いとうたけるさんの模試解説

いとうたけるさんの2013伊藤塾模試解説
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弁護士社長 伊藤たける|憲法マニア|法律事務所Z@寿司といえば富山! @itotakeru

【伊藤塾の全国模試】①事案の概要:保守派の県知事Yが、私立高校の卒業式において日の丸掲揚・君が代斉唱を指導したところ、自主性を重んじる私立高校Xはこれを拒否したことから、「その他教育条件又は管理運営が適性を欠く場合」に該当し、私学助成金約3.5億円を半額とする処分をした。

2013-04-10 18:15:25
弁護士社長 伊藤たける|憲法マニア|法律事務所Z@寿司といえば富山! @itotakeru

【伊藤塾の全国模試】②答案例は、26条の教育権、19条の思想・良心の自由で構成した、一見オーソドックスなもの。しかし、私学助成金ならば、国側から、当該義務付けは、89条の「公の支配」に含まれるとの反論が当然予測されるはず。あれ?見当たらないぞ笑。

2013-04-10 18:19:45
弁護士社長 伊藤たける|憲法マニア|法律事務所Z@寿司といえば富山! @itotakeru

【伊藤塾の全国模試】③本問では、ⅰ日の丸掲揚・君が代斉唱を義務付けていること、ⅱそれをもとに私学助成金の減額処分をしたことの2点が問題となる。この両者を区別して論じると、なるほど説得的。

2013-04-10 18:22:58
弁護士社長 伊藤たける|憲法マニア|法律事務所Z@寿司といえば富山! @itotakeru

【伊藤塾の全国模試】④19条については、日の丸・君が代に対して否定的な評価をする者の権利の援用をしているが、そのような学生が存在するか不明。それなら、わざわざ迂遠な立論をするまでもなく、建学の精神より、「一律に強制することに対する否定的な評価」という「心条」の制約であるとすべき。

2013-04-10 18:27:31
弁護士社長 伊藤たける|憲法マニア|法律事務所Z@寿司といえば富山! @itotakeru

【伊藤塾の全国模試】⑤26条は、しっかりと旭川学テを意識して、教育基本法16条「不当な支配」の解釈問題にすべき。ⅰ学校の教育権は子どもの学習権のためにあること、ⅱ日の丸掲揚・君が代斉唱が国の決めるべきインフラ的事項にあたらないこと、ⅲむしろ自由や独立を奪うことを書くのかな。

2013-04-10 18:44:52
弁護士社長 伊藤たける|憲法マニア|法律事務所Z@寿司といえば富山! @itotakeru

【伊藤塾の全国模試】⑦本件義務付けは、生徒の自主的な決定を否定し、生徒に対して補助金減額によるツケを授業料アップとして回す構造になる。これって、旭川学テ判決の「子どもが自由かつ独立の人格として成長すること」につながるのか、議論が必要だよね。

2013-04-11 08:21:46
弁護士社長 伊藤たける|憲法マニア|法律事務所Z@寿司といえば富山! @itotakeru

【伊藤塾の全国模試】⑧なぜ裁量論で論じるのか、なぜ通常の人権侵害論で論じることが難しいのか。その理由として、私学助成金では、ベースライン論を論じることができないから、とある。問題からは、私学助成金の受給率や基準がわからないため、論じることは難しいかもね。

2013-04-14 13:29:39
弁護士社長 伊藤たける|憲法マニア|法律事務所Z@寿司といえば富山! @itotakeru

【伊藤塾の全国模試】⑨しかし、忘れちゃダメなのは、本件は一部取消であること。客観的な制度としては、裁量論が妥当する範囲だとは思うけど、Xは、従前から助成金を受けていたのに取り消された。ここで、既得権侵害を主張して、審査密度を上げるか、乱暴に自由権としてしまうこともできよう。

2013-04-14 13:32:16
弁護士社長 伊藤たける|憲法マニア|法律事務所Z@寿司といえば富山! @itotakeru

【伊藤塾の全国模試】10 てか、裁量論か人権制約論か、どちらの判断手法を 採用するかは、そこまでこだわらなくていい。極論をいうと、判断手法や権利選択を間違えても、当該事案の問題点を説得的に論じられればいいんじゃないのかな。

2013-04-14 13:41:28
弁護士社長 伊藤たける|憲法マニア|法律事務所Z@寿司といえば富山! @itotakeru

【伊藤塾の全国模試】11 あれ?原告の主張の最後は「違法が認められる」って書いてあるけど、原告では違憲を主張した方がいいと思うな。だって、最高裁が違憲と言わないのは、憲法判断回避原則があるからと解されるけど、原告は憲法違反の主張をしないと、適法な上告理由にならないよ。

2013-04-14 13:58:14
しばいぬ @sshibainuu

@itotakeru では、質問させていただきます。制度と権利の棲み分けはどのようになされているのでしょうか?例えば、戸別訪問の事件は多数意見は21条、伊藤補足意見は制度の問題にしているように見えるのですが、その棲み分けに基準はあるのでしょうか?続きます

2013-04-13 08:07:53
弁護士社長 伊藤たける|憲法マニア|法律事務所Z@寿司といえば富山! @itotakeru

.@sshibainuu 権利と制度の棲み分けは、ガッツリ二分化するというイメージではないですね。伊藤補足意見は、権利についての審査の中で、当該権利の性質として、一定のルール上の権利といえると言っているにすぎません。

2013-04-13 10:25:12
弁護士社長 伊藤たける|憲法マニア|法律事務所Z@寿司といえば富山! @itotakeru

.@sshibainuu 制度の論理だと、保障は21条、制約態様は間接的と進んだ上で、憲法47条によるルール上の権利として立法裁量が働くため、審査基準が下がる、という感じだね。

2013-04-13 11:04:01
弁護士社長 伊藤たける|憲法マニア|法律事務所Z@寿司といえば富山! @itotakeru

.@sshibainuu 既に戸別訪問のところで解説した通り、僕は立法裁量の枠内で47条を持ち出す方が好きですね。しかし、判例の多数意見は、14条を制度の中の考慮要素と位置付けてるように読める。僕のように権利論から出発しても、立法裁量を考慮することは問題ないはず。

2013-04-13 11:07:40
弁護士社長 伊藤たける|憲法マニア|法律事務所Z@寿司といえば富山! @itotakeru

.@sshibainuu そのため、権利と制度でキッパリ二分化はできないよ、ということなんだよね。とりあえず、枠組み論でそこまで悩む必要はない。それより、なぜ戸別訪問規制が合憲か、なぜ学説は反対するのか、しっかり理解する方がよっぽど大切。

2013-04-13 11:10:32