ミステリ評論家 巽昌章氏による『横溝正史研究4』評
巽昌章氏(@kumonoaruji)の『横溝正史研究4』についてのツイート。
自分にとってためになる部分が多く、繰り返し読むためにまとめたもので、ほぼ個人の参考用です。
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巽昌章
@kumonoaruji
それに、細かいことだが、『緑衣の鬼』で「南方熊楠を主人公のモデルにし、柳田や折口にあたる人物も登場する」というのは不正確である。南方をモデルにした人物は出てくるが主人公とは言えないし、柳田と折口は名前を借りているだけでキャラクターに彼らの個性が反映されているわけではない。
2013-02-26 22:02:55
巽昌章
@kumonoaruji
ところで、むかし創元版『緑衣の鬼』の解説を書いたとき、私は、登場人物に南方、折口、柳田を思わせる人物が出てくることを指摘したうえ、この小説に出てくるホテルが実際に乱歩の逃避先だったホテルをふまえていること、男色研究の友人岩田準一がこのホテルに乱歩を訪ねていたこと、
2013-02-26 22:06:51
巽昌章
@kumonoaruji
岩田が南方と文通していたことを挙げて、『緑衣の鬼』には乱歩と岩田の交友、それを通じての日本民俗学との接触が反映されているのではないかと論じた。いつもの不精で、先行文献を調べることなく書いてしまったのだが、中沢論文は、ほとんど同じことを書いていて、やはり出典は挙げていない。
2013-02-26 22:10:38
巽昌章
@kumonoaruji
横溝研究の創刊号を出してきて「観てから読む横溝正史」の1回目を読みなおしたが、全く企画の趣旨説明などなしに始まってたので面食らった。どうやら、「見る前には読まない」という厳密なルールを定めていたわけではなさそうだ。1回目はそこそこ共同討議になっていて、今回よりかなりましだった。
2013-02-27 09:55:55