1945年の終戦時、最初に進駐軍が上陸した鹿児島県鹿屋の話

ultraviolet @raurublock

1945年の終戦時、最初に進駐軍が上陸した鹿児島県鹿屋の話をしよう。進駐軍による強姦事件は各地で頻発したが、鹿屋は例外的に少なかった。一つには当時鹿屋市長で進駐軍との交渉を一手に引き受けた永田良吉の外交手腕があったと言われるが、それだけでもない気配がある

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ここからは文書の記録が無く、鹿屋の70歳以上の老人複数から直接聞いた話。鹿屋では、良家の娘が選ばれ、進駐軍高級将校の宿舎に「メイドさん」として送り込まれた。彼女達が具体的に何をしたかは語られなかったが、少なからぬメイドさんは進駐軍撤収時に将校と一緒に渡米し一生を送ったとのこと

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想像で言うが、メイドさんが良家の娘から選ばれたというのは、いろんな意味で封建的な価値観ではあるが「ノブレス・オブリージュ」だったのかもしれん。「貞操の防波堤」を無産階級女性に金で担わせた特殊慰安施設協会その他とは、目指すところは同じだったのかもしれないが、だいぶアプローチが違うな

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鹿屋にまつわるエピソードは他にも。いわゆる慰安施設の第一号は当時鹿児島県警部長だった坂信弥が鹿屋の海軍航空基地に(軍でなく警察として)設置したもの。終戦直後、近衛文麿が坂(警視総監)に「日本の娘の純潔を守ってくれ」と命じたとき、坂は「鹿屋方式で行く」と言って特殊慰安施設協会を設立

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ドウス昌代著「敗者の贈り物」では、坂が鹿屋に慰安施設を作って娼妓を集めるにあたって、各宗派の寺を集めて住職たちに協力を求めた、と書かれているが、当時の寺が娼妓とそんなにコネがあったのかというのは正直よくわからない。結局集まらなかったので、いわゆる女衒業者に依頼したとのことだが

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ちなみに終戦直後の特殊慰安施設協会設立については、娼妓調達についての具体的指示が内務省警保局長通牒という形で出た、という記録が各地の県警に多数残っているが、公文書である通牒そのものは内務省廃止の際に「引き継いでいない」ので現存していないとのこと(警察庁の国会答弁によれば)

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この内務省警保局長通牒、特に新たにバレてマズいことが書いてあるわけでなく(県警記録で全部バレてるし)、「国会答弁がめんどくなるので紛失したことにしよう」という官僚ロジックなんじゃないかと睨んでる。そういうのが積もり積もって結局国益を損ねてるんじゃないかと