だいさんかい

2011.3.11の13時以降(第2回twitter小説大賞の〆切 から 2013.4.12の13時まで この中から10作品応募しました。
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とおる7th @windcreator

プロットと構想は出来ている。だが、最後に主人公はどちらを選択するだろうか。私自身が選べない選択だ。しかし、彼は選ばなければならないし、私もまたその彼を支えてやらねばならないだろう。その時、ヒロインは頷くのか否か。それが知りたくて、私はこの本を書くのかもしれない。 #twnovel

2013-02-24 00:38:53
とおる7th @windcreator

猫耳が売っていた。色とりどりの、可愛い猫耳。いつも思うけど、誰が買うんだろ。すかさず店員が「旦那様とのラブラブ新婚生活をより一層楽しむ為にも、どうぞお一ついかがです?」うちの旦那は硬派な堅物真面目くんだから効果はない気がする。 #twnovel 効果がバツグンなのも複雑なものね。

2013-02-23 01:16:29
とおる7th @windcreator

部室の扉に一枚の張り紙。『猫の日につき、猫耳の着用と語尾の”にゃー”を義務付ける。部長』扉を引くと、三匹のバカがいる。部長は黒。巻き込まれたらしい後輩は白。そしてブチ模様の「君の分はこれだにゃー」先輩。「……ありがとうございます、にゃー」どうやって写真を撮ろう。 #twnovel

2013-02-22 14:35:33
とおる7th @windcreator

手紙になら素直に書けると思っていました。緊張することもないし、何度でも納得いくまで書き直せるから。電話なら素直に言えると思ってました。目の前に好きな人の顔がないし、緊張して変な動きをしても見られないし。面と向かったら、止められないままに勢いで言ってしまいました。 #twnovel

2013-02-22 01:54:50
とおる7th @windcreator

声に出して言えない日本語。あなたの前では言えない日本語。言いたいはずなのに言えない。どうしたって言えない。あなたが笑いながら言う「すき」も「あいしてる」も、わたしには言えない。声に出して言えない。あなたはきっと気づかない。言えないままのわたしには、気づかない。 #twnovel

2013-02-21 01:34:23
とおる7th @windcreator

『時間です』聞き慣れた声が告げる。伸びをして、身体を無理やり起こす。『朝食を済ませたら、本日はこの日の為に用意した衣装にお着替えください』初めて聞く文章。おそらく、一度きりの為に録音された——母の声。『当艦は母星へ帰投しました。環境レベル正常。頑張って、生きて』 #twnovel

2013-02-17 23:41:15
とおる7th @windcreator

「このヘンなメガネはなぁに?」子どもがタンスの奥からそれを見つけてきた。「あなたが素敵な大人になって、結婚したいと思った時に教えてあげるね」 #twnovel あれから二十年。隣に立つ人とお揃いの鼻眼鏡を付けて照れ笑い。父母から教わったお家芸のマジックは、我が家の披露宴のお約束。

2013-02-16 23:33:13
とおる7th @windcreator

居ても立ってもいられなくなり、彼の家に押し掛けた。久しぶりの休日だから、文字通り爆睡している。ほんの少し、安心。ニュースで時折流れてくる、異国の天災。もしも小惑星が、落ちて、きた、ら……。夢見たままの彼の手をぎゅっと握り締める。彼の口から零れた寝言が私を呼んだ。 #twnovel

2013-02-16 13:36:26
とおる7th @windcreator

重力が嫌いだ。私を地面に縫い止める。飛べない。私が重い女だからだろうか。もしも私が軽い女ならば、彼の所まで飛べるのか。彼が私のことを地球よりも強く引き寄せてくれたなら、今すぐ荷物をまとめて飛んで行くのに。まるで欠けた月のように、くるくると彼の周りを漂うだけの私。 #twnovel

2013-02-16 00:12:47
とおる7th @windcreator

義理チョコを渡された。本命のその人に、ハッキリと、「義理義理でした。これからもよろしくお願いします」丁寧にお辞儀された。夜遅いので、家まで送ったが、義理義理が頭に響いて彼女が楽しそうに話していた内容もうろ覚えだ。帰り道にメール『本命チョコだって気付いてますか?』 #twnovel

2013-02-15 00:28:59
とおる7th @windcreator

#twnovel チョコレートをくれるというから彼女の部屋を訪ねた。「じゃあ、全部脱いで横になって。準備しちゃうから」彼女の言葉に従う。彼女は手慣れた手付きで僕の四肢を固定する。少し経つと、エプロン姿に鍋を持った彼女が恥ずかしそうな照れ笑いで現れる。「じゃあ、全身で味わってね♪」

2013-02-14 19:47:06
とおる7th @windcreator

気付いたら隣にいるのが当たり前だった。手をつないで歩くのがあなたのお気に入り。私は二人で流れ星を待つ夜が好き。寒さを言い訳に照れ屋さんが抱き締めてくれるから。「命を賭けてくれますか、私の夢に?」ペアの片道切符を差し出す私は悪魔か死神か。「火星で挙式も、悪くない」 #twnovel

2013-02-14 00:34:59
とおる7th @windcreator

天気予報を生業にしている。明日がデートなら、傘は折り畳みを一本だけ持って行け。靴は動き易くだな。お前は濡れてもいいし、なんならくっついて歩け。雪? 降る時は降るだろ。絶対に雪だるまを作るって固く決めて行動しろ。そうしたらイライラしてる暇もなく一日終わっちまうよ。 #twnovel

