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Keiichiro SAKURAI @kei_sakurai
GaNの方が良い材料である可能性は前もって主張することは可能だったけど、本当にそれが一番かどうかは、日亜が造るまで不明だった。GaNが一番、というのは基本的に後知恵。それすら、今でも”100%確実”ではない。自然界の一部たる半導体材料には、常に未知の可能性が隠されているから。
Keiichiro SAKURAI @kei_sakurai
もちろんLED実現以前からGaNを推していた人は威張ることも可能だろう。でも本当にそのような段階から貢献をした方なら、他の材料系に賭けた方々を馬鹿にしたりはしないだろうと思う。
Keiichiro SAKURAI @kei_sakurai
(以前にも紹介したが)他の青色発光材料の研究報告で自分が一番感動したのは、ZnSe系材料で青色レーザーを目指したソニーの最終報告だった。それはある大きな学会において一番大きなホールにて、満員の聴衆を前に、固唾を呑むような緊張の中で行われた。
Keiichiro SAKURAI @kei_sakurai
ソニーはその材料系で、考え得る限りのベストをやってみせた。理論計算に基づく、原子一個に至るまで完璧な構造を実現してみせた。それは確かに、まばゆく光る。しかしそこまでやっても、要求された性能は満たされず、素子が短時間で劣化した。この材料では駄目なことを、落ち着いた調子で報告した。
Keiichiro SAKURAI @kei_sakurai
報告が終わると、会場は割れんばかりの拍手で満たされた。
Keiichiro SAKURAI @kei_sakurai
その材料系に賭けていた人たちにとっては、ソニーの報告は研究の終焉を意味した。でもそれが確定したことで、以後は研究リソースをすべて他の研究に振り向けることが出来るようになった。ソニーはその発表で、他の数多くのグループの貴重な時間や資金や人手を救った。
Keiichiro SAKURAI @kei_sakurai
「出来る」ということを示すのは、実例一つ示せば足りる。でも「出来ない」を示すためには、考え得るあらゆる可能性を網羅しないと出来ない。「できない」ことを示すのは非常に難しいし、それをやってのけた報告は非常に価値が高い。
Keiichiro SAKURAI @kei_sakurai
紹介したのは、一つの例に過ぎない。でも1つの成功はたいてい、他の数多くの失敗に助けられているものだ。それを知る人は、他の可能性に真剣に賭けた人をそうそう馬鹿にはしないだろう。

ご本人のまとめです.こちらもどうぞ.
青色発光や電力素子用の材料開発に関する昔話少々 - Togetter

コメント

Keiichiro SAKURAI @kei_sakurai 2013年3月27日
気づかずに別まとめ作ってしまいました。ありがとうございます :)
Toshihiro Takada @takadat 2013年3月30日
kei_sakurai とんでもございません.こちらこそ,貴重なストーリーのツイート,ありがとうございました.
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