茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第951回「日本を、孤立させてはいけない」
- toshihiro36
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にこ(1)このところ、日本の政治家の間で、歴史認識をめぐる議論が続いている。日本は表現の自由のある国であり、どのような発言をしても、基本的には自由である。しかし、政治家は評論家や学者ではないはずだ。政治家は、ある発言を、現実に特定の影響を与えるものとして発する。
2013-05-26 07:04:08にこ(2)中国や韓国といった、アジアの近隣諸国との、歴史認識をめぐる対立。私は、それに接しながら、ある予感を持っていた。おそらく、歴史認識をめぐる議論の本当の相手(RPGで言う「ラスボス」)は、その背後にいる。そのように思っていたら、案の定そうなってきた。
2013-05-26 07:06:30にこ(3)つまり、歴史認識をめぐる論争の「ラスボス」は、中国や韓国ではなく、アメリカであり、そして国際連合であり、国際世論である。評論家や学者、あるいはツイッターで表現する一般人が発言するのは自由で、政治家にもその自由はあるはずだが、政治に関わる以上、結局ラスボスに対面する。
2013-05-26 07:19:44にこ(4)先日ハワイに行って、ちょっと興味があって、アメリカ政府がハワイの歴史についてどんな認識を持っているか、ということを調べてみた。そうしたら、やはり、ハワイの王政を廃止してアメリカに併合したことについては、確かカーター大統領の時だったと思うが、正式に謝罪していた。
2013-05-26 07:08:59にこ(5)ここが、じっくり考えてみるべきところである。ハワイにも実は独立運動があり、しかし主流にはなっていない。ハワイの多くの方々は、アメリカの州である方が良いと思っているだろう。それと歴史認識は別で、今日の人権感覚、価値観で過去を評価するというのが基本となっている。
2013-05-26 07:09:59にこ(6)日本で、歴史修正主義が台頭した理由はきわめて見やすく、要するに過去に対するルサンチマンである。しかし、その際に過去の価値観や、オレタチだけでなくてオマエタチもやった、というようなことを言うことは、つまりは今日の価値観には合わない。ましてや、政治家にはそぐわない。
2013-05-26 07:11:06にこ(7)つまり、歴史認識というのは一つの政治の道具であり、自分たちの価値観を世界に提示することである。政治家であればなおさらだ。ハワイがアメリカの州であり続けていることと、ハワイ併合が反省すべき行為という認識を示すことは両立する。そのことを日本の政治家はわかっているのだろうか。
2013-05-26 07:12:42にこ(8)日本を、孤立させてはいけない。ルサンチマンにとらわれることは、必ず孤立へと導く。ルサンチマンは、過去の負の感情であり、未来志向の価値観ではないからだ。ハワイがアメリカ影響下にあることを米政府が反省するのならば、日本も、韓国や中国にやったことを真摯に反省するのが筋だ。
2013-05-26 07:16:01にこ(9)政治家は評論家や学者、一般人とは違うという意味は、つまり、彼らは「未来」をつくる責務を負っているということ。未来に向けて、どのような価値観で向き合っていくのかを示すのが筋。ルサンチマンにとらわれて、威勢のいいことを言っているのは、政治家ではなく酔っ払いである。
2013-05-26 07:21:54