藤堂志摩子さんによる私流「近年3DダンジョンRPGが何故復活したのか」もしくは「ウィザードリィを中心としたオレ流3DダンジョンRPG史」

西住エリカ @eternalsisters

何となく急に近年3DダンジョンRPGが何故復活したのかを少し語りたくなったのだわ。

西住エリカ @eternalsisters

実はコレ。ずいぶん前に書いてすっかり忘れて放置してたんだが、何故放置したのかというと、書いてる内にオレ流3DダンジョンRPG史みたいになってきたから（苦笑 なお、話題の中でPCの3DダンジョンRPGに関しては、私のプレイ経験がほとんどないという理由で、あえてコンシューマのみ。

西住エリカ @eternalsisters

3DダンジョンRPGというと、大抵のゲーマーは「ウィザードリィ」を連想するでしょう。私もそう。故に、このジャンルでイメージされるのは、白黒でシンプルなインターフェイスと線の迷宮という人も多いはずだ。シンプルでストイックなゲームシステム。それが、このゲームの魅力。

西住エリカ @eternalsisters

しかし、「ウィザードリィ」は、シンプルで完成されたゲームであるが故に、あれこれ加えることを好まないファンが多い。特に拒否感が強いのは、プレイヤーにキャラクター性を持ち出されることだ。

西住エリカ @eternalsisters

もちろん、キャラクター性を前面に出した3DダンジョンRPGはある。「女神転生」「ファンタシースター」「シャイニング＆ザ・ダクネス」など。でも、続いているは「女神転生」シリーズだけだ。そもそも3DダンジョンRPGは、ゲームとして敷居が高いから。

西住エリカ @eternalsisters

「ウィザードリィ」は、地味な上に難しい3DダンジョンRPGなのだから、あえてキャラクター性を打ち出したら新規層に売れるんじゃね？でも、そうはならない。ならなかった。PC版やFC版をプレイしている、かなり手堅い保守派のファン層がいるからだ。

西住エリカ @eternalsisters

「ウィザードリィ」においてキャラクターとは、プレイヤーが想像し、創り出すもの。想像力が大事なんだよ！この認識が、長年和製「ウィザードリィ」ファンと開発者を呪縛してきたと言っても過言ではない。

西住エリカ @eternalsisters

その一方で本家「ウィザードリィ」は、6作目「Bane of the Cosmic Forge」と7作目「Crusaders of the Dark Savant」で、プレイヤーに初のキャラクターアイコンを採用した。日本でも発売され、SFC版も出たが、正直、認知度は低い。

西住エリカ @eternalsisters

試しに今「ウィザードリィ」をプレイしてる人に聞いてみるといい。「BCFとCDSプレイしたことある？」って。名前くらいは聞いたことあっても、実際にプレイした人は少ないはずだ。プレイしていたら、その人は真のウィザードリィファンを名乗って良い。

西住エリカ @eternalsisters

「新ウィザードリィ BCF」は、黒歴史と言えるほど酷いものでは決してない。むしろ3DダンジョンRPGとしての完成度は高い。でも残念ながら、日本における本家「ウィザードリィ」の歴史は、そこで実質的に終わってしまった。その頃、日本の「ウィザードリィ」独自の進化を遂げていたからだ。

西住エリカ @eternalsisters

「新ウィザードリィ BCF」の発売とだいたい時を同じくして、日本ではGB版の「ウィザードリィ外伝」が発売する。「ウィザードリィ V」と「ウィザードリィ III」を足して2で割り、携帯機向けに遊びやすくカスタマイズした作品だ。

西住エリカ @eternalsisters

「ウィザードリィ外伝」は、表ダンジョンの他にラスボスと同等（あるいはそれ以上）の強さを持つ敵がごろごろ出てくる裏ダンジョンを用意してある。「ウィザードリィ」プレイヤーによくある、とにかくレベルを上げまくるという要求に答えたので、いわゆるやりこみ要素が非常に高い。

