ホソタケさんによる根深汁レポート

NES BAND4chホソタケさんによる、根深汁のレポートです。
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hosotake @hstk_tw

根深汁。かの有名な時代小説作家・池波正太郎の小説に頻出する、味噌の汁である。 http://t.co/52uGPPcbSx

2013-04-05 23:24:50
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hosotake @hstk_tw

味噌汁の中に葱を入れ、それを少し煮立たせた簡単なものであるが、これがまた美味い。葱は大きくぶつ切りにし具はそれ以外に入れない。そこにあるのは出汁の深み、味噌の甘み、そして葱から出るトロリとした食感である。

2013-04-05 23:25:00
hosotake @hstk_tw

小さく息をするように、汁の香りを楽しむ。味噌の匂いと葱の匂いが、これまた妙に合わさって香となり鼻孔の奥で感じる。これは美味そうだと期待をしながら、熱い汁に向かって、ふぅ。ふぅ。と、息を吹きかける。椀の縁に唇を乗せ、少しずつ傾けていく。汁は次第に口の中に広がっていく。

2013-04-05 23:25:12
hosotake @hstk_tw

土砂降りの通り雨が作った水溜りの如く、味噌汁は口の中にすぅと広がっていく。舌の横で感じる温もり。そして上で感じる旨み。葱から滲みでた僅かな匂いと、味噌汁の深みは、間違いなくそこで、しかし自然に主張をする。喉の奥そして胃に広がるように飲み込むと、体全体に温もりが染み渡っていく。

2013-04-05 23:25:25
hosotake @hstk_tw

葱はどうかと頬張ると、これまた旨い。ぶつ切りの歯ごたえと、葱から出るとろみ、そして甘さ。単純だが、美味である。そしてある程度楽しんだところで、今度は少し胡麻油を入れる。すると、汁が突然化学反応を起こすが如く、胡麻油の香りがあたりを包み込む。

2013-04-05 23:25:38
hosotake @hstk_tw

池波先生が旨いと仰られるのも納得である。簡単ではあるが、深い味わいと温もりを感じることが出来る、良い料理であった。

2013-04-05 23:25:46