「ショウダウン・イン・キンダチ・ストリート」 ――『ニンジャスレイヤー』二次創作小説
- USAGI_koTENGU
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「ウォーッ!」巨漢の絶叫とともにバズソー鎖の形状が変化!おお!おお!ゴウランガ!それは雄大なフジ・サンを思わせる形!そして一瞬で形状変化したバズソー鎖は鎖分銅の巻きつき運動に変化をもたらし!必殺のカマの軌道を変え! 140
2013-05-03 18:10:19「ゼツ!メツ!」巨漢のシャウト!送り込まれたカラテがバズソー鎖を高速振動!ダンスマカブルのカマ付き鎖分銅をちぎりとばした!「俺は!」舞い散る鎖の破片を浴びながら巨漢が吠えた!「俺は!」その声をダンスマカブルは無防備な空中回転中に聞いた!「俺は!」 141
2013-05-03 18:12:05ギャリギャリギャリ!カラテを注ぎ込まれたバズソーが高速回転!ダンスマカブルの腰から下を切り飛ばし、反動で前にのめったダンスマカブルの体を頭からヘソまで真っ二つにした!「サヨ!」「ナラ!」左右にわかれたダンスマカブルの口がそれぞれ絶叫!一瞬遅れて三分割された体が爆発四散! 143
2013-05-03 18:16:27少女……ルリ・イシバシの視界になにかが転がり込んできた。それは薄汚れたウェスタンハットであった。ルリは祖父の背後から進み出て、それを拾った……その視界を巨大な影が覆った。 147
2013-05-03 18:23:03ルリは顔を上げた。それは血まみれの巨漢であった。ルリは手の中のものを巨漢に返そうと差し出し……二人の目が合い……そして、ルリは気づいた。だから……手の中のハットを胸に抱きしめた。 148
2013-05-03 18:25:14「だめだ」背後で祖父の声がした。「それはその人にお返しするんじゃ」「でも」「この方は約束を守ってくださった……それはお前も見たじゃろう」「……」ルリは先程のイクサの最後に、巨漢が見せたアヤトリを思い出した。そして……頷いた。 149
2013-05-03 18:27:22ルリの差し出すウェスタンハットを巨漢が受け取る。「……できたね、フジ・サン」ルリはようやく言った。「……ああ」巨漢は答えて、醜く爆ぜた頭にウェスタンハットをかぶり直した。「ありがとう……」祖父が言葉をつまらせた。「世話ンなッたな」巨漢はそう言って背を向けた。 150
2013-05-03 18:29:43ルリが、ついに堪えきれなくなり、目を閉じた一瞬……その背中は消えていた。あとには、ルリの頬の涙だけが残った。 151
2013-05-03 18:33:00●原作● ブラッドレー・ボンド&フィリップ・ニンジャ・モーゼズ『ニンジャスレイヤー』(@NJSLYR /http://t.co/KZy7dcaA /エンターブレイン)
2013-05-03 18:35:23●参考文献● 『用心棒』(黒澤明、監督/三船敏郎、主演) 『荒野の用心棒』(セルジオ・レオーネ、監督/クリント・イーストウッド、主演) 『ブラック・ローゼス』(ナンシー・A・コリンズ/ハヤカワ文庫FT)
2013-05-03 18:36:11