元Wセミナー講師・羽広政男先生からロースクール生の皆様へ

まとめました。ただし、13から37の間は飛ばしてしまって大丈夫です。要は、時代によって司法試験の採点基準が変わり得るということが書かれています。
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羽廣政男 @m_hahiro

ロースクール生の皆様へ① 現在の司法試験は,ロースクールでの学習を真面目に熟せば司法試験に合格できるようになっています。具体的には,「条文」「判例」「基本書」「過去問」の順で説明します。

2013-03-10 06:02:29
羽廣政男 @m_hahiro

ロースクール生の皆様へ② 「条文」について。分解してみよう。接続詞である「又は・若しくは」「及び・並びに」が多用されている。これは,「省エネ」のためである。この場合の条文の学習の仕方は,「元に戻すこと」つまり分解することである。 たとえば,憲法第77条第1項を,4センテンスに。

2013-03-10 06:13:13
羽廣政男 @m_hahiro

ロースクール生の皆様へ③ 「条文」について。示されていない文字を考えてみよう。条文を作る場合,そこで用いる文字は,そこで用いない文字を想定している。たとえば,憲法第66条の「国会」は,「国民」という文字を想定している。内閣が責任王相手方は,「国民」ではなく「国会」である。

2013-03-10 06:20:35
羽廣政男 @m_hahiro

ロースクール生の皆様へ④ 「条文」について。しりとりをしてみよう。「ゴリラ」の次は,「ラ」から始まるもの。たとえば,「ラクダ」。民法第162条には,「所有の意思」とある。そこで,「所有の意思」という文字を用いた他の条文を探す。同法第185条や同法第186条第1項。

2013-03-10 06:28:53
羽廣政男 @m_hahiro

ロースクール生の皆様へ⑤ 「判例」について。「時の判例」を使おう。最高裁判所調査官が執筆しているからである。これは,「百選」「重判」を用いないでという意味である。

2013-03-10 06:32:15
羽廣政男 @m_hahiro

ロースクール生の皆様へ⑥ 「判例」について。「判例付き六法」を使おう。意味が分からない場合,「基本書」「最高裁判所判例検索」で確認する。

2013-03-10 06:35:57
羽廣政男 @m_hahiro

ロースクール生の皆様へ⑦ 「基本書」について。民法であれば,「内田」を用いよう。これは,「予備校本」(劣化コピー)を用いないという意味である。内田の用い方は,次のとおり。まず判例索引を見て,1番最後に示されている最新判例から学習する。判例は,「判例理論」「学説」とは異なる。

2013-03-10 06:43:32
羽廣政男 @m_hahiro

ロースクール生の皆様へ⑧ 判例は,「判例理論」「学説」とは異なり,「個別的」「具体的」「判断」である。判例を学習する際には,「論点名(「やむを得ずにした行為」(刑法第36条第1項))」「判断(結論 必要最小限度 防衛手段として相当性)」「理由」に着目する。「理由」は,判断枠組み

2013-03-10 06:52:06
羽廣政男 @m_hahiro

ロースクール生の皆様へ⑨ 「理由」は,判断枠組みを示す。判断枠組みは,「基準」及び「考慮事情」から構成される。たとえば,内田民法Ⅱ288頁には,最判平成22年10月14日が示されている。論点名は,「入金リンク条項の解釈」である。合理的な契約解釈か否か判断するにあたって考慮すべき事

2013-03-10 07:01:05
羽廣政男 @m_hahiro

ロースクール生の皆様へ⑪ 最後に,「過去問」である。以上の学習(条文・判例・基本書)は,司法試験合格に効用があるか否かは,「過去問」を検討することにより明らかになる。ここで,「過去問」ということの意味は,「予備校の新作問題」ではないことを意味する。

2013-03-10 07:08:13
羽廣政男 @m_hahiro

ロースクール生の皆様へ⑫ 「予備校の新作問題」は,「過去問」とは似て非なるものであって,「予備校の新作問題」に慣れることは,「過去問」に対する感覚を鈍らすことになる。とりわけ,直近の過去問を研究することにより,「どのような基準により,どのような考慮事情の下で,・・・

2013-03-10 07:14:13
羽廣政男 @m_hahiro

ロースクール生の皆様へ⑬ 「どのような基準により,どのような考慮事情の下で,採点がなされているのか」を明らかにすることが肝要である。採点の判断枠組み(基準及び考慮事情)は,変化するからである。ある最高裁判所調査官の例で説明する。羽広の記憶が正しければ,次のとおりである。

2013-03-10 07:19:48
羽廣政男 @m_hahiro

ロースクール生の皆様へ⑭ 昭和50年代半ば,東大刑法教授の藤木先生が亡くなった。これは,「東大から行為無価値論が消えたこと」を意味する。結果無価値一色となった。この効果は,「東大の刑法大学院生は,司法試験に合格しない。」というものであった。当時の司法試験考査委員の中心は,・・・

