ある日、遠い外国の話をしたら聡さんに笑われて、思わずマリウス子爵は言ってしまうんだね 「聡ちゃんはこの街と、ぶどう畑のことしか知らないじゃないか!」 「それの何が悪いんだよ!」 「僕は…!僕だって知りたくない!行ったこともない遠い国の話なんて!」
2014-01-29 21:33:22「バカにしてんの?」マリウス子爵の白いブラウスの胸を土のついた手で掴む聡さん 「僕は何も知らない聡ちゃんが羨ましいよ」 俯いて小さな声でそう言いながら唇を噛みしめるマリウス子爵
2014-01-29 21:33:24襟元の汚れたブラウスで城に帰ったマリウス子爵はしばらく外出禁止になる 5日後くらいの夜、窓の外からマリウス子爵を呼ぶ声がして、びっくりして外を見ると、木の上で聡さんが笑ってて
2014-01-29 21:33:27釣りで仲良くなった聡マリは毎日のように遊ぶようになる、おなかがすいたら聡さんの釣った魚を食べたり木の実を食べたりして、そこでマリさんは初めて尾頭付きの魚の丸焼きを口にして命の尊さを学ぶんだよ(唐突な道徳の授業
2015-07-27 23:38:29マリさんはまぁこっそりお屋敷と言う名のお城から抜け出してるわけです、バレますわね、女中さんに でもそれは遊びたがりな年頃だっていって内緒にしてくれるんですね、そして友達が出来たことを言うんですよ、そしたら自分の事のように喜んでサンドウィチのお弁当を作ってくれるわけです
2015-07-27 23:46:19釣った大きな魚を自分の小さな靴に入れて持って帰ろうとする平民聡さんに、乗馬ブーツを片方脱いで差し出すマリウス子爵 「ダメだよ!」「大丈夫だよ。前から裸足で走ってみたかったの」「じゃあ明日返すから。またここに来て。待ってるから」
2015-07-27 23:48:32お弁当は抜け出し用のバラ園の奥の錆びた門の横にこっそり置いてあってそれを持って聡さんに会いに行くのです 紅茶も欲しいところですが聡さん家でもらえばいいやとか考えていました、うん、貴族だね
2015-07-27 23:48:34結局ブーツは片方だけまたあつらえて貰って、晴れて外出禁止令が解かれたマリウス子爵が平民聡さんに会いに行くんだけど、聡さんが持ってるもう片方のブーツは結局聡さんにあげちゃう
2015-07-27 23:54:09「やっと会えた」「ごめんね。ママに出かけたらダメって言われてたの」「これ。返すよ」「ううん。もういいの。新しいのあるから」「え?あれ、本当だ」「片方だけ新しいのってカッコ悪いよね」「そんなことないよ」「ありがとう。それはソウちゃんにあげる」「ありがとう。じゃあ魚、これに入れる!」
2015-07-27 23:58:00「大きい魚、釣らなきゃね!」って麦わら帽子かぶった聡さんが笑うんだよ!でもめったに釣れないから結局ブーツは聡さんの部屋に飾るの!
2015-07-28 00:00:11