茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第916回「アロハシャツが、日本の着物から出来たという世界観」
- toshihiro36
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ただ今、午後4時27分です。滞在中のハワイ州ホノルルから、連続ツイート916回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、ハワイに来て思ったこと。
2013-04-21 11:28:08あに(1)ハワイに来る前に、G1サミットの会食で、赤坂浅田さんで踊りを拝見していた。日本の伝統的な美意識に基づくみごとな表現に、隣にいた徳岡邦夫さんも、少し離れて座っていらした遠山正道さんも、大いにご満悦。私も、はあ、きれいなものだな、とため息の春の雨。
2013-04-21 11:30:32あに(2)羽田からの深夜便でホノルルに着くと、もうそこはハワイな開放感である。ホノルル・ファウンデーションのお招きで来た今回のハワイ。ダイヤモンドヘッドのふもとの海岸で、サーファーが波乗りしている様子を見ていると、昨日までいた東京の雨しとしとが遠い世界に思えてきた。
2013-04-21 11:31:46あに(3)日本語のラジオ放送として50年の歴史があるというKZOO(AM1210)のインタビューを、二宮みささんに受けた。本日の18時からの「サンセットグリーンフラッシュ」内で放送されるという。いろいろなことをお話しているうちに、ハワイの文化をどう思うか、みたいなテーマになった。
2013-04-21 11:33:31あに(4)それで、ぼくは、ハワイはいつも流れの中にあるように感じると言った。ホノルルファンデーションのHiroko Dewitzさんも言っていたように、いつも偏西風が吹いている。文化的にも、影響の十字路、混ざっている状態が、ハワイに来るといつも心地良い。
2013-04-21 11:34:38あに(5)例えば、今やハワイを代表する服装であるアロハシャツもそうである。日系移民の方々が、着物の生地をつかってつくったと言われている。いつの間にか、その起源を離れて、今やみんながカジュアルにもフォーマルにも、アロハシャツの着こなしを楽しんでいる。
2013-04-21 11:35:46あに(6)エルビス・プレスリーの「ブルー・ハワイ」のあの感じだってそうだし、Keola BeamerのHonolulu City Lights(私が3月までやっていたニッポン放送番組のエンディング音楽)だってそう。ハワイのクオリアは、いろいろな影響のミックスとして生まれている。
2013-04-21 11:38:32あに(7)アロハシャツが、日本の着物から出来たという世界観を持ち続けることが大切なのだと思う。ハワイは移民の島だというが、それを言うなら私たちはみな移民だ。アフリカで祖先が誕生して、ずっと移動してきた。マサイの人たちは、自分たちは、まだ移動中だと思っているそうだ。
2013-04-21 11:39:32あに(8)つねに風の中にあること、移動中であることを忘れると、私たちは大文字の言葉を立てたくなる。しかし、それは排外主義の危険に到るし、そもそも成長が止まってしまう。固有の文化だと思っていても、それは交流の中でできた一つの日だまり、吹きだまりのようなものであることが多い。
2013-04-21 11:40:45あに(9)飛行機の中で眠れなかったし、この連続ツイートが終わったら、ダイヤモンドヘッドが見えるぼくの部屋で、夕食までしばらく眠ろうと思う。眠りながら、風の中に自分がいることを感じる。常に移ろいゆくことを夢見る。大文字の言葉は、たとえそれが「私」でも、安易に立てちゃだめだ。
2013-04-21 11:41:48