”かわいい”絵画は日本独自のもの。昔の中国や西洋の絵にはかわいいと言えるものは無い。最近では海外でも"KAWAII"と訳されるが、それは大抵アニメ、漫画のようなオタク的なもの。もっと本質的な”かわいい”の感覚が江戸絵画にはあると。

2013-03-17 23:51:21
Junji Yamada @JunjiYamada

虎の話へ。虎が単独で絵に描かれるようになったのは室町頃から。龍虎図として龍とセットで描かれるようになった。そして歌川国芳は猫の絵の名手だが、国芳は猫を溺愛していたという話など。あと猫の最も古い絵は12世紀に遡る、信貴山縁起絵巻の中に描かれる。そして鳥獣戯画の中にも。

2013-03-17 23:52:37
Junji Yamada @JunjiYamada

猫はもともと日本にはいなかったが、大切な文書をネズミの被害から守るために、平安時代の頃に遣唐使によって日本に連れてこられた。当初は猫の首に綱を繋いで飼っていた。源氏物語の中でも唐猫騒動で引き上げられた御簾の端から女三宮を見てしまうという話があると言う話など。

2013-03-17 23:53:49
Junji Yamada @JunjiYamada

今回府中の展覧会で驚きだったのは、応挙の《虎皮写生図》が出ていたことだと。これは図録のコピーで見ましたがとても綿密に寸法まで書かれていて興味深いものでした。しかし、応挙は毛皮からは関節の位置は分からなかったので、応挙の描く虎の前足はいつも突っ張っていると。

2013-03-17 23:55:31
Junji Yamada @JunjiYamada

そして応挙と並ぶ虎の絵の名手として岸駒(がんく)の話へ。岸派の祖である岸駒の描く虎は、応挙のかわいい虎とは対照的に、おそろしく獰猛な姿をしている。岸駒は虎の毛皮に加え、頭蓋骨や肉や皮のついた四本の足も手に入れていたと言われている。そのせいもあるだろうと。

2013-03-17 23:56:14
Junji Yamada @JunjiYamada

そして、話は愛知県美術館の応挙展の各作品の話へ。まず導入の山跡鶴嶺《円山応挙像》と応挙の《郭子儀図》に描かれている童子の中の葉に絵を描く一人を比較し、似ていると。この子どもは応挙の姿ではないかと。うーん、そう言われると確かに。 http://t.co/xqQoXXgY08

2013-03-17 23:57:19
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Junji Yamada @JunjiYamada

ここからは各出品作の解説。 《大石良雄図》:この作品が展示されることは稀。着物の描写が丹念。右の女性の絽の着物のを通して足が透けている描写が秀逸。

2013-03-17 23:58:44
Junji Yamada @JunjiYamada

《三美人図》:これも展示されることは稀。美人図と言いつつもとうてい美人とは言えない姿にデフォルメされている。特に右の人物の目などは写楽の描く目にそっくり。写楽は阿波の能役者、斎藤十郎兵衛と言うことでほぼ確実と言われるが、これを見ると写楽は応挙では、と思いたくなってしまうと。

2013-03-17 23:59:07
Junji Yamada @JunjiYamada

《驟雨江村図》:絞った表現で雨風を表している。今出品作の中で山下先生の最も好きな作品だそう。 《雨竹風竹図屏風》:トーンの微妙なグラデーションで空気をも表した作品。これ以前の同様の空気表現をした作品として長谷川等伯《松林図屏風》も思い出させる。

2013-03-18 00:00:00
Junji Yamada @JunjiYamada

《写生蝶之図》:かなり正確。専門家に見せれば、何月に羽化したものかも分かるほどだそう。 《龍門鯉魚図》:この滝の表現はとても人気があり、同じ図柄が多数ある。単なる写生ではなく、写生に基づくデザインとなっている。

2013-03-18 00:00:39
Junji Yamada @JunjiYamada

《富士三保図屏風》:富士と松原をシルエットでぼんやりと浮かび上がらせた表現はとても挑戦的。応挙は実際の富士を見たことが無かったが、実物を見ていたら富士はこうはならなかっただろう。 《富士巻狩図屏風》:右隻下に非常に細かく人物を配し、上に大きく余白を空け、左隻に堂々とした富士。

2013-03-18 00:02:19
Junji Yamada @JunjiYamada

《雪松図屏風》:以前この作品だけが国宝で大乗寺の方が国宝に指定されていないことをどうかと思うと言ったが、今回の県美の展示はとても良いと感じた。下からの照明で下部の砂子の部分がとても輝いて見える。山元春挙《雪松図屏風》は円山派として応挙の雪松図をしっかり継承していることが分かる。

2013-03-18 00:03:47
Junji Yamada @JunjiYamada

《白狐図》:今回の作品の中で山下先生が一番欲しい作品だそうです。輪郭をわざとか細く描き、狐の周りに薄墨を置き白抜きで狐を表現している。顔がミソで、目には裏から金が塗られ、鼻の周辺と耳には薄く朱が塗られている。わざと色を判別できないようにして闇夜を表現している。

2013-03-18 00:04:06
Junji Yamada @JunjiYamada

山元春挙《春夜白狐図》:春挙は明治大正の人なので、西洋的陰影法を取り込んで描かれている。これと応挙の《白狐図》を比較すると応挙の最小限の筆数ゆえの美しさが際立つ。

2013-03-18 00:05:03
Junji Yamada @JunjiYamada

最後に、応挙は写生をベースにしつつ、そこに留まること無く、それと中国絵画を参考にしつつ自分のものにしたり、グラフィカルな表現にしていたというようなお話でまとめられていました。(若干曖昧。汗)

2013-03-18 00:06:21
Junji Yamada @JunjiYamada

その後、若冲の動植綵絵についても詳しくお話をされましたが、長くなってしまったので割愛します。長々と連ツイ失礼しました。以上です。

2013-03-18 00:06:59
神田記喜 @kandelion

@JunjiYamada レポ乙でした。大変興味深かったです!

2013-03-18 00:07:57