西住エリカ @eternalsisters

「ウィザードリィ外伝」が示した和製ウィザードリィの方向性は、その後「ウィザードリィ ディンギル」や「ウィザードリィ エンパイア 古の王女」などに受け継がれる。異常なまでに強い敵のいる裏ダンジョンの存在が、コレがまた、「ウィザードリィ」というゲームをおかしな方向にしてしまうのだ。

西住エリカ @eternalsisters

2000年にPSからキャラクターアイコンを用いた「ウィザードリィ エンパイア 古の王女」が発売された。しかし、結局オプションで旧来のインターフェイスに切り替えができる。それ以前に、そもそもゲームバランスがおかしいし、パワーインフレもすごいので、一部の好事家しかウケ無かった。

西住エリカ @eternalsisters

そんな時、2005年に「ウィザードリィ エクス ～前線の学府～」が発売された。「ウィザードリィ」シリーズとしては、初めてキャラクター性を押しだし、しかもファンタジー学園ものである。今だったら、「ラノベかよっ！」と言われること間違いなしのストーリーである。

西住エリカ @eternalsisters

当時の時代に合わせた「ウィザードリィ」のあり方を提示した「ウィザードリィ エクス」。3DダンジョンRPGへの熱意と誠意は、「ウィザードリィ エクス2 無限の学徒」の発売へ繋がり、その開発秘話がファンの共感を呼んだ。

西住エリカ @eternalsisters

その2年後の2007年。アトラスから「世界樹の迷宮」が発売。これも「ウィザードリィ」のテイストを継承しつつ、プレイヤーキャラクターにグラフィックを用いることで、新たな3DダンジョンRPGプレイヤーの獲得に成功した。これが、後の3DダンジョンRPGのあり方を変える切っ掛けになる。

西住エリカ @eternalsisters

そして、2008年に「ウィザードリィ エクス2」をソースコードごと丸パクリした「剣と魔法と学園モノ。」が発売。当然、批判を相当浴びたが、シリーズ4作出るほどの支持を得る。図らずも「ウィザードリィ エクス」が目指していた方向性が正しかったことを図らずも証明した。

西住エリカ @eternalsisters

一方で、古き良き「ウィザードリィ」のテイストを継承している「エルミナージュ」シリーズが好評を得る。……が、最新作の「エルミナージュ異聞 アメノミハシラ」がコレ→ http://t.co/xR3Zky0m0M なので、「どうしてこうなった」のか推して知るべしだろう。

西住エリカ @eternalsisters

またPS3のダウンロード専用ソフトとして、従来の「ウィザードリィ」を正統に継承した「ウィザードリィ 囚われし魂の迷宮」が2009年に発売。こちらでは、既にプレイヤーにキャラクターグラフィックがあるという前提で、ストーリーやイベントが作られている。

西住エリカ @eternalsisters

「ウィザードリィ エクス」の開発スタッフ、チームムラマサが独立して作った会社エクスペリエンスが、PCの「GENERATION XTH」を経て、2011年に家庭用として「円卓の生徒」「迷宮クロスブラッド リローデッド」を発売。

西住エリカ @eternalsisters

後はもう怒濤の勢い。「ラビリンスの彼方」「ダンジョントラベラーズ」「アンチェイン ブレイズ」「ロストヒーローズ」など。この頃になると、もうキャラクターもの3DダンジョンRPGは、様々なゲームファンにも一定の評価がされたと考えていい。もはやこれが「普通」なのである。

西住エリカ @eternalsisters

そもそも3DダンジョンRPGは、「ウィザードリィ」「女神転生」ファンを中心としたそのジャンルの固定ファン層がいて、言い方悪いけど、手堅いゲームジャンルだった。キャラクターもの3DダンジョンRPGは、そんな固定化されたジャンルに多様性を生み出した。この面白さに今やっと気づいたのだ。

西住エリカ @eternalsisters

私は、3DダンジョンRPGのオートマッピング容認派だよ。いちいち方眼紙でマッピングなんてアホらしくてやってられるか。かつて、その面倒くささを経験してるからこそ、オートマッピングの便利さに感動してるんだよ。ちなみに、オートマッピングでも罠を踏み越えマップを全部埋める派。

西住エリカ @eternalsisters

言い忘れた。「世界樹の迷宮」でもオートマッピングは当然ONだよ。