原発事故から2年、「一歩ずつ」~いわき市に住む一人として

3・11の震災・原発事故直後、1年目、そして2年目を振り返って思ったことです。
9

一歩ずつ〜「この世の中は持ちつ持たれつって、いい文句でやんすな」

原発事故から間もないころ

冬虫夏草@いわき市遠野 @iwakitono

「雑草」と、ひとからげにされる草々が花をつけ、ウメが咲き、庭のツバキやスイセン、ボケの花が開く。ハクモクレンが、空に向かって「ぽっ」と口を開き、この遠野地域のシンボル、ミツマタの花が青空に映える。ジンチョウゲが、ほのかに春の香りを野辺にただよわせる。これからは桜か。>一歩ずつ1

2013-04-05 04:30:50
冬虫夏草@いわき市遠野 @iwakitono

@iwakitono 3・11の東日本大震災から季節は、ふた巡りした。津波、地震、大余震、原発災害、放射性物質をめぐる情報災害など、いわきが被っている辛苦は、何重と表現したらよいのだろうか。>一歩ずつ2

2013-04-05 04:31:35
冬虫夏草@いわき市遠野 @iwakitono

@iwakitono 「放射能さえなければ」。東電第一原発事故と放射性物質の拡散地域、特に福島県の「浜通り」「中通り」を覆う憂鬱(ゆううつ)は、この2年を経ても変わらない。 だが、うつむいてばかり、ではいられない。>一歩ずつ3

2013-04-05 04:32:42
冬虫夏草@いわき市遠野 @iwakitono

@iwakitono 秋の実りに向けて、田をつくる時期になった。私が取り組む米づくりの分野では、この2年、放射性セシウムの定量数値で、どんな人にも安全性を説得できる米生産が可能、との実証研究の成果を得た。今後も一層進展するだろう。>一歩ずつ4

2013-04-05 04:35:33
冬虫夏草@いわき市遠野 @iwakitono

@iwakitono どれほど危険か、どれほど安全か、米など食ばかりでなく、健康にかかわることでも、今まで解らなかったことが、次第に解明されていくことだろう。それを拠り所として少しずつ変わっていくだろう。一歩ずつ。

2013-04-05 04:38:24
冬虫夏草@いわき市遠野 @iwakitono

@iwakitono  原発事故からそう時を経ないころ。「なんで避難しないのか」と、東京の友人から言われた。反原発運動の急先鋒といわれた人の書いた本を「読め」という友人もいた。>一歩ずつ6

2013-04-05 04:39:48
冬虫夏草@いわき市遠野 @iwakitono

@iwakitono 言われるまでもなく、すでに読んでいたが、「読みたくもない」と答え、いわき市内の空間線量やシーベルトの単位、健康への懸念に対する見方、考え方や農産物への影響予測について説明した。何人に同じ話をしたかわからない。>一歩ずつ7

2013-04-05 04:41:18
冬虫夏草@いわき市遠野 @iwakitono

@iwakitono しかし、放射性物質は危険だが、という前提で話しているのに、「安全と思っているのか」と、聞く耳をもたない。そのうち「原発を認めるのか」と、私が「原発推進派」であるかのような目を向けられた。 >一歩ずつ8

2013-04-05 04:44:45
冬虫夏草@いわき市遠野 @iwakitono

@iwakitono ここで暮らすことが、原発を是認しているかのような目で見ている人が、友人のなかには、少なからずいた。>一歩ずつ9

2013-04-05 04:46:22
冬虫夏草@いわき市遠野 @iwakitono

@iwakitono 「県内の原発は廃炉に」との決議に賛同しなければ、自治体議員も後援者の支持を繋ぎとめられない。「原発はいらない」と、これほどはっきり住民の合意がかたちづくられている地域が、福島以外にあるだろうか。>一歩ずつ10

2013-04-05 04:49:33
冬虫夏草@いわき市遠野 @iwakitono

@iwakitono 原発事故直後、物資の運搬車の運転手がいわき市入りを拒否。市外で「いわき」ナンバーの車が立ち入りやガソリン購入を拒まれた。婚約解消も。噂ではなく、身近に起きたことだ。>一歩ずつ11

