みどりの座。

みどり、という色とそれを指す意義について簡単に。
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クロ @ti_clocks

蟲師の話が出て思い出したんだけど、緑の座、っていう一巻第一話のエピソードで、「この国の深い緑」って表現がある。神仙の森に住む、不思議な左手を持つ一人の少年の話だ。蟲になりかけた祖母と、お互いを知らず二人きりで暮らしている。

2010-09-05 04:24:07
クロ @ti_clocks

外国の話は知らないけれど、日本人は特に、みどり、って色を凄く強く感じてる国民だと思う。 、iPhoneの無機質な変換だけでもこのみっつ。草木の持つ湿った緑。陽光を受けて輝く透き通った翠。石くれに宿る、濃く冷たい碧。

2010-09-05 04:27:40
クロ @ti_clocks

スタジオジブリの作品の中で、もののけ姫というのがある。あれは神仙よりもっと前のイメージ。 イノシシ、オオカミなどのカミのイメージは、蟲師のそれにかなり近い。 野生がそのまま神懸かったものとして崇められていた、原初のカミだ。その中で使われているミドリは、それだけで四万色を超える。

2010-09-05 04:34:01
クロ @ti_clocks

陽光の赤菜の花の黄蒼い空と、色はたいてい様々な表情を持っているけれど、みどりがその中で際立っているのは、それが生命そのものの色だからというところが強い。ストロマトライトが海中で酸素を発し、小さなシダが海岸を潤し、針葉樹が積雪の中で屹立し、広葉樹が無骨な山肌を飾る。

2010-09-05 04:45:09
クロ @ti_clocks

体内に息づく大気のもとがみどりなのだから、それを見るときに厳粛な気持ちになるのは無理からぬことだ。みどりがなければ、鳥は泊まれず、獣は眠れず、蟲は宿れず、人は産まれすらしなかっただろうから。

2010-09-05 04:55:44