稲川淳二　つぶやき怪談　2013年4月23日24日

稲川淳二 @Junji_Inagawa

こんばんは、稲川淳二です。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

稲川淳二の「つぶやき怪談」、怖・楽しい時間を、共有しましょう。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

何が起こっても、責任はとれませんけど。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

あるテレビの番組なんですがね。公営の放送局なんですけど。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そこのディレクターと、後輩のディレクターふたりがね、番組でもって、ある土地へ行って、その土地のものを紹介するのあるじゃないですか、ねぇ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

旅番組じゃないんですけど、似たようなことでもって、どこどこを訪ねます。そこへ行って、で、こういうのがあります。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そのお家で宝物出してもらったりとか、そのお家の得意な料理とか見せてもらったりする番組があるんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

それで、彼等が行ったのが、栃木県なんですけど、旧家ですよ。それは向こうの役所がね、紹介したわけだ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

で、そこは、大変に立派なお家なんですよ、旧家なんですけど。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

今は、一部はね、一般に開放されてて、いろいろ見学ができるんですよ。そういうお家なんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

それで、ふたりで行って、「こういう料理、お願いします」とか、「すみませんが、このシーンに出ていただけませんか、これやってもらえませんか」という話をするわけだ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そういう家なんですよね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

それでその家で、あーだこーだやっているうちに、気があっちゃって、話が盛りあがっちゃって、そこの御主人さんが、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「あんた達、ホテルに泊まるんだったらば、キャンセルしちゃって、良かったら、うちに泊まらないか？あの別棟をね、増築してあるから、そっちでもって十分、泊まれるし、良かったらそうしないか」

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「じゃあ、お言葉に甘えて」と泊まることにした。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そうなると、腰を据えちゃって、いい気分で飲んじゃうんだよな。しばらくすると、奥さんも出てきて、何か喋り始める。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

その家は、奥さんと御主人、ふたりしか普段いないわけですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

だから、たまに訪ねてくるお客さんが嬉しいし、ましてや、テレビの仕事がくるというので、余計に盛りあがったんでしょうね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

で、そうこうして、遅い時間になったので、その御主人さんや奥さん、お年ですから、遅くまで起こしていてもいけないと思って、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「じゃあ、そろそろ休ませてもらいます」そしたら奥さんが「こちらですよ」と案内していったというんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そこは、今、話をしていた部屋とは別棟で、小さな増築した建物らしいんですがね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

入ってみたら、すごい古い立派な建物なんです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「あー、立派ですね。何年くらい経っているんですかね」といったら、その奥さんがね、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「これは、じつは、全然、別の土地に建ってたんだそうですよ」そこで長いこと誰も住んでいない廃屋になっていた。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

で、もったいないんで、ここに移築したんだって言うんですよ。