《『福島民報』連載 「安全の指標」第16回》

今回のメインは、環境省が実施した、福島県外3箇所の甲状腺検査。なぜ、子どもの甲状腺検査の結果に関して福島県民健康管理調査が不信感をもたれているのか、という説明がなく、単に保護者が心配しすぎているだけだ、という説明不足の記事なので、補足を付け加えておきました。
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宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

第二部 安全の指標(16) 検査の意義 県外と変わらぬ判定 | 東日本大震災 | 福島民報 http://t.co/gQAdtgiB6G @FKSminpoさんから

2013-03-31 21:48:12
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

0 『福島民報』 「ベクレルの嘆き 放射線との戦い  第二部 安全の指標(16) 検査の意義 県外と変わらぬ判定」 以下、引用。 

2013-03-31 14:07:03
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

1 東日本大震災発生時の18歳以下の全県民を対象とする県の甲状腺検査は平成23年10月から始まった。検査を担う福島医大には直後から検査結果に対する問い合わせが殺到した。

2013-03-31 14:07:29
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

2 超音波検査機器を喉に当てて調べる1次検査は、甲状腺にあるしこりの大きさなどで結果を4つに分類している。軽い方から「A1」「A2」「B」「C」に判定。

2013-03-31 14:07:55
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

3 A1、A2は2年後の次回まで経過観察とし、BとCは2次検査が必要となる。5.0ミリ以下のしこりや20.0ミリ以下の嚢胞(のうほう)が見つかった場合はA2判定で、全体の4割が該当した。良性とされるが、しこりなどが見つかったことに保護者の間で不安が広がった。

2013-03-31 14:08:16
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

4  「どうしてこんなに見つかるのか」。検査に当たった長崎県諫早市の医師宇賀達也(48)も当初、しこりや嚢胞の多さに戸惑った。小児甲状腺がんの発症は100万人に数人程度とされ、子どもの喉を超音波で検査したことがなかったためだ。

2013-03-31 14:08:41
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

5 甲状腺外科を専門とする宇賀は、甲状腺検査の人手が足りていないと聞き、24年1月から20回程度、本県に入り、検査に協力してきた。超音波検査で画面に映し出される小さな嚢胞に疑問を感じていたころ、福島医大には嚢胞に関する電話相談が相次いでいることを知った。

2013-03-31 14:09:04
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

6 子どもの甲状腺検査そのものが珍しく、嚢胞の出現率に関する科学的データはない。電話対応に当たるスタッフが「心配要りません」と丁寧に説明しても、理解してもらうことは難しかった。

2013-03-31 14:09:31
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

7 宇賀は24年8月、長崎県諫早市にある勤務先の病院スタッフに協力を求め、零歳から18歳までの男女96人の甲状腺を独自に検査した。

2013-03-31 14:09:54
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

8 本県の検査と同じ基準で判定した結果、A2は40人で割合は41.7%。本県の検査と、ほぼ同じだった。A1は56人。嚢胞は39人にあり、3.0ミリ以下が24人、3.1~5.0ミリが13人、5.1~10.0ミリが2人だった。「長崎でも同様の結果で、謎が解けた」

2013-03-31 14:10:11
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

9  嚢胞ができる理由は不明だが、ほとんどが成長とともに消えていくとされる。宇賀は「しこりや小さな嚢胞は通常の所見。大人でも2~3割の人に見られる。A2判定でも心配しなくていい」と呼び掛ける。

2013-03-31 14:10:36
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

10 環境省も県民の不安に応える形で昨年11月から青森、山梨、長崎3県で甲状腺検査を実施し、今月29日に詳細結果を発表した。本県から一定の距離があることと甲状腺の専門家が多い理由で3県を選んだ。

2013-03-31 14:11:01
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

11 365人を調べた結果、A2判定の割合は56.6%を占めた。本県は41.2%で、県内の保護者の不安をよそに、3県よりも15・4ポイントも低い結果だった。B判定も本県は0.6%で、3県の1.0%を0.4ポイント下回った。

