1. 1990年 ICRP 勧告に 記載された 一般公衆の 被曝線量 限度 (許容量)、年間 100ミリレム (1ミリシーベルト) という 数値は 科学的検証に 耐えられるのか、少し 考えてみます。
2013-04-18 18:21:042. ICRP の この 数値は、放射線による 確定的影響が 積算で 100ミリシーベルトから 現れることを 根拠と しているようです。 そのため 100分の1に 制限すると (中川恵一氏)。
2013-04-18 18:26:223. 通常、核物質以外の 毒物の 摂取制限は 致死量の 1万分の1 以下に 抑えられています。 この 100分の1 という 数値は 特に 根拠がある ものでは ないという 疑いが 生じます。
2013-04-18 18:31:364. なぜなら 電離放射線には、極めて 短時間に DNA 二重らせんを 同時切断するという、他の 毒物には 見られない 性質を もっているからです。
2013-04-18 18:37:195. であれば、確定的影響の 現れる 100ミリシーベルトを、一般毒物の 致死量に 相当するとして、制限値を 1万分の1 に 引き下げる 措置は、社会医学の 見地からみて、正当だと 考えられるでしょう。
2013-04-18 18:50:267. 参考に いえば、1969年の ゴフマン・タムブリンによる 勧告を 受け入れ、米国原子力委員会では "発電用原子炉 周辺住民" の 年間被曝線量を 5ミリレム (0.05ミリシーベルト) とする 指針を 公表しています。(了)
2013-04-18 19:02:22追記 1. ドイツの 場合、"発電用原子炉 周辺住民" の 年間被曝線量は 9ミリレム (0.09ミリシーベルト) に 制限されています。
2013-04-20 19:22:00追記 2. この数値は 米国より 高く、そのためか、原子力発電所から 5キロ以内に 住む 5歳以下の 子どもたちには 白血病の 増加が 報告されています (2012年 ドイツ、英国、スイスでの 調査)。
2013-04-20 19:37:148. 地域住民の 視点から 考えてみましょう。 米国の "発電用原子炉 周辺住民" の 年間被曝線量 5ミリレム (0.05ミリシーベルト) は、胸部 X線診察のときの 透過線量と 同値です。
2013-04-21 11:04:229. 医師であれば、初期妊娠中の 女性に 腹部の レントゲン照射を 勧めることは まず ないですし、たとえ 求められても 未成年に 年間、20回 (100ミリレム) もの X線診察を 実施することには ためらいを 覚えるでしょう。
2013-04-21 11:14:0010. 放射線に 感受性の 高い 人々を まず 考慮に 入れることは、社会医学として 自明のことですし、リスク管理に 立脚して 考え出された 年間 100ミリレム (1ミリシーベルト) という 制限値が、安全を 保証するもので ないことは 明らかだと 考えます。
2013-04-21 11:28:11