居上蜂花略奪戦「振りほどかれた/握りしめた手の行方」

正体がばれ、自分を消して『おじさん』のもとへ連れて行かれた彼女を、創史が必死で取り戻そうとする話。
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高嗣創史 @inoust1

少しの間の後、ゆっくりと視線が合う。 その目が泣いた時と同じような色をしているのに、また少し考えた。「…………ぬいぐるみ」「え?」「また、大きいぬいぐるみ、とってきます。あれあげた時の蜂花さん、そんな顔してなかったんで」「そんな、かお」「なんか、落ちつかねーっすわその顔されると」

2013-05-30 22:33:38
高嗣創史 @inoust1

言った自分が分かってないから通じないのは仕方ないと思うけど、案の定通じていないようだった。とはいってもそれ以上の説明が出来ない。ぬいぐるみをあげた時、いつもと同じ無表情だったけれど、今の、今のその辛そう(に見える)表情とは真逆だ。実際、真逆なのかもしれない。俺がわからないだけで。

2013-05-30 22:36:23
高嗣創史 @inoust1

正直「笑えばいいと思うよ」って言わせたかったのは内緒。

2013-05-30 22:37:55
ほうか @n_houka

色恋の沙汰に疎いので周りからのあたたかな眼差しに落ち着かなくなるのはそーじさんだけである。でもそわそわしているのはわかるのでどうしたんだろうと思ってる。「……痛みますか」「え?」「…………傷」「あー、大丈夫っす」

2013-05-30 21:19:57
ほうか @n_houka

そんな顔。そう言われても、自分がどんな顔をしているのかなんてわからなかった。なにか言おうとすればまたごめんなさい、が出てきそうになって、口をつぐむ。大きいぬいぐるみ。自分の部屋のベッドにある、テディベアと並んだ大きな猫が頭に浮かぶ。

2013-05-31 00:04:47
ほうか @n_houka

「……おおきいのじゃ、なくって、いいです」そう口に出せば、彼の瞳が疑問の色を浮かべた。「前にもらった、あの猫さんがもう、いるから。だっこして寝るのはあの子って、決めたから、だから」黒い眼を、真っ直ぐに見つめる。「ちっちゃいのでいいので、……持ち歩けるようなの、ください」

2013-05-31 00:05:15
しばとに🎻 @sbt2___

すぐに治癒すれば消えるけれど、時間が経てば痕になる。これぐらいなら治してやれるケドどうする?ってわざと訊くわんこ。痕を、あえて残そうとする蜂花ちゃん、とか?

2013-05-30 21:19:07
ほうか @n_houka

@heretic392 あえて残そうとするざわり……「自分でやったことですから」って、二重の意味を込めて言うと思います。このくらい、残らないと。

2013-05-30 21:22:33
しばとに🎻 @sbt2___

「自分でやったことですから」目を伏せると思っていたが、意外にも彼女はまっすぐにこちらを見つめてそう言った。嫋やかな姿とは似つかぬ辣腕の目だ。…気に入った。「殊勝だねェ。俺はその方が断然好きだぜ」赤く焼けた手を掴み、爛れた傷口に唇を寄せる。組織を繋ぐだけの痛み止め。「後悔するなよ」

2013-05-30 21:43:34
しばとに🎻 @sbt2___

ぱっと手を離して、へらり。痛いの痛いの飛んでいけー、なんつってな。

2013-05-30 21:49:32
ほうか @n_houka

蜂花海に落ちてそのまんまだからあとあと風邪引くわー……ちょっと焼いちゃった手は跡残るかな。消えるかな。

2013-05-30 21:15:14
ほうか @n_houka

おおきいのもらったら、くまちゃんもいるからベッドがぬいぐるみでいっぱいになっちゃうし、なによりにゃんこ先生大事にしてるから、またおっきいのもらっても二股になっちゃうわみたいな思考。

2013-05-31 00:08:25
ほうか @n_houka

そーじさんからもらったぬいぐるみ、毎日だっこして寝ておりますよ蜂花は。たまに話し掛けたりもする。「今日はよく晴れてますねえ」。

2013-06-01 12:16:04
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