どふ鰐リレー  ( ゚+++゚ )(▼д▼)ミンゴさんのプロポーズ大作戦!

※for only 腐女子  でもRにはしないつもり! 舞台は頂上戦争〜2年後の間あたり。 クレハ→霜月→つるかめ→乃夜→百旗→わにタン 続きを読む
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霜月@金組受付嬢 @simotuki_1109

@turukame__ ピンクの靄が徐々に部屋を侵蝕し始めるとクロコダイルもこの異常事態に備え思わず腰を浮かせた。新世界広しといえどこんな話は小耳に挟んだ事も無い。霞の中に立ちつくせば遠く向こうに走馬灯の様に流れゆく己と男の未来の姿が垣間見えた。信じられない。これは現なのか否か。

2013-06-10 18:56:10
つるかめ @turukame__

@noyoru 幻が消え、靄の向こうに鬱蒼とした森が見えた。自分自身があいつの前から消えてしまったのではと思い立つ。指輪が鈍く光る。世界最大の至宝、ピンクダイヤには曰くがある。迷信深い奴は呪われた石だと言う。そんな馬鹿な話を信じる訳ではない。だが力を籠めて尚、指輪は抜けなかった。

2013-06-11 09:46:00
の夜 @noyoru

@Dogsclock 外れない指輪に舌打ちし、耳を澄ませば森からはカラスの鳴き声、遠くからの小川のせせらぎ聞こえてきて現実感を誘う。その場に留まってはまた幻を見てしまうかもしれない。クロコダイルはそう考えると急に背筋が寒くなり、首を振って霧から森へとそろそろと歩き出した。

2013-06-11 13:08:49
ももまた @Dogsclock

入ってみると中は光射す明るい森で南国のジャングルと言った様子だ。色とりどりの花々が咲き、極彩色の鳥や蝶が空中を行き交う。脳天気な程平和で最初感じた暗さはない。辺りを眺めつつ歩いていると、「ア゛ー!」突然背後から鳴き声。反射で振り返ると真っ黒な鴉がいた。「おい!わにやろう!」

2013-06-12 21:37:22
わにタン@時々ふぁぼり人 @wantanop12

@KurehaKureha23 「ドフラミンゴ!?」真っ黒な鴉から声が聴こえた?まさか、そんなお伽噺のような出来事が起こるわけがない。だが、再びその嘴を開いて話しかけてくる。「驚いているな。無理もねェが」…アイツなら桃色の鳥じゃねェのか?混乱した頭はどうでもいいことを思い描く。

2013-06-12 22:26:38
クレハ@ @KurehaKureha23

@simotuki_1109 「頭でやたらと考えるからなぁお前は…もっと楽にいこうぜ?」嘴から発せられるドフラミンゴの声のようであり、何処か違う声。まず鴉が話掛けてきたことに関して疑問を抱くのが普通であるが、此処は新世界。確かにコイツの言う通り頭で考えるだけでは意味を持たない。

2013-06-15 20:53:32
霜月@金組受付嬢 @simotuki_1109

@turukame__ 常の男のようによく回る口の鴉を従え、クロコダイルは鮮やかな森の中を歩んで行く。不思議な事に未だ他の人間には遭遇していなかった。やはりここは己の幻の中なのか?突然ポケットの中に軽い重みを感じ取り出せば、あの懐中時計が右手の中で昔日の輝きを取り戻していた。

2013-06-16 11:38:57
つるかめ @turukame__

@noyoru 鴉はクロコダイルの肩に止まっていた。幾度も追い払ったが、その度に愛してるだ結婚しようだと喚き立てるので諦めたのだ。顔を上げると前方に強い気配。暗闇に白い歯が浮んでいる。スマイルは緋色の猫に変わった。チシャ猫の様なそいつは、またもやドフラミンゴの声で喋りかけてきた。

2013-06-18 00:06:15
の夜 @noyoru

@Dogsclock 「フフ!なァ…結婚してくれよ」あァ…増えた…。クロコダイルはげんなりとした表情で足にすり寄る猫を見つめる。――なんで猫も桃色じゃねェんだ。またしても彼の思考は現実から逃避する。「…猫と結婚なんざゴメンだ」「そいつァ良かった!」肩で鴉がはしゃいだ。うるさい。

2013-06-19 00:06:31
ももまた @Dogsclock

その後も様々な黒い獣が現れた。全て人の言葉を話し、全てドフラミンゴの声。宛も無く森深くへ入っていくクロコダイルの後にはぞろぞろ獣達が続き、同じ声だけの会話で騒がしい事この上ない。元々短気なクロコダイルが我慢に堪えかねて彼らを怒鳴りつけようとした瞬間、彼の足元を白い兎が走り抜けた。

2013-06-19 00:34:15
わにタン@時々ふぁぼり人 @wantanop12

@KurehaKureha23 「大変だ。遅刻だ。遅刻してしまう!」白い兎はドフラミンゴの声ではない。興味がそそられ、足早に兎の後を追いかける。ついてくる獣達が騒ぎたてるが、相手にしない。森の中は走りにくく、兎は脚が速い。あっという間に見失ってしまい、前には分かれ道が現れた。

2013-06-19 10:06:57
クレハ@ @KurehaKureha23

@simotuki_1109 「左と右、どっちに進む気だぁ?」鴉が愉快そうに耳元で囁く。「どうせその先はロクでもねぇんだろうな」「じゃあ右にしとけよ!」「てめぇに俺が進む道を選ぶ権利があると思ってんのか?」先程の兎はどっちへ行ったのだろうと悩むよりも先に左の道へと足を進ませた。

