【腐向け】プラネタリウムで働くスザクさんと星の王子さまなルルーシュのお話

妄想ツイートまとめ。すざるらさん推奨。腐向けなのでご注意ください。
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ささら @sarasa06

ただーいまっ!櫻井さんのプラネタリウムって聞こえた!

2013-01-18 22:09:33
ささら @sarasa06

郊外にある寂れた小さなプラネタリウムで働くスザクと、そこにふらりと現れたルルーシュ、という妄想をしたことがある私に死角はなかった

2013-01-18 22:18:37
ささら @sarasa06

プラネタリウムで働くスザクの話のメモを発掘して見返してみたら、なんやかんや設定詰め込みすぎてて、ああ、これは書かずに闇に葬るパターンだわ…って放置プレイに納得。で、貧乏性なのでそっとネタだけ投下させていただく…

2013-01-19 15:23:29
ささら @sarasa06

郊外にある寂れたプラネタリウムで働いているスザク。休日に近場に住む家族連れや学生のカップルがちらほら訪れるだけのその場所に、ある日スザクと同じ年頃と思われる男性がふらりと姿を現す。黒髪に黒いコートの黒ずくめ、星空に沈みそうな色の中にキラリと垣間見えた紫の瞳。

2013-01-19 15:39:09
ささら @sarasa06

この世にこんな綺麗な男の人がいたことにも、そんな人が1人でこんななにもない場所に来るってことにもスザクは驚くんだけど、なにより不思議だったのは、彼とすれ違った瞬間にふわっとスザクの胸の中に寂しい空気が流れ込んできたこと。遠い夜の果てみたいなキィンと冷たい匂いがしたこと。

2013-01-19 15:48:04
ささら @sarasa06

お客さんは彼ひとり。彼の為だけの30分の上映が終わり…けれど暫く経っても彼は外に出てこない。心配になって客席を覗きにいくと、彼は一番後ろ隅の席で静かに眠っていた。本当は出て行ってもらわなければいけないのだけれど…スザクは眠る彼を包むドームのスクリーンに、もう一度星空を映し出した。

2013-01-19 15:55:13
ささら @sarasa06

3回目の上映が終わった後、目を覚ました彼がスザクのもとにやってきて少し気まずそうに頭を下げた。慌ててスザクは言う。「どうせ平日はお客さんが来ないから。それよりも貴方がいい夢を見れたなら嬉しいです。星、好きなんですか?」

2013-01-19 15:59:08
ささら @sarasa06

すると相手は、少し遠くを見るように視線を逸らして「そうだな…好き、というよりも、俺はあちら側の星から来たからな」それがスザクと"星の王子様"な彼との出逢いだった。

2013-01-19 16:04:13
ささら @sarasa06

それから彼は週に一度二度、スザクのプラネタリウムを訪れるようになった。誰もいない平日の昼間にそっと現れる彼を、スザクは心待ちにするようになる。交わす会話は決して多くないけれど、少しずつ少しずつ、彼との距離が縮まっていくことがスザクは嬉しかった。

2013-01-19 16:15:19
ささら @sarasa06

「ルルーシュはどこから来たの?」「どこって…じゃあ、一番に光る、あの金星から」「いつここに来たの?」「もう覚えていないな」「どこに帰るの?」「最後はちゃんと、星に帰るさ」

2013-01-19 16:26:07
ささら @sarasa06

何度も足を運んでくれるルルーシュのために、スザクは倉庫から古い恒星原版を探し出してきて、彼にいつもと違う星空を見せようとする。投影機に入れるレンズのような原版には星の配列に合わせて孔が開けられていて、それをルルーシュに手渡してみると、彼は物珍しそうに小さな星空を透かして見ていた。

2013-01-19 16:38:50
ささら @sarasa06

貸し切り状態のプラネタリウムで、ナレーションもBGMもない静かな星空の投影会をする2人。古い原版を次々替えていくスザクに、「こんな小さな板でドームいっぱいの星空ができるんだな」「そうだよ。あ、投影中は機械に触らないでね。星みたいに熱くなるから」「お前、星を触ったことあるのか?」

2013-01-19 16:46:08
ささら @sarasa06

隣でくすくす笑うルルーシュに、スザクは震えたいような駆け出したいような、甘酸っぱくて苦しくてたまらない気持ちになって、思わずその唇を塞いでいた。彼に触れて、初めて自覚した気持ち。「ごめん、多分、僕は君が好きだ」

