【TB腐・兎虎】BLドラマの練習から始まるリレーssまとめ

mizuki💮虎37 @mizuki_TBss

@xkxyxrxixex 「も、残されるの、嫌なんです」「バニー」「これ以上無くすものはないって思っていたのに」「うん」「貴方、僕の今までをぐちゃぐちゃにしたのにのらりくらり。僕ばっかり試されてるみたいで、辛い」「――オジサンは狡いよな」「自覚してるし」「そりゃあオジサンだもん」

桐江 @xkxyxrxixex

.@mizuki_TBss 拗ねるように突き出した唇ごと、そっと掌で覆い隠す。「黙って。かき回してはぐらかさないで」息に乗せるように囁くと、彼は僅かに肩を強張らせた。狡さという名の鎧を纏う人が見せた一瞬の隙。僕は。「聞いてみないと分からない、そうですよね」懐刀を、突きつける。

mizuki💮虎37 @mizuki_TBss

@xkxyxrxixex 「てめ」「教えてもらったんです、鏑木さんっていう人に」「そういうのは覚えなくてもいいんだぜ」可愛くないから、と逃げる顔を押さえつけて瞳を覗きこむ。「だから教えて」こくりと動いた喉に顔を埋めた。「お願い」という懇願は肌に刻んだ。吸い付いて舐めたのはおまけだ

桐江 @xkxyxrxixex

.@mizuki_TBss ちゅ、という音に喉がひくりと痙攣する。塞ぐ掌は外した。そして待つ、いくらでも。貴方の言葉が聞けるのなら。瞳に揺れる戸惑いの色は敢えて見ないふりをした。「狡い俺じゃなくなったら、お前にはきっと重たくなる。それでも、いいのかよ…」絞るように紡がれる言葉。

mizuki💮虎37 @mizuki_TBss

@xkxyxrxixex 「望むところです」寧ろ貴方の執着が嬉しいといったら、貴方の方が引くでしょう…？明かせない胸の内を飲み込めば隙間を許さない力で抱き寄せられた「一回しか言わないから」一旦切った言葉。息を飲む音。「頼むから先に逝くな」魂を絞るような声はどこか湿っていた。

桐江 @xkxyxrxixex

.@mizuki_TBss ああ、そうか。僕らは喪失の落とす影を知っている。けれど違うんだ。両親の庇護を喪った僕と、人を愛し守ることを教えあう伴侶を喪った貴方。彼が今、葛藤しながらも手を伸ばそうとしているのは、彼がかつて味わった恐怖そのものなのかもしれないと、僕は漸く思い至った。

mizuki💮虎37 @mizuki_TBss

@xkxyxrxixex 「バニー、どうした？」痛いよ、と笑う人を抱きしめた。抱き返してくれる腕は幾つもの命を救った腕だ。独り占めしていいものではないのかもしれない。でも。「逝きませんし、行かせません。僕達はバディですよ」「あ、そっち？」「本当は恋人と家族も加えたいです」「はは」

桐江 @xkxyxrxixex

.@mizuki_TBss 「若いってすげえなぁ」僕を腹の上に乗せて抱きしめたまま、彼は溜息交じりに呟いた。感心しているのか呆れているのか、あるいはそのどちらともなのか。「からかってます？」いんや。表情は見えなくても、耳に吹き込まれる声の温度が、穏やかに微笑んでいることを伝える。

mizuki💮虎37 @mizuki_TBss

@xkxyxrxixex 「ありがとな」密かに落ちた言葉にまた瞼が熱くなる。背をそっとたたく仕草は慰める物なのに嬉しいなんて。「あーあ。目玉とけるよ、バニー」困った奴だと笑う声も滲んでいるからお互い様だ「疑って試してごめんなさい」「不安にさせて悪かったな」それから恋人のキスをした

桐江 @xkxyxrxixex

.@mizuki_TBss 貴方が僕に教えてください。人の愛し方、大切な存在を守ることの喜び。貴方はきっと多くを知っているから。身体の奥に空いた空洞を、甘いキスが満たしていく。満たして、溢れて、二人の瞳を潤ませる。僕らに落とされた影の中にひそむ恐れを、洗い流していく。

mizuki💮虎37 @mizuki_TBss

@xkxyxrxixex 「ああ、そうだ」肌を重ねて剥き出しの欲を混ぜている合間に悪戯な声がする。随分余裕だとむっとした時、指が頬を摘みにきた。「今回はしょうがねえけど。次からはこういうの断れよ。俺、心狭いから」嘘でもやなの。「！はい！」そしてドラマではない現実の幸せを噛み締めた

桐江 @xkxyxrxixex

.@mizuki_TBss 指を絡めて余韻を味わいながら、熱を冷ます。「練習させてやるだなんて。言うと思わなかった」独白めいた言葉を彼が拾い上げる。「…嫉妬、かも」堪らず吹き出す。「心せま」「うるせぇ笑うな！」了解。今後こういう仕事はお断りさせてもらいます。愛しい、貴方のために。

桐江 @xkxyxrxixex

END