2013-03-31 14:11:27
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

12 環境省放射線健康管理担当参事官室は「福島県の割合が高いわけではなく、原発事故を受けた特異な状況でもない」と説明している。

2013-03-31 14:11:49
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

13 皮肉にも、検査機器の性能向上も不安拡大の一因だった。(文中敬称略) (2013/03/31 11:34) 以上、引用終了。

2013-03-31 14:12:26
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

14 以下、感想、疑問他と言いたいところだが、その前に付加情報を。この記事には、いくつかのことが、恐らく意図的に書かれていない。なぜ問い合わせが殺到するようなことになったのか、書かなければ、10年後に読んでもわからないだろう。

2013-03-31 14:14:28
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

15 原発事故発生直後、福島県内の開業医による避難者に対する診療拒否行為は、確かに存在した。診療拒否以外にも「これは原発事故の影響じゃないんですか?」と保護者から聞かれた医者の多くは、は正直に言っても「私にはわかりませんし、何もできません」というしかなかっただろう。

2013-03-31 14:22:45
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

16 その後も、鼻血や身体の異常があって医者に行くと、保護者も子どもも何も言い出さないうちに「これは原発事故の影響じゃありませんから」と話し出す医者は多かった。なにか連絡が回っていて申し合わせているんじゃないかと思うほど、「原発事故の影響は無い」と先回りする医者が多すぎた。

2013-03-31 14:25:43
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

17 せめてこの時に、不安な保護者の話を丁寧に聞いた上で、「心配な気持ちはわかります。私は専門じゃないから断言できませんけど、私が知っている範囲では、事故とこの症状は関係ないと思います」程度の受け答えをする医者が多ければ、状況はかなり違ったものになったかもしれない。

2013-03-31 14:28:04
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

18 医者の事情について、ちょっとフォローをしておくと、地震や津波の被災者のケアのために、2011年3月からしばらくの間、医療関係者は原発事故とは無関係に多忙になっている。特に、遺体の確認や被災者の医療措置というのは、PTSDになるほどの大きなストレスを医療関係者に及ぼす。

2013-03-31 14:34:01
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

19 有名なところで言うと、郡山を拠点に生活していたアーティスト、GREENのメンバーも歯科医師として、遺体の本人確認に参加していたという。当然、沿岸部などに応援に駆けつけている医療関係者の分は、残った医療関係者のハードワークで補うしかない。そういう点は割り引いておくことが必要だ

2013-03-31 14:37:10
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

20 一部の医療関係者は、当然だが原発事故を知って、家族だけ、または本人も含めて遠距離に緊急避難した。事故情報がはっきりしない以上、各自が判断するしかなかった。「医者は最後まで残って犠牲になれ」という人もいるかもしれないが、私はその立場はとらない。

2013-03-31 15:14:30
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

21 残った医師たちだって、本当は不安が無いとは言えないだろう。しかし、大半の医師には原発事故による健康被害どころか、原爆による健康被害の知識も無い。福島県ではその種の知識が必要な医師は殆どいない。例外があるとすれば、原発そばで1次医療施設に指定されていた病院と、福島県立医大だけ

2013-03-31 15:18:20
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

22 3.11以後、医療関係者もそれ以外の人も心配なままで、原発事故の行く末を案じてきた。頼りになるのは、放射線科の医師の話にも思えたが、放射線科の医師たちは「100ミリ安全」しか言わない。

2013-03-31 15:22:40
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

23 ネットでも書籍でも、チェルノブイリ原発事故後に小児甲状腺ガンが増加したことだけは書かれていた。それを見聞きした人々は、子どもの甲状腺に関する不安を抱いた。専門家である医師のアドバイスを求めようとした。しかし、殆どの場合、その願いはかなえられなかった。

2013-03-31 15:38:59