2013-04-05 04:52:22
冬虫夏草@いわき市遠野 @iwakitono

@iwakitono 「風評差別」「差別的風評」という言葉を私は使った。そうした事態は、根拠のないことが広まるとともに消えたが、別の形や話として、いまだに湧いては消え、をくりかえしている。悔しく、歯がゆいが、こうした事態も、ほんとうのことが広まり、変わっていくのだろう。少しずつ。

2013-04-05 04:55:15

原発事故から1年目のころ

冬虫夏草@いわき市遠野 @iwakitono

3・11から1年目を前にした昨年のことだった。 震災犠牲者の慰霊と地域の希望をテーマに、被災地を巡っているシンガーソングライターのコンサートが、いわき平であった。私も行った。主役の女性歌手の到着が遅れた。雪。福島市あたりで渋滞に巻き込まれた。>1年目1

2013-04-06 07:24:31
冬虫夏草@いわき市遠野 @iwakitono

@iwakitono 友情出演の市内の演奏サークルが、曲目を増やして待った。穴埋め演奏も尽き、主役到着が終演予定の時刻に間に合うかどうかの事態になった。その時、数百人で満席となっていた客席から、フルートの音が。>1年目2

2013-04-06 07:25:30
冬虫夏草@いわき市遠野 @iwakitono

@iwakitono 会場が静まる。『荒城の月』を奏でる男性が立ち上がった。フルートを吹きながら会場をめぐる。「昔の光いまいずこ」。そのメロディーにさしかかる前に、私は、もう涙がとまらなくなった。>1年目3

2013-04-06 07:26:39
冬虫夏草@いわき市遠野 @iwakitono

@iwakitono 男性が促し、会場の歌自慢の人が次々に舞台に上がった。カラオケできたえた喉なのか、演歌の競演に。涙はとまらない。会場に満ちた空気が3・11直後の情景と重った。近隣で必死に助け合った、あの空気と同じ。主催者も出演者も聴衆も、そんなくくりのない空気だ。>1年目4

2013-04-06 07:28:22
冬虫夏草@いわき市遠野 @iwakitono

@iwakitono 「世の中は持ちつ持たれつって、いい文句でやんすな」。いわき市にゆかりのある野口雨情が子供に語りかけたことばが頭に浮かんだ。震災後、持ちつ持たれつが、幾重にも積み重ねられた。>1年目5

2013-04-06 07:29:27

2年目の今年

冬虫夏草@いわき市遠野 @iwakitono

3・11から2年を前にした先月(3月)9日のことだ。「いわきの食を考えるフォーラム」が市内で開かれた。「作る人、売る人、食べる人など、立場の異なる人による食の安全への取り組みや思い」を語る催しだった。>2年目1

2013-04-06 07:30:25
冬虫夏草@いわき市遠野 @iwakitono

@iwakitono いわき市内の生産・流通・販売・消費の発言者、主催者らを除くと、数十人の集い。それぞれ壁を立てた「話し合い」ではなく、予定調和を求めず、いわば現場に立つ人、悩みながら今と立ち向かっている人の声の「聞き合い」。>2年目2

2013-04-06 07:31:36
冬虫夏草@いわき市遠野 @iwakitono

@iwakitono あれから2年にして、ようやくこのようなかたちの集いが持てるようになった、と感じた。「持ちつ持たれつ」震災後、積み重ねられてきたことが、ようやく「食」や「地域づくり」という課題をめぐって生かされようとしている。これも一歩ずつだが。>2年目3

2013-04-06 07:36:45

2年目の4月11日(大余震の日)

冬虫夏草@いわき市遠野 @iwakitono

3・11からちょうど1カ月。2年前の4月11日、大震災犠牲者に黙とうを捧げて間もなく、足元で大地震が発生した。3・11と同じ震度6弱とされたが、いわき市遠野近辺の揺れは、体感でそれ以上だった。>大余震2年1

2013-04-06 18:41:07