2013-06-20 21:30:25
霜月@金組受付嬢 @simotuki_1109

@turukame__ 足の赴くまま森の中を彷徨えば木々の合間から瀟洒な館の屋根が覗き見えた。あそこまで辿り着けば人間に会えるだろうと期待を持ち、喚き散らす煩い鴉共にげんなりとしながら歩を進める。すると館からは調子っぱずれの歌声が。その聞き覚えのある声に思わず深い溜息が零れ出た。

2013-06-21 11:25:27
つるかめ @turukame__

@noyoru またあいつだ。「お茶会にしようぜ!鰐野郎!」ピンクのデコレーションケーキの様ないかれた帽子のドフラミンゴが、館の庭から手招きをする。隣に座る兎の耳が付いたドフラミンゴがどでかいポットから紅茶を注ぐ。小さなカップに角砂糖を8つ。見ているだけで吐き気を催す代物だ。

2013-06-21 13:11:04
の夜 @noyoru

@Dogsclock 黒い兎耳の男は躊躇無くそれを飲み干し、帽子の男が大笑いする。テーブルには目がいたくなるような色使いの菓子。そしていつの間にか初対面の一言以来、黙っていた緋色の猫が置物のように座っていた。そういえばコイツだけだ。やかましい黒い獣共の中で色がついていたのは。

2013-06-22 21:21:32
ももまた @Dogsclock

帽子の奴に勧められ席に腰掛ける。この頭の混乱を何とかせねばと茶会をすっかり無視して瞼を閉じる。が、膝上に重みを感じて見下すと緋い猫。見透かした様に此方を見上げ「どれが本物?偽物?そんなの左か右かと一緒だァ、選んだ奴が本物だろ?そうだろ?」そう得意げに目を細めグルルと喉を鳴らした。

2013-06-22 23:17:06
わにタン@時々ふぁぼり人 @wantanop12

@KurehaKureha23 何が起こっても不思議じゃない新世界。だが、惑わされるのは御免だと、その類は何も信じて来なかった。否、現実の人間たち、部下ですら誰ひとり信じて来なかった。始まりはドフラミンゴのプロポーズ。薬指のピンクダイヤと、この…今は昔の輝きを取り戻した懐中時計。

2013-06-23 07:47:57
クレハ@ @KurehaKureha23

@simotuki_1109 この輝きを見ていると、何事にも熱く滾らせていたルーキーと呼ばれていた時代を思い起こす。いつからだろうか。何も信じられない己に対しそれでも尚手を差し伸べてくる仲間の手を取ろうともしなくなったのは。全ての言葉を疑い、態度の裏を読むようになったのは。

2013-06-24 20:43:12
霜月@金組受付嬢 @simotuki_1109

@turukame__勝気だったあの頃。恋慕も好意も素直に表現出来ず、それでも心の大きな男が時に自分を包み込んでくれていた。それに気付けたのは己が転落し、夢が零れ遥かな時を超えた後。ゆっくり瞳を開けば「なぁ、お前には一体誰が残ってる?」顔を見上げにやりと笑う緋色の猫の冷静な眼

2013-06-25 14:14:28
つるかめ @turukame__

@noyoru 眩暈がする。クロコダイルは無意識に懐中時計を握り締めていた。「返せ!」あの白兎の声だ。一瞬の後時計が奪われた。反射的に伸ばした腕は白い前足に阻まれる。「もう必要ないだろう」兎に何がわかる。怒鳴る声に兎の笑いが被さった。「クハハ鰐小僧。今のお前に必要な物はなんだ?」

2013-06-27 00:22:29
の夜 @noyoru

@Dogsclock 思わず息を飲んだ。兎の声は己のものだった。口調はあの男を真似ているよう。心の奥底の宝箱に隠してあった想いを無理やりこじ開けて見せ付けられてるような気がした。クロコダイルは自分越しで見る男の幻影を体現している白兎にゾワリと体を震わせた。

2013-06-27 13:38:29
ももまた @Dogsclock

「あ!」突然白兎が走り出し、指に絡む心細い鎖を引かれ乍ら続く。猫は襟周りに収まり、帽子男達も慌てて続いた。一団は森を抜け静かな白浜に辿り着いた。遠浅に夥しく墓標が連なり、日差しに白く遠く霞む。眩しさに目を庇った途端、ぷつり、と鎖が。一際大きな墓標に迷い無く向かう兎は波間へ消えた。

2013-06-28 23:37:43
わにタン@時々ふぁぼり人 @wantanop12

@KurehaKureha23 太陽の光の乱反射で蜃気楼のように揺れる墓標。あの男の体躯のように大きくありながらもそれは幻のように儚い。まるで自分の想いそのもの。どこまで行っても届かないのにいつまでも忘れることができない。それが自分を動けなくしている?今の自分に必要なもの…。

2013-06-30 00:12:39
クレハ@ @KurehaKureha23

@simotuki_1109クロコダイルは自らに必要なものは全てどんな手を使ってでも手にしてきた。それに掛かる必要な代償を大きく払いながらも、時には身体を傷つけ、プライドを磨り潰しても己の内に欲しいものは取り込んできた。貪欲に、ただ貪欲に。自分の欲を満たす為だけに。海賊らしく。

2013-07-01 20:40:19
霜月@金組受付嬢 @simotuki_1109

@turukame__ その為か外面は自らの矜恃と不遜な態度を保ちつつも、内面は他者が入り込めぬ厚く堅固な壁がぐるりと囲んでいた。中に蹲るは心細さと猜疑心に囲まれた己のみ。自ら欲した愚直な部下でさえも微かに届かない内壁。そこへ一筋、気付けば蜘蛛の糸のように入り込むものがいた。

2013-07-02 14:41:38