茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第917回「日本人が英語をしゃべれないのは、ややこしいことを内面に抱えているからかもしれない」
- toshihiro36
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ただ今、午前6時11分です。滞在中のハワイ州ホノルルから、連続ツイート917回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、昨日ふと思ったこと。
2013-04-22 01:12:34にや(1)アインシュタインの言葉の発達が遅かったというのは有名な話である。慧塾のエントリーでも引用したように(http://t.co/dORPsnw9R4)、他人に何かをいう時には、まず自分に言ってみて確かめてから、改めて話していたという。
2013-04-22 01:15:19にや(2)アインシュタインはなぜ口べただったのか。今更、残された脳を調べてもわからないだろうし、これという理論があるわけでもない。ただ、一般的に言えるのは、「口べた」ということは、必ずしもその人の知性が低いことを意味するのではないということである。アインシュタインは天才だ!
2013-04-22 01:17:01にや(3)むしろ、いろいろなことを考えてしまう人が、口べたになってしまうということがある。シェークスピアのように、知性に裏付けられた饒舌ももちろんあるけれども、普通の人が考えないややこしいことを考えているからこそ、どう表現したらいいかわからなくて、口べたになってしまうのだ。
2013-04-22 01:18:08にや(4)相手や、世間一般で共有されている感覚、知識と、自分の中にあるものが違っている時にも、人は口べたになることがある。思春期にはよくありがちなこととも言えるだろう。自分が持っているものを相手に差し出したいのだが、どこから説明したらいいかわからない。だから、口ごもってしまう。
2013-04-22 01:19:30にや(5)なぜ、このようなことを書いているかというと、昨日、ホノルルについて、夕刻、ホテルのレストランに食事に言って、現地の人とやりとりをしていたとき、ふと、日本人が英語をしゃべれないのは、ややこしいことを内面に抱えているからかもしれない、と思ったからだ。
2013-04-22 01:20:28にや(6)もともと、日本の社会、文化のあり方は他の地域とはかなり違う。サミュエル・ハンティントンの『文明の衝突』(1998年)は、日本を世界七大文明の一つとした。もともとの感性が異なるとき、ある局面において自分が感じていることを表現しようとすると、どうしてもややこしくなる。
2013-04-22 01:23:28にや(7)英語をぺらぺらしゃべることができる秘訣は、シンプルなこと。Nice! Fantastic! It's awesome! なんて言っていれば、立て板に水でしゃべることができる。ところが、自分が感じている、相手のバックグランドとは異なることを伝えようとすると、ややこしい。
2013-04-22 01:25:18にや(8)例えば、メニューというのは自分で選ぶのが常識だと思っている相手に、日本にはおまかせというのがあるんだ、と説明しようとすると、ややこしい。その背景にある日本の伝統、思いを説明しようとなどすると、もう面倒くさい。Great choice! なんて叫んでいる方が簡単だ。
2013-04-22 01:26:31にや(9)言語コミュニケーションには、「ややこしさの谷」のようなものがあって、日本人が英語をしゃべる時にはそれが障害になっているように思う。英語をぺらぺらしゃべろうとしたら、頭を単純にしてシンプルに話すしかない。ややこしいことは、それなりの上級者になってから伝えるしかないだろう。
2013-04-22 01:28:09以上、連続ツイート917回「日本人が英語をしゃべれないのは、ややこしいことを内面に抱えているからかもしれない」でした。
2013-04-22 01:28:42