NHKラジオ第１ 私も一言！夕方ニュース 夕方特集 「司法試験と法科大学院見直しへ　その背景は」

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こうした中、島根県・松江市にある島根大学の法科大学院、山陰法科大学院は、司法試験の合格率の低迷や志願者の伸び悩みを理由に、来年度から、国立の法科大学院では唯一、国からの交付金を削減されることになりました。

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厳しい運営を迫られている山陰法科大学院研究科長の藤田達朗教授に先ほど電話でうかがいました。藤田「当時は地元出身が多かった。鳥取島根両県出身者、地域性としては特色のあらわれた法科大学院」「司法過疎といわれた地域ですので」

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藤田「去年入学したのは３名。今年、手続きしたのは２名、それにもう１名。転入が１名。司法試験の合格者は１８名。弁護士登録して地元弁護士会に登録したのは７名。県職員、市役所職員なども」

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藤田「（交付金削減）兵糧攻め。教員３人分の２５００万円分と聞いている。教育の質を落とすわけにはいかない。人件費の削減で」

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藤田「職域開拓が進まない中で、弁護士が受け皿になっている現状だが、もう少し長いスパンで」

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藤田「弁護士１人あたりの人口、島根県では１万２０００人、鳥取県では１万４００人。東京都はずいぶんと状況が違う」「弁護士不在の市町村がまだ結構残っている。過疎地域では、身近に法律相談できない状況がある」

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藤田「地域の法曹と手をつなぎながら後継者を育てる取り組みをここ数年強めている。これをさらに発展させたい」「両県の自治体関係者などから存続を求めるアピールを出した。残して欲しいという声も聞いている。期待は大きい」

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丸島「一桁の学生を教育するというのはかなり難しいと思う」「非常に乱立し、学校数も定員数も大きすぎた。ばらつきも大きかった。７～８割の人が合格できるような教育水準でもない。そうなれば合格率を意識するようになる。どうしても大規模な法科大学院が中心となるような現状」

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丸島「（募集停止の動き）広がると思います。現実の統廃合は進んでしまっている。そういう事態が続いていることはかんばしくない。理念に従って再編成する必要がある。その際には地域格差なども検討課題」

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丸島「司法試験は受験生にとってかなりの負担だなあとは思います。水準を下げるのではなく、盛り込みすぎず、基礎的なことをしっかりとという、教育との連動性は議論になっている」

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丸島「全体がうまくつながっているかということは見直さなければならないと思います」「（法科大学院に押しつけられている）そういうことは法科大学院の関係者はおっしゃいます。従来の問題、全体を見直さないと吸引力を持てないのではないか」

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丸島「当初の狙いが現状その通りになっていない点がある。法科大学院を出て試験に合格した人が法律家となっていない。さらに雇用のミスマッチ。さらに３百数十万～４００万の奨学金と司法修習生時の貸与。弁護士になった時点で７００万程度の借金。それだけのメリットがあるか」

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丸島「夜間・地方の法科大学院に適切な支援を。以前と比べて制度としては前進しているが、あらが多い」

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丸島「日本も遅ればせながら、法に基づく社会への転換点だと」「需要がまだ顕在化していない、とみなさんおっしゃるが、それが法律家と結びついていない。行政と法律家の連携などさまざまな問題がある」

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丸島「（予備試験）これが大問題でして。しっかりと大学で学ぶシステムに変えようとしたのに、特化して司法試験を受けようとしている人が早道コースとして受けている。根底から覆しかねないので、野放図にしない仕組みをどうするかというのは課題」

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丸島「法律問題として気づかないことがいっぱいあるが、それは別ルートで解決しているのだろう。たとえば家族の話し合い、雇用の問題や、それでいいのかなあという問題はある。法律が支える社会がコンセンサスを得て」

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丸島「もう一回、適正規模化を考えて。しっかり教育すれば多くが受かるというシステムを。そういう方向に一歩ずつ進むということが、この２，３年の課題」