ジャンルごちゃ混ぜツイノベ集【２０１２～２０１３】

おかみ まこ＠無期限凍結 @Art_Mak0

猫の様に丸くなった背中、細くなった手首。お互い随分と年を取りましたね。貴方と喧嘩も沢山した。笑い合い、泣き合い、人生を共に歩んできました。でもね、１つだけ叶えて貰ってない事があるのですよ。おじいさん、一度でいいから、貴方から私にキスをくれませんか。いつも私からでしたから。

おかみ まこ＠無期限凍結 @Art_Mak0

名前を呼んで。その低く包み込む声で。「ん……」奥深くまで侵食されたい。「ア、ルト……」ベッドが軋む、欲望のままに。「好、き……だよ」いつまでも一緒でいい。一緒がいい。このままでいたい。ボクに魅せつけて、キミの全てを。

おかみ まこ＠無期限凍結 @Art_Mak0

いつかキミと一緒に星を見てみたかったのに。体の内側から冒される、この邪悪な気持ちに勝てそうにもない。蝕まれるという事は、きっとこういう事なんだろう。もうボクは普通ではいられない。「さよなら……」唇をぎゅっとかみ締めて、生きている味を確かめ、ボクは眠りについた。

おかみ まこ＠無期限凍結 @Art_Mak0

（まだ残ってる、甘い、味……）アルトとのキスは唐突だった。甘い味のキス。その優しさに、怯えても、震えても、キミさえ居てくれるなら、それを全部受け止めたい。でも、そんなことは見せず、聞かせず。「もう一回、して……」最後に口を塞いでしまおう。ボクの唇で。

おかみ まこ＠無期限凍結 @Art_Mak0

背も性格もアンバランス。「約束。守ってよ」ボクが頬を膨らますと、アルトが少し背伸びして、頭を撫でてくれた。恋は魔法だ。こんなにもときめくんだから。でも、恋は呪縛だ。もうキミしか見えない。ベストポジションを見つけよう、今から、二人で。

おかみ まこ＠無期限凍結 @Art_Mak0

指を差されて臆病と言われても、今までのボクはただ待つしかなかった。笑っちゃうよね、今のキミの顔を思い出せないんだ。力強いその背中しか知らないから。（ようやく会えるね、キミの顔に）もう、待つのはやめる。一緒に歩きたいから。だから、お願い。受け入れて、ボクの過去も今も未来も、全てを。

おかみ まこ＠無期限凍結 @Art_Mak0

震える指先でオレの頬を撫でると、唇だけでオレの名を呼ぶ。その仕草に劣情を煽られて、心臓がばくんと跳ねた。泣くな、リノ。オレは傍にいる。ずっと、ずっと。もう、二度と離さない、離れない。誓いを立てて、その柔らかい唇に口づけを。

おかみ まこ＠無期限凍結 @Art_Mak0

オレとリノはヒーローごっこをやっているような間柄。オレがヒーローで、あいつは救われる側。この間、あいつが泣きそうになってオレを見つめた。それこそ見逃してきた一瞬の泣き顔だった。「判ってる」お前もヒーローになりたいんだって。なればいいじゃん。強くなるまで、オレは待ってるよ。お前を。

おかみ まこ＠無期限凍結 @Art_Mak0

お前がどんなに泣いたところで変わることはない。「はいはい、降参です」口だけは言ってやるよ。お前の涙に降参ってな。新緑の中で芽吹く、恋の色は何色だろう。オレには、透明なお前の涙と同じ色に見えた。

おかみ まこ＠無期限凍結 @Art_Mak0

「行かないで」リノが涙ながらに呟いた。「キミなしで生きていけたらいいのかもしれない。でも、ボクはキミなしじゃ生きていけないから」判ってる。だから、ずっと傍にいる。そう言うと、リノは笑った。「キミが花だったら、ボクはガクだよ。キミの支えになりたい」それでいい。支えでいてくれ。

おかみ まこ＠無期限凍結 @Art_Mak0

「行くなよ」知ってる。オートロックですら、テレポートできるコイツには効果がない。だけど、止めたかった。「行くなら、オレにキスしてから行け」途端、頬にキスされて、リノは視界から消えた。……行っちまった、か。でも、必ず戻ってくるもんな。オレは心の中に出来た陽だまりに笑いかけた。

おかみ まこ＠無期限凍結 @Art_Mak0

「なあ」「ん？」「好きだ。愛してる」ボクはしばらく考えて、口を開いた。「……ちゅー、しよ」ねぇ、ボクには愛する、という感情が判らない。でも、いつか、ボクにも判る日がくるかな？　そうしたら、その日はお祝いしよう。ニンゲンらしくなれたね、って。

おかみ まこ＠無期限凍結 @Art_Mak0

リノの不必要な自己犠牲に苛立った。「いつになったら、お前は自分を大事に出来るんだ」オレが言うと「アルトが強がってるのと同じだよ」と笑う。ふと、虚勢が落ちた。……なんだ、オレも一緒じゃないか。「いつかキミと一緒に、素直になれるといいね」言われなくても。お姫さま。

おかみ まこ＠無期限凍結 @Art_Mak0

今日はボクからキスをした。勇気を出す切欠はほんの些細な事。でも、泣き出してしまった。「おいおい、涙は宝石にはならないんだから、水分の無駄遣いやめろって」だって、勇気が出ないんだもん。「何の？」バカ。「……全てを忘れさせる様に抱いてください」彼は頷くと、優しくボクを押し倒した……。

おかみ まこ＠無期限凍結 @Art_Mak0

アルト。キミは、奇跡なら自分で起こせと言った。だから、ボクは奇跡を起こして研究所から逃れた。そして、キミとの間にある障壁も、この手で壊してみせる。キミ以上に大事なものなんて他にはないよ。キミだけを想ってた。キミだけを想ってる。今までも、今も、これからもずっと。