2013-01-19 16:51:01
ささら @sarasa06

その瞬間、頭をガツンと強く殴られたのかと思うほどの衝撃で、スザクの内側にぐちゃぐちゃに荒んだ悲しみが流れ込んできた。初めてルルーシュに出会ったときに感じたものにも似た、けれどもっと強い濁流に飲み込まれるかのような感覚に耐えきれなくて、スザクの目の前が真っ暗になっていく。

2013-01-19 16:57:04
ささら @sarasa06

気を失う直前に聞いたのは、涙混じりの彼の声。「馬鹿だ…っ、俺は、また…!」その一言を最後に、彼は姿を消してしまった。どれだけ待っても、あの黒いコートの裾を翻してスザクのいるプラネタリウムに彼がやってくることはなかった。

2013-01-19 17:03:27
ささら @sarasa06

けれど、奇妙なことが起きる。あれほど人が来なかったプラネタリウムに、急にどっと人が押し寄せるようになったのだ。毎回席が足りないほどの満員状態で、ルルーシュを探しに行きたいと思うがそれもままならない。彼が自らの故郷と言った金星を見上げて溜め息をつくスザクの前に、ある女性が現れる。

2013-01-19 17:10:46
ささら @sarasa06

「お前が枢木スザクだな」見たこともない鮮やかな緑の髪をした彼女は、ルルーシュのいる場所が書かれているメモをスザクに渡して言った。「残念ながら今のルルーシュには私ですら近付けない。だが…あいつの人生、最期くらいいい目を見たっていいだろう?」

2013-01-19 17:16:35
ささら @sarasa06

ルルーシュは生まれつき強い思念体の持ち主だった。感情の起伏が、己の意志とは関係なく近くにいる他人に影響を及ぼしてしまう。幼い頃は感情を抑える訓練によってなんとか人並みの生活ができていたが、思春期になると力のコントロールがうまくいかなくなり、ルルーシュは隔離を余儀なくされた。

2013-01-19 17:29:42
ささら @sarasa06

その人は今、住宅街から離れた場所、木々に囲まれた小さな家にひとりきりで住んでいた。訪ねて行ったスザクが玄関を叩いても、扉は開かない。けれどスザクの胸にはルルーシュの気持ちが伝わっていた。「ルルーシュ、そんなに1人で寂しがったりするなよ。泣いたりするなよ。ここに、僕がいるんだから」

2013-01-19 17:37:02
ささら @sarasa06

やがて扉の向こうから小さな声が聞こえてくる。「帰れ。お前なんて大嫌いだ…顔も見たくない」「嘘だ」即答して、スザクはC.C.にルルーシュの体質のことを聞いたと告げる。「隠したってわかっちゃうなら、顔を見て話したい。君だってそう思うだろ?」

2013-01-19 17:43:53
ささら @sarasa06

長い躊躇いの後、扉の向こうからルルーシュが姿を現した。前に見たときよりもやつれ細った姿にスザクは驚き、ルルーシュを支えて部屋の中に戻る。ルルーシュはそこで「お前は俺に操られて、勘違いをしているだけなんだ」とスザクに告げた。

2013-01-19 17:49:59
ささら @sarasa06

「俺は人の心を勝手につくり変えてしまう。俺がお前に好意を持ったから、お前も俺を好きになったと錯覚して、お前に会いたいと思ったからお前の職場にまであんなに人が押し寄せて…。俺はなにも願ってはいけなかったのに…」

2013-01-19 17:55:34
ささら @sarasa06

一時期、ルルーシュの周りで多くの自殺者が出た事件があった。クラスメイトや教師、身内の人間たちまでもがなにかに取り付かれたかのようにルルーシュに好意を示し、神のように崇め、果てはルルーシュが振り向かないとわかると自ら命を絶った。ルルーシュの力が暴走を始めたために起きた出来事だった。

2013-01-19 18:04:45
ささら @sarasa06

「俺は簡単に人だって殺せるくせに、そいつらを見ても何の感情も浮かばなかった。悲しむことや嘆くことは禁止されていたからか。お前は人間じゃない、と言われたよ」自嘲するルルーシュに、スザクは言う。「じゃあ今、なんで君は泣いてるの?」

2013-01-19 18:07:16
ささら @sarasa06

「泣いてるのはお前じゃないか…」「これは君の涙だよ」スザクはルルーシュの手を引いて、自らの頬に伝う涙に彼の指先を触れさせる。「難しいことはもういいよ。君は十分苦しんできたんだから、これからはただ僕に好かれればいいんだよ」

2013-01-19 18:12:22