【漫画に関するイイ話】 「モーニング」島田編集長と「宇宙兄弟」担当編集さんの日々の発言のまとめ
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「面白い」ってつくづくむつかしいと思う。ある雑誌で編集長も担当も「面白いね」と言ったとしても、編集長氏が感じてる面白いの度合いと担当氏が感じてる面白いの度合いが同じとは限らないでしょ? というか、普通は違うはず。
2010-10-27 18:44:33![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
それどころか担当氏が「すごく面白いです!!」と大絶賛していて、編集長は「つまらない」という反応だったとしても、実は編集長の方が担当氏より「面白い」と思っていることすらある。
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編集長がウソをついてるわけではなく、編集長と担当の間でハードルの高さが違うということなんです。もちろん担当のが編集長よりハードルが高いこともあるでしょう。
2010-10-27 18:44:56![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
誰が見たって歴然とつまらないものならしょうがないけど、少なくとも賞をとるような新人さんのネームなら、そこまでのものってあんまりない。となると、どこからを「面白い」として認めるかのハードルの設定の問題になってくる。
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常に高いハードルを押し付けるのも良し悪しではあります。こないだから言ってるとおり、まずは自信を持つことは大事だし。ケース バイ ケースでしょう。でも自分のなかにあるほんとのハードルは高いほうがいいと思います。
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それも2メートルとか3メートルとかじゃなくて、10メートルくらい。人間には飛べっこないってくらいの高さに設定して、それを本気で飛ぶつもりでやんないと。なんでかっていうと、それくらい高く設定しておかないといつの間にかどんどん下がっちゃうからです。
2010-10-27 18:45:28![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ある作家さんが「ハードルを1センチ下げると、もとに戻すのに10倍苦労する」と言ってたのを思い出します。その方は「毎回、一コマは自分にとって描きづらい絵を描くことを自分に課している」とも言ってました。
2010-10-27 18:45:39![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
作家さんのにとっての内なるハードルがどういうもので、作家自身が日常生活のなかでそれとどう付き合うべきものかは正直編集者にはわかりません。ただ編集者に関して言えば、自分の中のハードルが低い奴はつくづくダメだと思う。
2010-10-27 18:46:04![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ハードルの設定の仕方次第で、どんな作品も「面白い」と思うことは可能だけど、逆に「まだ足りない」って思うことも可能なわけです。……まあ、そこの按配は非常にむつかしくはありますが…。
2010-10-27 18:46:16![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
こころの中にあるのはうんと高いハードルでも、とりあえずは着実に飛べるとこから飛ぶしかない。それはその人のその時点の能力に合わせてです。だから編集者がやけに高い要求してきたら、それは自分の才能を買ってくれてる証拠です。多分。MANGA OPEN次回は11月30日締め!
2010-10-27 18:46:26![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
命令が・・!!(汗)@asashima1 やるべし。 編集長命令。RT @kazumiyamashita: 虚弱体質仲間のモーニングの担当Kさんに「体質改善にバレエでも習ってみるかねえ〜」と言ったら「山下さんが漫画描くなら僕もバレエやりますよ!」
2010-10-28 11:53:13![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
携帯電話がペースメーカーに影響を与えるというのは誤解なのですが、それを元にできた「優先席では携帯の電源を切りましょう」というルールは残っています。明らかにおかしいルールでも、一度できたルールは簡単には変わらない、というエピソードが『エンゼルバンク』にあります。
2010-10-28 12:25:39![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ルールは作るよりも、変えるほうが大変です。みんなおかしいと分かりながらルールを守ってるとき、「おかしいなら変えればいいじゃん」と言うと、バカにしたつもりはなくても、守ってる人々はバカにされた気分になり、反発するからです。
2010-10-28 12:28:51![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「裸の王様」は、大人の目は曇っていて、子供の目は真実を射抜くという話ではありません。大人の世界とは、真実を言い出すと生き難くなるから、誰も言わないんだよって、話だったりします。
2010-10-28 12:56:46![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
たいていの会社に変なルールが存在するように、講談社にもそんなルールが存在します。変えたほうがいいよね、とみんな言いながら、変えないルール。そういうルールを変えようと動き出すと、とてつもなく疲弊します。まるで「キャッチ22」のヨッサリアンになった気分です。
2010-10-28 13:00:12![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
昨晩の会合は、そんな疲弊をぶっ飛ばしてくれるものでした。先方が、新しい企画への夢と情熱を語ってくれて、萎えかけていた僕の気持ちもムクムクとまた湧き出してきました。うれしいのは、先方が、その 夢を持ち始めたきっかけが「宇宙兄弟」だったということです。
2010-10-28 13:04:27![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
誰だって現実にできるものは常にある程度の妥協の産物です。問題はそれを「まあ、こんなもんさ」と認めてしまうか、それとも心のなかで「こんなもんで満足してたまるか!!!」って思うかってことです。
2010-10-28 13:05:00![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
宇宙兄弟が誰かに元気を与えて、その元気が今度は僕らに元気をくれて。その繰り返しで、お互いを刺激しあって、高みへと昇っていけた最高ですね。昨日、話し合った夢は、ここで語ると覚めてしまう夢なので、現実になってからお伝えします。
2010-10-28 13:10:27![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
時代を変えるのは、技術革新かもしれません。しかし、時代が変わる前に、空気が先に変わります。空気を変えることができるのが、フィクションだけだと信じているから、この仕事をがんばれます。昨晩話した夢を実現できると、空気を変えれる予感があります。
2010-10-28 13:16:03![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
面白いモノマネは、どうやって生まれるのか? 本人が言ってないのだけど、言いそうなことを見つけたときです。清水ミチコさんが綾戸智恵さんのモノマネをするとき、「なんかちょーだい!」と言いながらマネをします。その台詞は、いかにも綾戸さんが言いそうです。
2010-10-28 17:31:24![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
面白いインタビューの文章は、どうやったら書けるのか?インタビューの時間は、30分から1時間。その間に、相手の気持ちがうまくほぐれず、特徴的な言葉を聞き出せないときがあります。それでも、過去の著作物や感じ取った雰囲気から、いかにも相手が言いそうな特徴的な言葉を文章に足す。
2010-10-28 18:10:09