- karitoshi2011
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25 緊急事態に陥った東京電力福島原発にたいして、冷却手段の確保と、管理用電源の供給が必須であることは東電本店も熟知していた。しかし、そのための機材をいわき市までは運んだが、そこから原発まで運ぶための人間と、原発で作業するための人間を、本店は確保できなかった。危険だからだ。
2013-04-19 21:37:2426 日本の原発では、重機の操作や配管の敷設などの実務の大半を、下請企業の作業員に行わせている。原発が緊急事態に陥り、家族も津波等の被害を受けたとなれば、下請企業の社員を命令で拘束することは困難だ。そんな作業は下請け契約に入っていない。日本の原発の、構造的な制度的欠陥だ。
2013-04-19 21:40:2327 東京電力が所有し管理する原子力発電所なのだから、他の場所の停電復旧の人員を削ってでも、原発の危機回避に注入すべき責任がある組織が日本国内にあるとしたら、東京電力だったろう。自衛隊も消防署も、原発の危機回避のための訓練は行っていないし、職務に入ってはいないのだから。
2013-04-19 21:44:5628 もうひとつ、東京電力福島原発から逃げてはいけない組織があった。原子力・安全保安院だ。しかし、実際には駐在員は原発から避難したし、保安院長は対策本部の首相官邸から逃亡した。どちらも3月11日の事だ。
2013-04-19 21:47:2029 つまり、全電力が喪失した時点で、東京電力の原発は、大事故を回避して収束する可能性がなくなってしまったのだ。回避に当たるべき人員が投入されなかったのだから。したがって、爆発までの責任は全面的に東京電力と、原子力安全・保安院、その構造を作った自民党と官僚たちにある。
2013-04-19 21:50:3830 爆発は防げなかった。この前後から、事故の責任とは別に住民の避難と防護に関する責任が問われるべきだろうと思う。爆発前の2キロ、3キロ、10キロ避難の判断自体は、それほど間違いだったとは思わない。
2013-04-19 21:53:4731 問題は、10キロまでの避難指示は計画の範囲内だったのに、自治体への連絡が問題は、10キロまでの避難指示は計画の範囲内だったのに、自治体への連絡ができなかったことだ。福島県沿岸部に10メートルを超える津波が来ることに関して、あまりにも無警戒だった。避難伝達手段がなかった。
2013-04-19 22:00:0832 10キロ圏内までの避難に関する問題としては、3キロから10キロまでの即時避難手段が事前に準備されていなかったことも問題だった。つまり、世界には他にない多数の原発を集中立地させる一方で、それに見合う避難の準備をしていなかったのだ。
2013-04-19 22:03:0033 東電福島第一原発1号機の爆発の後の責任は、3つに分けることができるだろう。第1に事故の収束。第2にさらに範囲が広がった住民の避難と防護。第3に事故の現状に関する連絡と広報と報道。
2013-04-19 22:05:3334 1号機爆発後の事故の収束は、1号機の事態の沈静化と、他の施設の状況悪化の抑止となるだろう。が、1号機の事態の沈静化に力が行き過ぎて、他の施設の状況悪化の抑止に手が回らなかったように見える。これは、東電本店の無能さとオフサイトセンターにいった人々の拙劣さに責任があると思う。
2013-04-19 22:08:2035 第2の住民のと防護に関して、だ。20キロ避難、30キロ屋内退避という指示は、現在から考えると不適切だったと思う。即時避難が可能な範囲が20キロだったとしても、屋内退避または自主避難の範囲を80キロまたは100キロにすべきだったのではないだろうか?原発事故だけを考えれば、だが
2013-04-19 22:10:5436 東電原発から30キロ以遠、100キロ圏内には、津波で大きな被害を受けた地域がある。この地域に「屋内退避」とか「自主避難」とか言っても、2011年3月12日夕方の段階では、まったく移動できない人が多数生存していた。救助を待ったまま屋外にいた人も多数いた。
2013-04-19 22:18:1037 さらに、1号機爆発後の放射性物質の拡散図を見ると、汚染は原発から北側の、沿岸地域を襲っている。同心円を避けて、汚染の危険が高いところに避難指示を出そうとすると、むしろ津波被害が深刻な場所に絶望的な情報を流すしかなくなる。この部分はもはや、「政治的な決断」の問題だろう。
