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夢乃
@iamdreamers
後に人間と呼ばれることになるその生命体は、動物の一種だった。けれど、他の動物と異なり、他の動物を攻撃する鋭い牙や爪のような武器も持たず、世界の危険や他の生物から身を隠す有効な手段も持っているようには見えなかった。
2013-04-29 09:25:47
夢乃
@iamdreamers
けれど、人間は他の生物が持っていない武器、智慧を持っていた。彼らは智慧を使って自らの身を守り、他の生物を攻撃した。智慧は、攻防一体の武具だった。
2013-04-29 09:26:10
夢乃
@iamdreamers
牙や爪といった目に見える武器には自ずと限界があった。けれど、智慧には限界がなかった。どんな強力な武器を持った生物を相手にしても、最初は敗れたとしても、いつかは相手を打ち倒した。
2013-04-29 09:26:28
夢乃
@iamdreamers
生物の持つ武器は、他の敵対生物に向けられていた。けれど、他の生物すべてを打ち倒すまでに進化した智慧は、もはや敵がいなくなったにも関わらず、その歩みを止めることはなかった。
2013-04-29 09:26:47
夢乃
@iamdreamers
他の動物に攻撃を受けたときには、人間は自分の持っている武器、智慧に救いを求めた。けれど、その智慧が自身に向けられたとき、智慧は救けてくれなかった。
2013-04-29 09:27:25
夢乃
@iamdreamers
産み出された神々は、人間の要求に応じて人間たちを救った。と同時に、智慧を持った人間を凌駕する存在として創られた神々はやがて傲慢になり、人間に罰を与えることも始めた。
2013-04-29 09:29:10
夢乃
@iamdreamers
人間が滅亡したとき、人間の智慧がこの世界から消えたとき、人間の智慧から産まれた神々もまた消えるだろう。それを忘れた今、神々に未来はない。我々は全能でありながら、人間の智慧に支えられているだけの、儚い存在なのだから。
2013-04-29 09:30:25