茂木健一郎氏 @kenichiromogi 【日本人に、いつなるのか】連続ツイート

2013.5/27 茂木健一郎氏:連続ツイート第952回 【日本人に、いつなるのか】 …本質的なポイントは日本語にある。日本語は、日本文化のユニークな感性や、歴史性を反映していて、それを受け入れ駆使できる人は日本人であると認知される。大相撲の外国出身力士たちが日本人のように見えるのも、土俵まわりの日本語に熟達しているからだろう…
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート952回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、昨日思ったこと。

2013-05-27 08:00:32
茂木健一郎 @kenichiromogi

にい(1)昨日は大相撲の千秋楽。このところ、両国国技館には日本出身力士の優勝額がない。旭天鵬さんが、モンゴル出身で日本国籍を取得されているので、その優勝が「日本人力士」としてカウントされはするものの、確か7年くらい、日本生まれの力士の優勝がなかったのではないか。

2013-05-27 08:03:20
茂木健一郎 @kenichiromogi

にい(2)だからこそ、稀勢の里さんに対する期待が高かった。今場所は初日から13連勝で、大いに注目されたが、残念ながら白鵬さんとの全勝対決に、惜しい相撲で負けた。日本出身の力士の優勝、稀勢の里さんをはじめとする方々に、来場所以降こそ、期待したい。

2013-05-27 08:05:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

にい(3)ところで、国技館で相撲を見ていると、不思議な気持ちになってくる。まず、モンゴル出身の白鵬や日馬富士、鶴竜などの力士が、その外見が日本人に似ているということもあって(同じモンゴロイドだし)、そんなに「外国人力士」という感じが実はしない。

2013-05-27 08:06:58
茂木健一郎 @kenichiromogi

にい(4)さらに言えばヨーロッパ出身の琴欧洲や、ロシアかグルジアあたり出身の把瑠都や黒海だって、そんなに外国人という感じがしなくて、「仲間」な感じがする。それは何故かと言えば、彼らが、まわしを締め髷を結い、土俵における礼節を重んじるという大相撲の文化を受け入れ、尊重しているから。

2013-05-27 08:08:30
茂木健一郎 @kenichiromogi

にい(5)日本人に、いつなるのか。この問題が、以前から気になっていた。たとえば、ドナルド・キーンさんは、第二次大戦で初めて日本に来た方だけれども、その後源氏物語をはじめとする日本文学を研究され、日本語もお上手になり、先日は、ついに日本国籍を取得された。

2013-05-27 08:09:35
茂木健一郎 @kenichiromogi

にい(6)ドナルド・キーンさんが日本国籍取得された理由の一端が、震災後の復興に取り組む日本を元気づけたい、というものであったことは、多くの人に感動を与えた。私たちは、ある人が、日本の文化を受け入れ、それを尊重して生きている時に、「日本人」であると感じるようである。

2013-05-27 08:11:06
茂木健一郎 @kenichiromogi

にい(7)このように考えてくると、日本人とは、いわゆるDNAや血筋というもので定義づけられるものではないらしい。たとえば、日本人の両親のもとにアメリカで生まれて育った方は、家庭内の日本文化の影響を受けても、行動や思考はアメリカ的かもしれない。

2013-05-27 08:12:40
茂木健一郎 @kenichiromogi

にい(8)日本や日本文化といったもののあり方を、外部との行き来があるオープン・システムとして認識することは、これからの時代に大切だと考える。その際、外国からいらした方が、どの時点で、「日本人」であると感じるようになるのか、その認知のメカニズムを見つめておくのがよいだろう。

2013-05-27 08:13:49
茂木健一郎 @kenichiromogi

にい(9)日本人に、いつなるのか。本質的なポイントは日本語にある。日本語は、日本文化のユニークな感性や、歴史性を反映していて、それを受け入れ駆使できる人は日本人であると認知される。大相撲の外国出身力士たちが日本人のように見えるのも、土俵まわりの日本語に熟達しているからだろう。

2013-05-27 08:15:58
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート952回「日本人に、いつなるのか」でした。

2013-05-27 08:16:14