2013-02-09 00:31:32
とおる7th @windcreator

「読み終わりました。とても下手くそだった」部長は満面の笑みでそう宣った。「まず、日本語の語順が不自然で言葉の掛かり方が不鮮明なのが未だに直りきってない。人物が多い上に誰が何をしてるのかサッパリ。オマケにラストのギャグは寒い」鏡に映る部長は笑う。「でも、面白いね」 #twnovel

2013-02-08 20:04:25
とおる7th @windcreator

先輩は厳しい。僕の失敗を事細かに指摘してから、必ず最後には「もう一度、やってみて」と言う。何度でも失敗の度に指摘してくる。柔らかい口調だけど、目は笑ってない。否応なく仕事を覚え続けた新人研修が終わる。先輩に御礼を言おうとしたら、つい告白してしまった。「もう一度」 #twnovel

2013-02-08 03:27:59
とおる7th @windcreator

天気予報という言葉は姿を消した。宇宙開発の過程で完成された全天管理機構によって、天候や空模様さえも人の望むまま。徹底的に計算し尽くされた天気は予定であり確定事項。そして今夜、大雨が降る。僕が失恋してドブネズミになるか二人で一夜を明かすか、彼女の心模様は操れない。 #twnovel

2013-02-07 23:56:20
とおる7th @windcreator

噂に釣られて俺はこの村に来た。『あの村には伝説の剣より入手困難な村娘がいるぞ』勇者と言っても人間だ。嫁も、子どもも欲しい。時には、伝説の剣よりも。噂は当てにならないから自分の目で確かめに俺は来た。やはり噂は噂だった。彼女は、女神だ。村を護る女神に、俺は恋をした。 #twnovel

2013-02-07 02:33:19
とおる7th @windcreator

噂に釣られて勇者は村に来た。『あの村には伝説の剣がある』この村には何も無いよ。少しばかり評判のよい編み物で生計を立てるだけの貧しい村なの。力仕事が出来る若者だって、私ともう一人だけ。勇者が世界を救う前に、滅びるかもね。はい、案内おしまい。名前? ただの村人Aよ。 #twnovel

2013-02-07 02:26:33
とおる7th @windcreator

鬼は眠れなかった。初めて布団の中で過ごす節分の夜に、眠っていいのかわからないまま、眠れなかった。あらゆる家から追い出された鬼は、夜風で凍えるのが好きだと思っていた。思い込んでいた。布団の中の方が好きかもしれない。それとも。鬼は眠れなかった。きっと、恋をしたから。 #twnovel

2013-02-04 01:46:06
とおる7th @windcreator

我が家の鬼嫁は今日も元気だ。ソフトボールで鍛えたアンダースローから放たれる豆は、散弾銃さながらの破壊力で帰宅した僕の顔面にヒット。二人の子どもが歓声を上げる中で、僕は玄関に倒れ込んだ。 #twnovel 「ごめん、ちょっと盛り上がって気合い入れ過ぎた……」抱き締める。「鬼嫁は内」

2013-02-03 20:51:39
とおる7th @windcreator

#twnovel 白紙を生業にしている。何一つとして書き記すことなくそのままに。なんの責任もない。なんの重圧も変化もない。なんて素晴らしいことだろう。私はこれからも、白紙一筋で生きていく。そうして、幾年が過ぎただろうか。ただ抱き続けていたはずの白紙は私の汗と涙とでもう白くはない。

2013-02-03 00:22:41
とおる7th @windcreator

「こんばんは…にゃ」にゃ!? 何が起きてる? たまたま帰り道でばったり会ったお隣さんに、ごくごく普通の挨拶を、俺はした。そのはずだ。決して片想いがバレバレだったり、挙動不審だったりはしないはずだ。そのはずだ、よな?「今日は暖かかったですね」「そ、そうですにゃー」 #twnovel

2013-02-02 23:56:51
とおる7th @windcreator

帰り道、2月2日だと気付く。曜日ばかり気にして日付を忘れがちだが、こうして改めて噛みしめるのもいいにゃ。たぶん猫の日だにゃ。今日は語尾を変えるにゃ。自分ルールは一度決めたら意地でも通すにゃん! どうせ今日はもう誰にも会わ「ども、こんばんはー」「こんばんは…にゃ」 #twnovel

2013-02-02 23:32:25
とおる7th @windcreator

万年筆を贈ると、予想以上に喜ばれた。普段は優しく微笑んでいる彼が、尻尾を全力で振るかのような満開の笑顔。趣味で小説を書くから外れないとは思ったが、ここまで頬を紅潮させて喜ばれると、こっちも照れる。早速、万年筆を走らせる彼。手渡される『結婚しよう』。ず、ズルいな! #twnovel

2013-02-01 23:20:47
とおる7th @windcreator

究極の選択だなぁ。アップルパイとスイートポテトの二択を迫るだなんて、ホントいぢわるだと思う。ニヤニヤしながら私が選ぶのを待ってる彼。二つとも食べると、後で”アレレ、重クナッタ?”なんて白々しく言うんだよね、絶対。はぁ〜どうしよう。うぅー。半分こずつ? それだっ! #twnovel

2013-02-01 22:03:33
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