2013-04-19 22:21:1038 避難指示に関して、一点だけ留意したいことがある。「政治決断」については、決断すべき人間に情報が届いているかどうかが問題になる。これまでの検証では、首相官に必要な情報が届いていなかったように思われる。とすると、情報を届けるべき組織と個人に責任が移る。東京電力と保安院だ。
2013-04-19 22:26:5339 住民の防護に関しては、別に触れるべきことがある。安定ヨウ素剤の服用に関する指示が、実質的に出されなかったことだ。まずは、安全委員会からの配布指示が出るのが遅すぎた。服用指示は不明瞭なものだった。さらに、福島県は配布と服用を市町村に禁じている。
2013-04-19 22:30:4340 配布と服用の指示発送が遅れたのは、当時のその部門の責任者、山下俊一氏の責任だろう。福島県内の禁止通達の責任者は誰で、どのような発想によるものだったのか、不明だ。福島県はその後、自治体の判断でヨウ素剤を配布した自治体を叱責している。この決定に関しても、責任が問われる。
2013-04-19 22:33:5141 3番目の、広報と報道に関しては、ある程度責任の所在がはっきりしている。枝野官房長官による会見では「放射性物質の漏出がないことが確認されている」という内容は、全面的に虚偽だ。「確認されていない」ならばまだ酌量の余地があるかもしれないが、この表現は完全に「政治の責任」だ。
2013-04-19 22:36:4142 報道に関しては、まったく駄目、である。大手メディアで責任を免れるのは一つもないだろう。元NHKの堀氏が言うように、放射性物質の拡散を知りながら、虚偽の報道をしていたのだ。もちろん、そのメディアに出ていた「科学者」や「専門家」も、今後全く信用に値しない。
2013-04-19 22:39:3043 メディアと同様、SNSやブログを使ってメルトダウンを否定してた、日本全国の物理系の「科学者」や「専門家」も、当時のことを説明し謝罪しない限りは、同様に信頼に値しない。知らぬ振りで住民の内部被曝を測定しようが、「対話」イベントに出てこようが、聞くべきものは何もない。
2013-04-19 22:42:1444 また、1号機爆発後に社員を避難させた報道機関(全メディア、距離に差はあるが横並びだった)に関しては、国民や世界に対する報道の責任を放棄したことに関する責任が累加される。福島県の一部の沿岸自治体では、住民への避難指示がないのに報道が不在になった事への釈明は朝日新聞だけがした。
2013-04-19 22:47:5245 2011年3月14日の3号機爆発、15日早朝の4号機の爆発を経て、15日以後の責任は、全国的には政府官邸の問題を追加しなければならない。東電本社に乗り込んだ政府は、それ以前よりも詳しい情報を得ることができるようになった。汚染の深刻化が進んだのに、国民への警告は変化なしだ。
2013-04-19 22:51:2346 特に、飲食物に関する警告、放射性降下物に関する警告、農作業への警告が、完全に不足したものになった。政治家や官邸に助言をするスタッフ(首相官邸原子力災害専門家グループ http://t.co/KeopgxPZ7o )の質の悪さがあったとしても、免罪できるものではない。
2013-04-19 22:58:4747 なお、首相官邸への助言スタッフには、低線量WGで悪名を馳せた長滝重信氏、福島県内の活動で悪評をとどろかせた山下俊一氏らも入っている。「専門家」が事態を悪化させることが、今回の原発事故でも繰り返されている日本の問題だろう。
2013-04-19 23:01:2148 福島県内の住民避難と放射性物質防護に関しては、2011年3月15日以後、福島県知事と県庁が、非常に悪質な言動を繰り返していることを指摘しておく。住民の県外避難援助を打診した首相の言葉を拒絶し、汚染がもっとも深刻な16日に県立高校の合格発表を強行し、住民の不安を否定している。
2013-04-19 23:04:2949 2011年3月下旬から、福島県は農作業の再開を容認している。一部の農業従事者が先走ったとの情報もあるが、福島県はその行動を否定せず、30キロ圏外の田畑を耕すことを、全て認めてしまった。この時から農業は「自己責任」にされてしまった。汚染が不安で農作業をしない人もいたのだが。
2013-04-19 23:07:50