@marine_yamada やまだ先生、いつも楽しく読ませて頂いております。野性の眼差しを持つ栗山殿にドキっとしつつ、わく姫のワガママっぽさにも胸キュンです!連載頑張って下さい!
2013-05-10 22:47:57@whoelse1999 これ、最初にネタをふってきたフォロワーさんがいて、私が勝手に広げてるだけなんです(笑)。
2013-05-10 22:53:28『素浪人 小野寺力』第2話
銀仁朗「姫が旅をされたいと申されましたゆえにはるばる薩摩までやってきたと申すのに、あいかわらず食っちゃ寝食っちゃ寝…」涌井「お黙り、銀。ボンタン飴を分けてやらぬぞ?」銀「いりませぬ!殿、殿からもお叱りを…」久信公「ふむ、もぐもぐもぐ…」銀「落雁を口いっぱいに頬張ってる場合では!」
2013-05-12 20:27:13栗山「わく姫は薩摩の旅より戻られ、江戸に出向かれることと相成った」小野寺「江戸か…」栗山「そなた、かつて脱藩をして江戸におったそうだな。わけを聞かせてくれぬか」小野寺「詳しくは言えぬが、国元で火盗をな…。ま、おかげで傘張りも板についたわ。はあ~、踊り踊るな~ら」栗山「…もうよい」
2013-05-14 00:59:21久信公「おお、江戸に入ったか。懐かしいのう」銀仁朗「殿、江戸が懐かしいとは?」久信公「そうか、お前は知らぬか。かつてわしは所沢を離れ、江戸の傘張りを商う燕屋で丁稚奉公もしておっての…」涌井「銀!銀や!町娘たちが『くれいぷ』なる西洋の甘味の噂をしておったぞ!早う持て!」銀「姫…」
2013-05-14 01:11:57銀仁朗「どーせまた姫様が食べたいって言い出すだろうから、先回りしてナボナを買っておこう…」涌井「銀っ!銀や!」銀「(ほらきた…)あ、姫、ナボナならここに…」涌井「焼肉!」銀「は?」涌井「叙々苑の焼肉弁当が食べたい!甘いものは飽きたぞよ!はよう!」銀「…」
2013-05-16 13:44:23用心棒といったところで、日々の生活が変わるわけでもない。小野寺は日がな一日、傘張りの内職を続けている。戸を開け放っても糊のにおいが消えない、つましい長屋暮らし。時には、自分が侍であることすら忘れそうになることもある。それでも、心の中にどこか芯の通ったような心持ちであった。
2013-05-16 22:07:13うら若き姫君を守る。そこに下卑た心があったわけでもない。おのれが侍であることの…これをなんと呼ぶべきであろうか。誇り?魂?言葉であらわすことなどとうていできぬ使命感が、小野寺の全身にゆきわたる侍の血をたぎらせていた。「あの栗山という男には、感謝しなければならないのかもしれぬな…」
2013-05-16 22:12:48その日、傘張りの内職を依頼している燕屋から、若衆・七條之介が小野寺の長屋を訪れ、山のように積まれた番傘を大八車で引き取っていった。手間賃は思ったよりもよく、小野寺は盛り場へ繰り出した。酒が強いわけではない小野寺であったが、侍だ町人だという分け隔てのない小料理屋は憩いの場であった。
2013-05-16 22:24:03小野寺はしたたかに酔った。倹約倹約とせせこましい世の中、不満がたまるのは侍も町人も差はない。「ええじゃないか、ええじゃないか、よこはまゆうしょう!」誰からともなく、歌声がわいた。その独特な節回しを聞くにつけ、かつて同じ釜の飯を食い、港町へ流れていった大沼殿は息災であろうか…。
2013-05-16 22:30:55足元もおぼつかないほどに酔い果て、小野寺は店を出た。大名屋敷の角を曲がり、ほの暗い細道を通ってさあ長屋まであとひと息。とその刹那、白刃が闇を切り裂いた。侍の本能というべきか、間一髪その切っ先をかわし、小野寺は転がりながら闇の向こうを見つめた。ぼんやりと橙色が見え隠れしている。
2013-05-16 22:42:33「あいかわらずよのう…」闇から響いたのはしばらく耳にしていなかった、それでいて聞きなれた声であった。「わく姫に伝えよ。江戸からただでは出さぬ、とな」影は、まるではじめからそこになかったかのように霧消した。柳が風に揺れ、何事もなかったかのように静寂が再びおとずれた。
2013-05-16 22:49:39みずからの身の危険が去ったことと、守るべき姫が危うい立場にあることを、わずか数瞬で小野寺は悟ることになる。そしてその姫をなきものにしようという不貞の者が、古くから見知った人物であったことも、小野寺の胸の内を震わせていた。「義人殿…なぜに姫の命を狙う…?」 (つづく)
2013-05-16 22:53:31お便りコーナー
@marine_yamada わく姫には、またぜひ郷土銘菓をご紹介いただきたく。でも。実は銀の苦労ぶりが密かに楽しみなんですけれども(笑)。
2013-05-14 00:41:12@misaki_tw 意外と応用のきくシリーズになりそうですね(笑)。一定のパターンができあがっちゃってるんで、140文字に収めるのがラクなネタなのであります。元はといえば自分のアイディアじゃないのですが…。
2013-05-14 00:46:20