「そして……ええと、なんじゃったか……そう!見つけたのじゃよ!ワシがあの男からもらったものを!これじゃ!このカレンダー!ワシらのサークルがクリスマス会を行った時の、プレゼント交換会でワシがもらったものじゃ」 http://t.co/WxKHrUR4Nd
2013-04-10 00:22:35「たしか、彼の元には、ワシ手作りのクトゥルフフィギュアが渡ったのだったかな。ワシはうれしかったよ。なぜなら、出会ったあの日、いや、それ以前に、初めての電子の海の片隅で、彼らを見つけた時、ワシは彼らにぞっこん惚れ込んでいたからじゃ」
2013-04-10 00:24:00「話しを戻そう。初まりの日、ワシらは楽しい時間を過ごした。会がはねたあと、ワシらはスペイン料理屋でサングリアのグラスを傾けながら語り合った。二人ともあふれる怪奇への愛と、ファンタジへの憧れ、そして己こそその未来を切り開くのだという野望があった。ちょうどランクマーの若者のようにな」
2013-04-10 00:25:43「彼はファンタジ、ワシはホラー。それぞれの見る夢は違ったが、ジャンルへの愛と野望に燃えておった。そして互いにリスペクトしあっておった……もっとも、片方はワシの妄想やすぎぬとは思うがな。とにかく、彼はワシらのサークルのゲストとなった。そして、遠からず再び彼はやってきた」
2013-04-10 00:27:54「ここからの話はあまり語ることはない。ワシは彼のシナリオを遊んだし、彼もワシのシナリオに遊んでくれた。ワシは彼の『クトゥルフ武侠映画を撮ろうとするスタッフがほんとうのクトゥルフ事件に巻き込まれる」シナリオの主役を演じたっけ?彼はワシのサタスペでサポタイを演じた」
2013-04-10 00:29:45「子供達、サポタイを知っておるかね?映画『コナン・ザ・グレート』に出てくる、コナンの盟友じゃ。そんなキャラクターを、サタスペに持ってくる彼のアイディアにワシはシャッポを脱いだよ。ただものではなかった。ほんとうに、ただものではなかったのだよ」
2013-04-10 00:31:03「しかし……その日々も終わりを迎えた。さっき話したじゃろう、サークルの終焉じゃ。理由?ありきたりのそれじゃよ。ワシは大学を卒業し、社会人になった。社会人だった何人かは、仕事の関係で地方へ散った。結婚したものもおる。集まる機会は減り……サークルは休止した」
2013-04-10 00:32:28「しかし、ワシらの交流は緩やかに続いた。mixiなど、もはや荒地と化したか……あの世界が、セレファイスのごとく輝いていた時代があったのじゃ。そこで……ワシは彼からある話を聞いた。翻訳作業を始めたというのじゃ。そして……『ダイハードテイルズ』にあの小説が現れた」.
2013-04-10 00:34:39「当時のワシは見向きもしなかった。翻訳?確かに、彼は原書を読み、海外に出かけ、コミコンなどにも足繁く通っていたようじゃった。しかし、ワシは彼の才能は、古き良きファンタジ……コナンやランクマーの二剣士やメルニボネの皇子、そういったものたちの伝説を紡ぐにふさわしいと思っておったから」
2013-04-10 00:36:54「するうち、『ダイハードテイルズ』の更新が途絶えた。覚えておるよ……ワシは毎日毎日ページを訪れた。マディソンおばあちゃんはいつもネコを抱えて笑顔じゃった。テスティファン神父は汚いメガネを拭こうともせん。逆噴射壮一郎先生はピストルを振り回す。しかし、それはいつ来ても変わらない」
2013-04-10 00:38:57「ワシは悲しくなった。しかし、それではいかんと思った。仕事があったこともある。だが、ワシも動き出す時だと思ったのだ。ワシは仕事をしながら、ある創作スクールに通った。そこで青白い炎を放つ偉人に出会い、師事した。彼の名は伏せよう。だが、日本でクトゥルフこの人ありといえばわかろうな」
2013-04-10 00:40:58「ワシはそこでまずまずの成績を収めた。そしてその頃、風の噂に杉氏がなにかはじめたと聞いた。それがなんだったか、もう覚えてはおらぬ。だが、負けてなるものかと思った。ワシは書いて書いて書きまくったが、まあ、結果はみなが知っておろうな?」
2013-04-10 00:43:21「そして、ワシは普通のサラリマンとなった。書くことは続けておったが、趣味としておいた。サークルの仲間とは折りに触れ会っておったが、杉氏とは会えずじまいじゃった。……何年かが経った。ワシは不況の煽りを受け、職を失った。その頃、ある本に書いたものが載った。クトゥルフ神話の本じゃ」
2013-04-10 00:45:23「あのことだ!とすぐにわかったよ。『ダイハード・テイルズ』が甦ったのじゃ、とな。ワシはいてもたってもいられず、ツイッターアカウントを取得した。そしてあのアカウントをフォローし……目にしたのじゃよ、あの伝説の書き出しをな」
2013-04-10 00:47:26