【有事法制】交戦規定について考える2~日本に軍法会議があったら~

以前のまとめ: 交戦規定について考える~日本にも軍法裁判所が必要~ http://togetter.com/li/375825
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💫T.Katsumi📢 #FreePalestine 🇵🇸 @tkatsumi06j

『英雄の条件』。こんな時間だが、放送されてたのでついまた観てしまった。

2013-04-07 03:54:49

Ⅰ.内規としての交戦規定

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『英雄の条件』2。2回観て確信できたが、実話に基づくこの軍法会議の結果(無罪判決)は正当だと思う。チルダーズ大佐は極限状態の緊張にある現場で正当な防衛行動と手続きをとった。が、その事前の対処は、指揮官として不十分であったとは思う。

2013-04-07 03:59:15
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『英雄の条件』3。大佐が群衆による発砲があったとして“応戦”を判断する前、合計3名の海兵隊員が真向かいの建物から狙撃されている。とくに3人目は、大佐が判断する直前に大佐の目の前で射殺された。現場にいる指揮官であっても、その弾丸の侵入角の判断は難しいだろう。だが判断材料はあった。

2013-04-07 04:04:19
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『英雄の条件』4。大佐が群衆への武器使用を許可した一回目の命令の時、彼の副官は冷静に現状を分析し、群衆は発砲しておらず、向かいの建物に潜伏する狙撃手をまず攻撃すべきと進言している。大佐はこの進言を無視して自己の判断で発砲は群衆側からあったと決めつつ再度“応戦”命令を下した。

2013-04-07 04:09:22
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『英雄の条件』5。現場指揮官としての大佐の判断は不十分であり不的確だった。しかし大佐はその罪を問われることはなかった。狙撃首らに早めに対処していれば、海兵隊員の命を多目に救えたかもしれないのにだ。私はここには問われるべき過失があったと思う。

2013-04-07 04:14:03

「交戦規定」と「軍規」は違う

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『英雄の条件』6。しかし以上の過失を除いて、大佐に無差別な殺人の意図や“合衆国海兵隊員としての行動”に問題があったかというとそこは責められない。二度めの“応戦”命令の時の不適切に思われる言動は、交戦規定に照らしても問題視されない。彼は一度目の命令で正当に応戦を“許可”している。

2013-04-07 04:19:39
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『英雄の条件』7。副官に別の標的の攻撃を進言されたとき、二度目の念押しの命令は「奴等を殲滅しろ」に変わっていた。これは国際刑事裁判所であれば十分上官責任として殺人罪に問える言動だろう。だが米軍人として不適切な行動とは見なされないのだ。これが「交戦規定」というものである。

2013-04-07 04:25:34
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『英雄の条件』8。交戦規定はあくまで交戦する対象、条件、手続き等を定めているもので、それらの行為を実行する態度や姿勢、言動等はとくに問題視されない。それは軍規が定める。日本で国防軍が成立し交戦規定が定められた場合も同様のことになる。それが軍法会議で問われることになる。

2013-04-07 04:29:16

日本の軍法会議も陪審制(裁判員制)となる可能性

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『英雄の条件』9。近年、日本は民法裁判において裁判員制度を導入した。これは将来的な軍法導入時を見越した上での制度整備だと思われる。なぜなら軍法会議も同じく裁判員制度を採用した形で行われる可能性が高いからだ。これは米軍との一体化が進むなかで避けられない情勢となっている。

2013-04-07 04:32:41
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『英雄の条件』10。本来、自衛隊法にまず組み込まれるべき裁判員制度が民法で“先行”導入されたのは、現行法体系では自衛官は民法により裁かれる定めであり従って在日米軍兵士についても同じ扱いになるからだ。そこで、少しでも米国の制度に似た制度の中で裁判が行われるよう“先行導入”が起きた。

2013-04-07 04:36:25
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『英雄の条件』11。国防軍が創設されれば軍法体系が整備されるのは必然。すると日本にも戦後初めて軍法会議が復活する。今後日米両軍の一体化が進むのであれば軍法体系も整合されるだろう。したがって少なくとも裁判員制度が導入されることになる筈だ。

2013-04-07 04:39:28
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『英雄の条件』12。米軍の軍法会議では陪審員は軍規及び交戦規定に精通する将校以上の階級が務める。日本で軍法会議が復活した場合も同様の規定になるだろう。この映画のような状況に国防軍の人間が関わった場合、同様のことが起こり得る訳だ。そのことをリアリティをもって捉えることができるか。

2013-04-07 04:43:03

日本で軍法会議が起きる可能性をリアルに想像する

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『英雄の条件』13。たとえば、中国の日本大使館でこの映画と同様のことがあったとする。国防軍創設の暁には在外公館の警備や武装も強化されるだろうが、それでも不十分のため現在でいう中央即応集団のような国防軍の特殊部隊が大使保護と避難のため派遣されるとする。

2013-04-07 04:47:15
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『英雄の条件』14。日本大使館前には怒れる中国市民の群衆。投石や火炎瓶を投げつける行為などに及んでいる。特殊部隊は無事大使救出に成功するが、大使館施設への攻撃行為は止まない。大使館屋上の隊員が何者かによって狙撃される。現場の判断を誤った指揮官が群衆に向け発砲80数名を射殺する。

2013-04-07 04:52:09
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『英雄の条件』15。さて、日本ではどのような交戦規定が適用され、どういった軍規に照らされて軍法会議が開かれるだろうか。そして中国市民虐殺の事実について政府はどう中国政府及び国際社会に申し開きするだろうか。これらすべてをリアルに想像できなければ、国防軍創設は語れない。

2013-04-07 04:54:15
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『英雄の条件』16。国防軍創設が為れば、米軍との各地での共同行動が可能になるだけでなく要請されることになるのは必至だ。中東北アフリカで米軍とともに忌み嫌われる存在となり、したがって抗議行動やテロの対象となることも想定しなければならない。自衛隊を軍隊にするとは、そういうことなのだ。

2013-04-07 04:57:21
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『英雄の条件』結び。自衛隊の国防軍化を夢見る人々は、この映画をそうした視点で観てみて、政治的・軍事的にどれだけ難しい舵取りが必要とされるか、その対処力が日本政府にあるかどうか、リアルに想像してみるといい。長い軍事の歴史を持つ超大国アメリカでさえ非難を免れない事態というものを。了

2013-04-07 05:02:04

オマケ:原作者について

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『英雄の条件』オマケ。この映画には実は”原作”はない。脚本の元となるプロットを実質的に「英雄」と呼べる元海兵隊員が書き上げている。この人物、実はただの隊員ではない。元国防次官補・海軍省長官でありつい最近13年1月までバージニア州選出上院議員(民主党)でもあった。

2013-04-07 05:28:25
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『英雄の条件』オマケ。実質、ベトナム戦争等数々の名誉勲章を授与されれた元大物政治家兼作家ジム・ウェッブは、そのキャリアから上院軍事委員会、外交委員会の常連委員となっている。本作品は実話や原作に基づいてはいないが、彼の豊富な実戦・実務経験から導き出されたものなのは確かだろう。

2013-04-07 05:37:00

Ⅱ.国際法上の交戦規定