避難者の気持ち:帰還と避難のあいだで
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福島大学准教授の丹波史紀さんに電話でお話をうかがいます。丹波さんは、浪江町の委員として、復興計画の策定にも関わってこられました。
2013-04-03 18:19:49丹波「(2年以上経った再編)家の片付けすらできなかったが、区域再編により日中、町の中に入ることができるようになったのは大きな事。除染活動は本格的に行え、上下水道のようなインフラ整備、津波被害の復旧、徐々に進めることができる」
2013-04-03 18:22:58丹波「区域の見直しがすぐに賠償ということではないが、避難指示を解除されていつ戻ることができるか問題になるが、再編後は不動産や家財の賠償が進む。実際にはインフラ整備が進まないと帰ることができない」
2013-04-03 18:23:07それではここで、浪江町の住民の方々の避難生活と帰還への思いについて、福島県二本松市にある安達運動場仮設住宅自治会の自治会長、本田昇さんに電話でお話しをうかがいます。本田さんが自治会長を務める仮設住宅には、244世帯536名が暮らしています。
2013-04-03 18:23:19本田「(元住んでいたのは)請戸地区。津波の被害にあった」「年3回入った。お墓参りには行ったが、お墓がどこにあるかわからない状態だった」「帰っても何もない。復興が進むとは思うが、まだ放射線量が高いと思うんですよね」
2013-04-03 18:25:37本田「家に帰るとねずみがいっぱいでどうしようもない。水道が使えない。帰るたびに朽ち果てていく家をみるのがつらい。と。トイレも使えないんですよね」
2013-04-03 18:25:45本田「個人的には帰りたい。海が恋しいんですよね」「5人いるが、2人が病気。医療環境がしっかりしないと、どうしようもない」「孫が茨城にいる。線量が高いからどうしても離ればなれで…顔が見たくてもどうしようもない」
2013-04-03 18:28:14本田「ここは離ればなれの家族が多いので、長くなると息子がそっちの地域で就職するから、そっちに行かざるをえなくなる」
2013-04-03 18:28:58丹波「みなさん、帰れるものなら帰りたいと思っている。しかし、わずか数キロ先に福島第一原発があり、線量の高い地域も。不安を抱えている人も多い」
2013-04-03 18:32:55丹波「(どれくらいの人が帰る?)正直なところ見通せない。山古志村でも6~7割。日本は人口減少が進んでいくわけですから、それとともに。なかなか厳しい問題が存在している」
2013-04-03 18:34:19丹波「戻る戻らないということだけではなく、まだ判断できない人もいる。区域の再編はされたが、賠償はどうなるか見通せない。生活再建、仕事・住居・学校など決めかねている。一方で避難生活が続く。新たなスタートを切る人も」
2013-04-03 18:35:45丹波「病院の再開、介護施設もですが、それが重要。病院はある程度住民がいなければ、再開はできず、住民は病院が再開されなければ戻れない」
2013-04-03 18:39:24丹波「去年の1月31日に先行して帰還宣言をした川内村でも、積極的に進めているが、帰還は4割。それでもすごいことだが」「大手企業誘致を行って、雇用の確保に努める、病院など社会生活で必要なインフラを整備。村長はみなで話し合い、進めている」
2013-04-03 18:39:31丹波「(戻れない人たちも)もともと浪江町の広報誌で心をつなぐことをしていた。2万1千人が全国600自治体でバラバラに暮らし、なおかつ家族もバラバラに暮らしている。町民をつなぐ努力をしている。浪江町で電話帳を独自に作成する試みも。町民交流の集いなども行っている」
2013-04-03 18:44:04丹波「浪江町の再建を町民独自で考え、発表するなどのワークショップを。コミュニティバスでつなぐなど町民独自の発想も出てきた。住民が共同して住まう町作り、拠点作りの議論もユニークな提案」
2013-04-03 18:44:11丹波「国、県、自治体がいろいろ提案しているが、なによりも重要なのは住民の思い。復興に向けて住民が参画していく取り組みが必要」
2013-04-03 18:44:58