2013-03-10 07:24:10
羽廣政男 @m_hahiro

ロースクール生の皆様へ⑮ 当時の司法試験考査委員の中心は,大塚(名大)・福田(一ツ橋)という「行為無価値論者」だったからである。大塚・福田の目には,「結果無価値論に基づく答案」は「基本ができていない」「でたらめ」と映る。都立大の前田がタツミで講義をしたのを聴いたとき,・・・

2013-03-10 07:28:45
羽廣政男 @m_hahiro

ロースクール生の皆様へ⑯ 都立大の前田がタツミで講義をしたのを聴いたとき,さっぱり意味が分からなかった。ここで,ある最高裁判所調査官の話に戻る。当時,彼は,東大卒の受験生であった。優秀であるものの,「刑法」が原因して,論文式試験に合格できなかった。ここでタツミの故近藤仁一先生が

2013-03-10 07:32:11
羽廣政男 @m_hahiro

ロースクール生の皆様へ⑰ ここでタツミの故近藤仁一先生が勝負に出た。中大真法会の神様向江と「喧嘩」した場合に匹敵する大勝負である。再現答案の無料公開講座を実施し,「刑法の採点基準がおかしいこと」を世間に明らかにした。素材となった答案が,ある最高裁判所調査官(現在)の答案である

2013-03-10 07:37:43
羽廣政男 @m_hahiro

羽廣政男‏@m_hahiro ロースクール生の皆様へ⑱ 壇上には,近藤先生の他,ある最高裁判所調査官(現在)もいた。結果無価値論に基づく刑法の答案が紹介された。内容的には優れたものであったが,評価はF(多分)であった。近藤先生が吠えた。「採点仕方がおかしい」と。

2013-03-10 07:41:17
羽廣政男 @m_hahiro

ロースクール生の皆様へ⑲ 近藤先生が吠えた。「採点の仕方がおかしい」と。加藤晋介も壇上にいたかも知れない。加藤晋介は,タツミで,結果無価値の立場から刑法を教えていた。近藤先生に対する援護射撃である。この無料公開講座の効果は大きかった。考査委員が変わった。

2013-03-10 07:46:48
羽廣政男 @m_hahiro

ロースクール生の皆様へ⑳ 考査委員が変わった。結果無価値論者が考査委員になった。考査委員は「引継ぎ」なので,これは「革命」である。具体的には,都立大前田・早大曽根・東大山口が考査委員となった。ここで,ある最高裁判所調査官の話に戻る。彼は,「時の判例」において,最決平成20年6月

2013-03-10 07:52:14
羽廣政男 @m_hahiro

羽廣政男‏@m_hahiro ロースクール生の皆様へ㉑ 彼は,「時の判例」において,最決平成20年6月25日を解説している人物では? 間違っていたら,訂正し謝罪する。同決定は,平成23年過去問の素材判例である。これは,大塚・福田の時代には「合格できなかった人物」が,現在・・・

2013-03-10 07:58:52
羽廣政男 @m_hahiro

ロースクール生の皆様へ㉒ これは,大塚・福田の時代には「合格できなかった人物」が,現在,「司法試験対策の中心自分」となっていることを意味する。いずれ,最高裁判所裁判官になるだろう。要するに,「どのような基準により,どのような考慮事情の下で,採点がなされているのか」

2013-03-10 08:02:53
羽廣政男 @m_hahiro

ロースクール生の皆様へ㉓ 要するに,「どのような基準により,どのような考慮事情の下で,採点がなされているのか」を明らかにすることが肝要であるということである。採点の判断枠組み(基準及び考慮事情)は,変化するからである。だから,「過去問」を「徹底的に研究」する。「予備校の新作問題」

2013-03-10 08:06:24
羽廣政男 @m_hahiro

ロースクール生の皆様へ㉔ だから,「過去問」を「徹底的に研究」する。「予備校の新作問題」ではない。しかし,残念なことがある。「ロースクールから予備校に対するオーダー」は,「答練の数が多いこと」である。この結果,受験生は有害な学習をすることになる。

2013-03-10 08:10:08
羽廣政男 @m_hahiro

ロースクール生の皆様へ㉕ 羽広がTACを3月で辞める理由は,「元受験生」として,受験生に対して,後ろめたいからである。「予備校の中」にいたのでは,言いにくい。「ロースクールでの学習に真摯に取り組めば合格できる」「予備校はロースクールの補習である」というのは中にいたら公言できない。

2013-03-10 08:17:17
羽廣政男 @m_hahiro

ロースクール生の皆様へ㉖ 舌足らずだったので,補足する。「ロースクールでの学習に真摯に取り組めば合格できる」というのは,「理念とおりであれば」という但し書付きである。「予備校はロースクールの補習である」というのは,当該ロースクールと同じテキストを用いるという意味である。

2013-03-11 05:36:00